【まゆの走る日々 その2】タンパク質補給のポイントは? お米は食べていい? 食物繊維は二種類? 栄養士さんに食生活のアドバイスをもらいました!
都内在住の会社員で、日ごろからランニングを楽しむスポリートアンバサダーのまゆさん。本企画では、まゆさんが健康的で美しい身体を維持しながら、ランニングの新しい楽しみ方に出会う日々にフォーカスします。今回は、スポーツ栄養士の小笠原真智さんに食生活のアドバイスを受けてきました!
自分にとってのベストな食生活がわからない…!
みなさんこんにちは、スポリートアンバサダーのまゆです。
新型コロナウイルスの影響もあり、前回の記事からだいぶ日が空いてしまいました。
そうこうしているうちに、ここ数ヶ月間でだいぶ仕事が忙しめに……。
帰宅が22時すぎになることも多く、最近なかなか運動ができていません。
そこで特に気になりだしたのが、毎日の食生活!
もともと、油断をすると体重が増えやすい体質なので、運動の機会が減ったことでだいぶ危機感を持っています。
そして何よりも自炊をほとんどしないので、毎日コンビニの食品などに頼りがち。
自分なりに、足りないものはサプリメントも活用して補おうとしてみたり、糖質を控えてタンパク質をとるよう心がけたりしているものの、何がベストなのかいまいちわからず、ずっと迷子気味です……。
そんな悩みを抱いていたところ、ラッキーなチャンスが!
「スポリート栄養お悩み相談室」でもおなじみのスポーツ栄養士・小笠原先生にお話を聞けることになりました。
せっかくの機会なので、体型を維持するための食生活について、いろいろとアドバイスをもらいたいと思います!
いろいろ工夫しているけれど、絶賛迷子中です
まゆ: 小笠原先生、今日はよろしくお願いします!
小笠原先生: よろしくお願いします! まずは、まゆさんの普段の食生活について聞かせてもらえますか?
まゆ: 朝は、甘酒と豆乳とプロテインを混ぜて飲んでいます。お昼はサラダ屋さんの「ほうれん草サラダ」とベースブレッド(糖質を抑え、ビタミン&ミネラル、たんぱく質、食物繊維などの栄養素がつまったパン)。夜は、サラダチキンと笹かまやカニカマ、お腹が空いたらバナナを食べる、という感じです。心がけているのは、脂質と糖質を控えること。ほぼ毎日同じようなものを食べています。あとはサプリメントで、マルチビタミン、Lカルニチン、CLA、緑茶由来のカフェイン、運動するときはBCAAも飲んだり……。
小笠原先生: すごい! かなりストイックにいろいろ考えていらっしゃるんですね。
まゆ: 自分なりに、体型を維持するためにもいろいろ調べてみてはいるんですけど、なかなかこれだ、という組み合わせに出会えないんですよね〜……。
極端な糖質制限は、痩せにくい身体をつくる…?
小笠原先生: まゆさんはご自身でたくさん調べたり工夫したりしながら、食生活に高い意識を持っていて素晴らしいですね。でも、もう少し糖質をとってもよさそうかな、と思いました。
まゆ: もっと食べてもいいんですか?
小笠原先生: 糖質を制限しすぎると、少ないエネルギーで身体活動を維持するために“省エネモード”のような状態になります。すると、体温を下げて身体の機能を低下させるなどして、基礎代謝が下がってしまうことがあるんです。身体が省エネモードになっていると、カロリーの消費効率も下がるので、逆に痩せにくくなってしまう場合があります。
まゆ: え! でも確かに、一時期本当に炭水化物を抜いていたときがあって一気に痩せたのですが、そのあと思い切りリバウンドしたんです。もしかすると、極端に糖質を制限したせいで太りやすくなっていたのかもしれません。
小笠原先生: 今はあまり運動されていないので影響は少ないかもしれませんが、このまま運動を再開しても、もしかするとなかなか痩せられない……となる可能性もあるので、適度にエネルギーとなる糖質をとることをおすすめします。
まゆ: 食べてもいい炭水化物って、どんなものがあるんでしょうか?
