【テクノロジー図鑑vol.11】C3fit『アーチサポートソックス』『ペーパーファイバーソックス』編─足裏のアーチと快適性を保つことがパフォーマンスアップの秘訣

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長年愛され続ける有名プロダクトから、あっと驚く新製品まで─ランニングにまつわる気になるテクノロジーを紐解く、スポリートの“テクノロジー図鑑”。第11回目のテーマは、C3fitの『アーチサポートソックス』『ペーパーファイバーソックス』です!

今回のテクノロジー図鑑では、前回に引き続きC3fitの『アーチサポートソックス』『ペーパーファイバーソックス』についてお話を伺ってきました。シューズに頼るのと同じように、ソックスの力を借りるのも、快適に走るためにぜひ目を向けてほしいポイント。C3fitには、スポーツを楽しむ人たちのために、足裏のサポート機能や快適性を追求し続けて生まれたソックスがあります。

テーピング効果で足裏のアーチをサポート

──まずは、「アーチサポート」の機能について教えてください。

人間の足には、縦に2つ、横に1つの、合わせて3つのアーチがあります。アーチは、橋の構造でよく知られているように上からの重さ、つまり衝撃を吸収するために湾曲しています。足のアーチも、湾曲しているからこそしっかりと衝撃吸収ができるのですが、長距離を走り続けたり、ダッシュを繰り返すなど、衝撃を与え続けるとアーチが崩れやすくなります。すると結果的に、横アーチが低下する「開張足」や内側縦アーチが低下する「扁平足」といった症状が出てしまうことがあるんです。開張足になると足がぐらぐらと不安定になり、外反母趾や内反小趾になりやすくなるという危険も。これらの症状は、アーチ部分をテーピングで締め、湾曲をキープすることによって予防することができます。そこでC3fitのソックスでは、「アーチサポート」として、横アーチと縦アーチをサポートするテーピングの機能を搭載しました。

──テーピング機能をもたせるうえで工夫したことはどんなところですか?

テーピング機能のある靴下には結構きついものが多いのですが、きつくて履き心地が悪くなるのは避けたいと思いました。そこで、クロステーピングの部分には特殊な糸を使用して、その部分だけあまり伸びないようにしています。それ以外の部分は普通に伸びる。こうして伸縮性にメリハリをもたせて、履き心地が良いままテーピング効果を実現しているんです。

──テーピング効果をしっかりと持たせつつも快適性が失われないように工夫されているのですね。C3fitでは「履き心地」をとても大切にされていると思うのですが、履き心地を追求するうえでほかにもこだわったポイントはありますか?

足首後ろの“耳たぶ”のように見える部分は、「何のためにあるの?」と聞かれることが多いのですが、これも履き心地をよくするための大切なポイントです。くるぶしが出るような短い丈のスニーカーソックス(アンクルソックスと呼ぶ場合もあります)は、履いていると靴下がどんどん靴の中に入っていってしまうという経験をしたことがある人も多いかと思います。“耳たぶ”は、その困った現象を防いでくれるためのストッパーなんです。靴のなかに入らないよう、適度な引っ掛かりになってくれます。また、クッションの役割も果たしてくれるので、アキレス腱部分を靴ずれしやすい人も足首の後ろが痛くなりにくいというメリットがあるんです。

ほかにも、指先の部分には強力な糸を使って、穴があきにくいようにしています。「それなら、全体に強力な糸を使って丈夫にすればいいのに」と思う方もいるかもしれませんが、強力な糸は破れにくい反面、毛玉が付いたときに取れにくいです。そのため、きれいな状態で長く履けるように、穴があきやすい箇所に絞って強力な糸を使うようにしました。

濡れていないように感じる不思議な紙糸。強度は普通の靴下の20倍!

──「ペーパーファイバー」は、その名のとおり紙の糸を使ったソックスだと聞きました。紙糸を使うことで、どんなメリットがあるのですか?

