【いまから走りたい人へ】かのこ24歳 フルマラソン完走への道のり! その5 走れ!初めてのフルマラソン 編

特集 かのこ24歳フルマラソン完走への道のり

フルマラソン完走を目指してランニングを始めたばかりの、かのこ。彼女の挑戦に密着しながら、走り方のヒントや、ランニングの魅力についてお届けします。“いまから走りたい人”に向けた情報が盛りだくさんです!

フルマラソン完走を目指す初心者ランナー・かのこちゃんに密着する本企画。今回はいよいよ大会本番のレポートをお届けします! 

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ついに大会本番。いざ出陣……!

かのこちゃん完走企画が始まって約3ヵ月。ついに大会本番の日がやってきました。 3月25日(日)、佐倉朝日健康マラソン当日! かのこちゃん、おはようございます!

合流したとき、かのこちゃんの表情は不安に染まっていました。結局、前回TREATさんを訪れてからずっと忙しくて、ほとんど練習できなかったのだとか……。しきりに「怖いよ〜」と嘆いていました。だけど、泣いても笑っても今日が本番。スタートの時刻も迫っています。とにかく会場へ向かいましょう!

ちなみに朝ごはんは、おにぎり2つにバナナ一本、それからエネルギーゼリー飲料と、100%果汁ジュースをとってきたとのこと。普段あんまり朝ごはんをとらないかのこちゃんにとっては、全部食べるのがちょっとしんどかったみたいですが、頑張って栄養補給できました。

初めてのフルマラソン、スタート!

着替えを済ませてシューズの紐もしっかりと締めたら、スタート地点の競技場内に並びます。大会から配られたタイム計測のためのチップもばっちり装着しました。

ちなみに、チップは大会によってつける場所が決められていて、今回のように靴紐につけるタイプか、あらかじめゼッケンにつけられているタイプが多いです。

フルマラソンのスタート列は目標タイムが速い順に並ぶので、かのこちゃんが並んだのは結構後ろのほう。5時間30分をめざすランナーたちと一緒にスタートを待ちます。ドキドキ。

そして、9時30分。号砲が鳴って、ランナーたちが一斉にスタートしました!

かのこちゃん、いってらっしゃい!!

かのこちゃんはどこにいるでしょうか。ヒントは水色のキャップに蛍光イエローのTシャツです。

かのこちゃん応援の旅

スタートを見送ったあとは、応援チームみんなで第一関門の16.5km地点をめざすことに。ショートカットして直線距離で向かえば歩いて行けるポイントです。先回りしてかのこちゃんを応援します。

到着後少ししたタイミングで、ちょうど先頭を走る選手が通過していきました。その後、続々とランナーたちがやってきます。

かのこちゃんを待っている間に、応援ボードも作成。

「前傾」のボードは、つらくなってきたときこそ“足首からの前傾”を思い出してもらおうと準備しました。足首から前傾する姿勢は、ムダな力を使わずきれいなフォームで走るためのとても大切なポイントです。(結局、この後“前傾”とか言ってる場合じゃなくなることをこのときは誰も知りません)

そして、スタートから2時間弱経過した11時25分ごろ、ついにかのこちゃんがやってきました!

表情を見るかぎり、とっても元気そうで一安心! ペース的にも、1kmを7分ちょっとで走っていることになるので今のところ予定通りです。いい感じ!
……と思いきや、「足が痛い! やばい!!」とこちらに叫びながら走り過ぎていくかのこちゃん。まだ半分も走っていないのに大丈夫なのでしょうか……。

ひとまず、しっかりエネルギーと水分を補給。

心配だけどそのまま背中を見送りました。

ペースランナーさんたちにも支えられ……

かのこちゃんの足を心配しながらも、応援チームは次のポイントへ向かいます。めざすのは28km地点。印旛沼湖畔にある佐倉ふるさと広場です。向かう途中、満開目前の桜や鮮やかな菜の花がとてもきれいでした。

のどかな街並みや豊かな自然を満喫できるのは、佐倉朝日健康マラソンの魅力のひとつ。にぎやかな歓声に包まれながら有名な街を走る大都市での大会もいいけれど、アットホームな雰囲気のなか自然を浴びて走るのもいいなあと感じました。(走っているのはかのこちゃんですが)

湖畔でしばらく待っていると、13時ちょっと過ぎにかのこちゃん登場! スタートから約3時間40分。少しペースが落ちたようですが、大きくは崩れていません。よかった……!!