小笠原先生: お米ですね。
まゆ: お米!? 意外!
小笠原先生: お米は太る、というイメージがあるかもしれませんが、脂質が少ないという大きな利点があります。運動していれば、1食に150gほど、軽めのお茶碗一杯分くらいは食べてもらっていいかと思います。コンビニのおにぎりは、だいたい1つあたり100gほどのものが多いです。
まゆ: そんなに食べていいんですね。ちゃんと走っていたら、朝昼晩、と食べてもいいんですか?
小笠原先生: 運動していたら食べても大丈夫です。ただ、これまで意識的に控えていたものを、いきなり3食とるのは不安なこともあると思うので、まずは朝だけ食べて様子を見て、大丈夫だったら昼も食べてみる、といったように、身体の調子を確認しながら自分にとっての適量を見つけてもらえるといいかな、と思います。
食物繊維は「水溶性」「不溶性」両方をとる!
小笠原先生: もうひとつ。食物繊維も、もう少し意識的にとってもらってもいいかもしれません。
まゆ: まさに! 食物繊維のとり方がぜんぜんわからなくて、どうしたらいいんだろうと思っていたんです。野菜は、お昼のサラダしかとれていないので……。
小笠原先生: 食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、ぜひ両方をとるよう意識してもらえたらと思います。
まゆ: 食物繊維にも種類があるなんて、知りませんでした!
小笠原先生: 「食物繊維たっぷり」というイメージの、ごぼうやさつまいもなどの根菜類には不溶性食物繊維が豊富です。ただし、不溶性食物繊維の主な働きは、便のかさを増すこと。これだけをたくさん摂っても、むしろ便秘になってしまうことがあります。水溶性食物繊維には便の動きをスムーズにしてくれる働きがあるので、腸内環境を整えるためにも必要な成分なんです。
まゆ: 水溶性食物繊維をとるには、どんな食材をとればいいんですか?
小笠原先生: 水溶性食物繊維は、海藻類に多く含まれています。そのため、わかめやもずく、めかぶなどを取り入れるのがおすすめです。スーパーで3つセットで購入できるもずくやめかぶを活用したり、乾燥わかめをインスタントスープに入れたりするだけでもだいぶ違うはずですよ。ほかにも、きんぴらごぼうや豆の五目煮など、コンビニでも手に入る小鉢料理のパックを取り入れれば、水溶性、不溶性の両方をバランスよくとることができます。
まゆ: それなら、スーパーやコンビニで手軽に買えるので私も取り入れられそうです! 職場にも持っていきやすそうでいいですね。
小笠原先生: 1食に1品か2品、小鉢的なものを追加できると理想的です。ぜひ、便利なパック食品やコンビニの小鉢系お惣菜も取り入れて、食物繊維をとることを心がけてみてくださいね。
動物性タンパク質のとりすぎに注意。3食それぞれバランスよく!
まゆ: 腸内環境の話でいうと、タンパク質をとることを意識的に心がけているのですが、お腹の調子が悪くなることがあって。
小笠原先生: まゆさんは毎朝、甘酒と豆乳、プロテインを混ぜて飲んでいるとのことでしたが、何プロテインを使っていますか?