高温多湿の日本では、昔から紙を障子やふすまなどにも使用されているように、除湿効果や抗菌作用が重宝されてきました。日本人の生活に密着してきた紙を衣類にしてみたらどうだろう、というアイディアをきっかけに誕生したのが、ペーパーファイバーソックスです。
紙糸は素材としての“ドライ感”が高いと聞いていたのですが、私自身ずっとスポーツウエアの開発に携わってきているので、速乾性のTシャツはいくつも見てきています。それで実感していたのが、いくら速乾性があるといっても、びちょびちょに汗をかいたら、ある程度は乾くのに時間がかかるということ。そのため、紙糸の素材について最初に聞いたときも、「それなりに乾くまでに時間が必要なんだろうな」と思っていたんです。
でも、試作品を履いて山道を走ったとき、驚きました。わざわざ水たまりに足をびちゃっとつけたりしながら走ってみていたのですが、その数分後には「あれ? さっき水たまり入ったはずなんだけどな…?」と、靴下が濡れていることを感じない感覚があったんです。それで靴を脱いでみると、たしかに靴下は濡れたまま。つまりどういうことかというと、本当は乾ききっていなくても、濡れていないような感覚がする。紙の適度なザラザラ感がそう感じさせてくれるんです。これが、ペーパーファイバーソックスの不思議なところ。だから、「ドライ“感”が高い」と私たちは表現しています。
実際にスポーツをするときって、快適に“感じる”ことがとても大切ですよね。走っているときに足が気持ち悪かったら、そちらに気を取られてじわじわと余計な体力を使ってしまいますし、たとえばゴルフをやるときにも足が濡れているような気がしたら、おそらく良いショットを打てないでしょう。

擦れやすい足首部分には柔らかい素材を使用することで、さらに履き心地がよくなるよう工夫されている。

──“紙”と聞くと、なんとなくすぐに破れてしまわないか心配になるのですが、強度は大丈夫なのですか?

よくお客さまも、「破れないんですか」「溶けたりしませんか」と心配されるのですが、まったくそんなことはありません。C3fitのペーパーファイバーソックスは、一般的な靴下の強度基準のおよそ20倍の強さがあると、試験で確かめられています。うちの契約アスリートからも、「5000km走ったけど破れなかったよ」などの声をもらっています。

前回に引き続きお話を聞かせてくださった、C3fitの平山壮一さん

私自身も普段から愛用していて、特に夏場はほぼ毎日ペーパーファイバーソックスを履いていました。みなさんも、ついついヘビーローテーションで着てしまうお気に入りの服があると思います。その決め手はやっぱり着心地だと思います。紙糸の靴下は履き心地がすごくよくて快適なので、スポーツするとき以外にもきっと履きたくなってしまうはずですよ。丈夫なので、ヘビーローテーションしても穴がなかなかあきにくいですし、使ってもらったらかならず満足いただけると思っています。

──初心者ランナーには、ついついソックスのことを後回しにしてしまう人も多いと感じています。きちんとランニング用ソックスを履くことのメリットを教えてください。

ランナーの3大障害には「シンスプリント」「腸脛靭帯炎」「足底筋膜炎」があって、いずれも足にかかる衝撃が蓄積されることにより発症します。もちろん走り方のフォームなどの影響もありますが、アーチが崩れることによって衝撃がダイレクトに伝わるようになると、ケガをする危険性が高まってしまうのです。だからこそ、シューズやインソールの力を借りるのと同じように、ソックスの力も借りて走れば、より快適に走り続けることができるんじゃないかなと思います。健康のためには足裏が大切、というのはもはや一般常識になってきているはずなので、ぜひみなさんも足を大切にしてあげてください。

──シューズに気を取られがちでついつい後回しにしてしまうことの多いソックスですが、今回お話を聞いて、ソックスの大切さを改めて実感しました。足裏のアーチをキープしてケガの防止に役立つアーチサポート機能と、快適性抜群のペーパーファイバー。機能と快適性のどちらも妥協することないC3fitだからこそ開発できたソックスなんだと感じています。ランナーのみなさんもぜひ足裏を大切にしてください!

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