どうやら、5時間30分記録のペースで走るペースランナーさんに出会えたようで、頑張ってついていくことにしたみたいです。ペースランナーさんと会話する様子も見られました。一緒に走ってくれる人ができて、少しは足の痛みも紛れるといいのですが……。

給水ポイントで借りられるスプレー式の鎮痛消炎剤を足に吹きかけて、また走り去っていくかのこちゃん。足の痛み以外はとても元気そうだったので、このまま完走してほしい!!

ゴールで待ち構えるも、かのこちゃんが来ない……

28km地点でかのこちゃんを見送ったあとは、応援チームが山道に迷い込むなどのハプニングがありつつも、ゴール地点の競技場に戻ってきました。

しかし、いくら待ってもかのこちゃんが来ない。スタートから5時間が経過したけれど、まだ40km地点に到達していない模様です。(10kmごとの通過タイムはアプリ『応援navi』を使って確認していました)

スタートから5時間30分。さきほど一緒に走ってくれていたペースランナーのお姉さんがゴールしましたが、かのこちゃんの姿は見えません。大会の制限時間は6時間。あと30分でゴールできるのでしょうか。応援チームの動向を知らせるために「たまに連絡入れておくからもし余裕があったら見てね」ということで何度か送っていたLINEのメッセージにも、しばらく既読がつきません。どうしよう。心配です。

今どこを走っているのかな、足は大丈夫かな、何かハプニングに遭ってないかな……と、心配がピークに達したころ。ついにアプリから、かのこちゃんの40km通過を知らせる通知がありました! このとき、スタートから5時間39分。その後まもなく、41kmあたりで待っていた応援チームの別動隊から「かのこ現る」との連絡が!! あと少しでゴール!! 頑張れ!!

その後、気合のラストスパートをかけたかのこちゃんの姿が競技場に見えると、応援チームは興奮のあまり飛んだり跳ねたりしながらかのこちゃんに手を振り叫びました。そして、5時間56分46秒でついにゴール!!

制限時間の約3分前! 見事、初フルマラソン完走です! おめでとうございます! その目には涙が浮かんでいました。応援チームも思わずみんなで泣きました。

泣きながらも「足いった! 痛いのがつらかった!」と、わりとあっさりしたコメントを残し、大会スタッフさんから手渡されたバナナをすぐにもさもさと食べ始めていました。でも、42.195kmを走りきるなんて並大抵のことじゃありません。きっと、足も痛いしかなり疲れていることは間違いないのに、つらそうな顔もせずスタート前と変わらない明るさを見せるかのこちゃん。強い女性です。オリンピックなどでアスリートの姿に感動するのとはまた違った、身近な人の頑張りに心揺さぶられる感覚を味わわせてもらいました。学生時代、部活動の試合でチームメイトを無条件に全力応援していたときの気持ちに近いような気がします。一生懸命頑張っている人の姿って素敵です。

ゴール直後、涙を拭いながらバナナを貪るかのこちゃん。お腹が空いていたようです。

結論:やっぱり練習は大切

こうして、なんとか6時間以内にフルマラソン完走を果たしたかのこちゃん。足が痛くなってしまったのは大変でしたが、なんとかゴールできて本当によかったです。

完走後のかのこちゃんに話を聞いてみると、「息もそんなに上がらなかったし、心肺のほうはわりと余裕でした。だけど、ひたすら足が痛かった。15kmを過ぎたあたりからひざが痛くなってきて、その後は足の外側がどんどん痛くなって……」とのこと。後日念のため病院に行ったら、「ちゃんと練習しなかったからだね〜」とお医者さんに言われたそうです。TREATの夕子先生にも、シューズアドバイザーの藤原さんにも言われたとおり、やっぱり足を鍛えないと途中から痛くなってつらい思いをする危険性がぐんと上がるのですね。

ともに42.195kmの道のりを乗り越えたシューズ。

忙しくてなかなか練習ができなかったかのこちゃん。学生時代に陸上中距離やバスケットボールをやっていたおかげもあって、ほぼ基礎体力とポテンシャルだけで42.195km走ったようなものです。ケガなく楽しく走るためにはコツコツと練習することが大切なんだ……ということを、身をもって実感しました。これまで協力してくれたみなさんから教わったことの大切さや正しさを、ある意味身体を張って証明したともいえるでしょう。

何はともあれ、初めてのフルマラソン完走おめでとうございます。結局あまり練習はできなかったけど、それでも走れたのは、これまで協力してくださった方たちのおかげでもあります。今回の挑戦を通してせっかくいろいろ教わったのだから、これからも走ることを続けられるといいですね。時間をかけて準備すれば、きっと今回の達成感を上回る喜びや感動を味わえるようになるはずですよ。
かのこちゃんの次回挑戦にご期待下さい!

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