まゆ: ホエイプロテインです。
小笠原先生: 動物性タンパク質には油も多く含まれていたりするので、たくさんとると腸内環境が荒れてしまうことがあるんです。ガスが溜まってお腹が張ったり、便秘気味になったり。
まゆ: やっぱりそうなんですね。一時期、1日に2杯ホエイプロテインを飲んでいたことがあって、そのときは特にお腹の調子が悪かったんです。整腸剤を合わせて飲んだりもしていて、「健康のためにプロテインを飲んでいるのに、何やってるんだろう」と……。でも、植物性のソイプロテインには苦手意識があって、どうしてもホエイを選んでしまうんですよね。
小笠原先生: ソイプロテインが苦手ということであれば、えんどう豆やそら豆のタンパク質を使用したプロテインスムージーなどもあるので、こういったものも活用しながら植物性タンパク質をとるのもいいかもしれません。
まゆ: ソイじゃない植物性のプロテインがあるんですね。パッケージもかわいいし、スーパーフード系も入っていておいしそう!
小笠原先生: まゆさんは、すでにプロテインを甘酒や豆乳と混ぜて工夫されて飲んでいてとてもいい組み合わせだと思いますが、ほかにも飲み物のベースにアーモンドミルクを選んでみたり、ヨーグルトを混ぜてどろっと飲みごたえのあるスムージーにしてみるのもおすすめですよ。
<プロテインと混ぜるのにおすすめの食材>
◆ベースとなる飲み物・牛乳
・豆乳
・アーモンドミルク
・甘酒
◆食べごたえと栄養バランスアップにおすすめの食材
・ヨーグルト
・フルーツ(ベリー系やバナナなど)
・オートミール
◆プラスアルファのちょい足し
・ココナッツオイル
・MCTオイル
まゆ: カフェのカスタムドリンクみたいで楽しそうですね。在宅で余裕のある日や、週末のごほうび朝ごはんによさそうです!
小笠原先生: さきほどお話にもあがったプロテインスムージー「MURB VEGAN PROTEIN SMOOTHIE」を使って、アサイーボウルのようにアレンジするレシピも作ってみたので、こちらもよければ試してみてくださいね。
プロテイン入り豆腐ヨーグルトボウル
レシピは小笠原先生のブログで紹介中。動画も公開されているので、ぜひ参考にしてみてください!
https://note.com/athletegarden/n/n567e85883aaf
まゆ: おしゃれでおいしそう〜〜。今度試してみます!
小笠原先生: ちなみに、タンパク質は、1食あたりに吸収できる量が決まっているんです。そのため、朝、昼、晩とバランスよくとるのが、タンパク質摂取の大きなポイントです。女性の場合は、1食あたり20〜30gのタンパク質量が適量とされています。100gのサラダチキンに含まれるタンパク質量は25gほどなので、1食あたり1つ食べればクリア。反対に食べ過ぎると、余剰分は脂肪に変わってしまうので気をつけてくださいね。
まゆ: ひゃ〜〜〜、そうなんですか!
小笠原先生: まゆさんの場合、朝と夜はきちんとタンパク質をとれているかと思いますが、お昼が少し足りないかもしれません。手軽に食べられるゆで卵などを活用して、3食バランスよくタンパク質をとるよう心がけてみてください。
まゆ: わかりました!
「食物繊維」「糖質」「タンパク質」を意識して、食生活を改善したいと思います!
小笠原先生にお話を聞いて、食物繊維にも水溶性と不溶性があり、腸内環境を整えるためには両方必要なこと、糖質を制限しすぎると逆に痩せにくくなってしまう可能性があること、タンパク質は3食それぞれバランスよくとるのがポイントなこと……など、初めて知ることがたくさんで、驚きの連続でした。
簡単に取り入れられる改善方法も具体的に教えてもらえたので、さっそくいただいたアドバイスを活かしていきたいと思います!
お話にあがった「MURB VEGAN PROTEIN SMOOTHIE」も、さっそく試してみました。
もったり重たいホエイと違ってサラッとした飲み心地なので、ラン後もぐいぐい飲めるのと、苦手意識のあったソイくささもなく、とても気に入っています! お腹も張りにくいようなので、小笠原先生のレシピも合わせてこれから活用させてもらいます。
今回、いろいろと学んだことで運動への意識も高まってきたので、またランニングも再開しつつ、健康意識を高めていけたらうれしいです!