【テクノロジー図鑑vol. 39】TENTIAL『BAKUNE(バクネ)』編─アスリートの知見から生まれたリカバリースリープウェア。寝るとき着るだけで血流改善&疲労回復につながる!

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長年愛され続ける有名プロダクトから、あっと驚く新製品まで─ランニングにまつわる気になるテクノロジーを紐解く、スポリートの“テクノロジー図鑑”。第39回目のテーマは、思わずBAKUNE(爆寝)したくなるリカバリースリープウェア『BAKUNE』です!

皆さん、最近ぐっすり眠れていますか?
睡眠の質がよくないと、なんだか身体が重くてだるい……と、慢性的な疲労につながることも。パフォーマンスが下がるので、もちろんランニング時にも思うように身体が動かなくなってしまいます。

今回は、日頃のコンディショニングにおいてとても重要な“睡眠の質”を、着るだけで高めてくれ、疲労回復も助けてくれるというリカバリースリープウェア『BAKUNE(バクネ)』をご紹介。

BAKUNEを展開する株式会社TENTIAL(テンシャル)の中西さんと丹羽さんにお話を伺い、プロダクト誕生の経緯やおすすめポイントを聞いてきました!

データと経験に基づいて、ニーズを見極める

左:代表取締役の中西さん。サッカーでインターハイ出場経験を持つ/右:D2C事業部長の丹羽さん。小中高は野球、大学ではアルティメットに打ち込み、現在はアルティメットのクラブチームにも所属

──まずは、株式会社TENTIALについて教えてください。

中西さん: BAKUNEを展開する株式会社TENTIALの社名の由来は「ポテンシャル」から来ています。人の可能性は無限大ですが、一方で、可能性を発揮するには身体が元気でなければなりません。当社には、元アスリートのメンバーが在籍しています。そこで、僕たちの経験やつながりをいかして、アスリートの知見をプロダクトに落とし込みながら、チャレンジする人を支えられるような機能性の高いものを届けたいという思いでブランドを展開しています。

丹羽さん: 当初TENTIALでは、スポーツや健康の情報を発信するメディアをやっていたんです。そのなかで、ユーザーさんが求める情報を分析したときに、健康課題──なかでも足元の健康課題に大きな関心があることがわかりました。そこで、インソールのブランドを立ち上げたのが、私たちTENTIALがプロダクトを生むようになった経緯です。

──その後、“睡眠の質”に着目することになったのはどうしてだったのですか?

中西さん: こちらもメディアとして、ユーザーが睡眠の改善に興味を持っているというデータがとれたということに加えて、夜眠ることは疲労回復のためにとても重要だということを、私たち自身も長年スポーツをしてきたなかで実感していました。さらには、忙しい毎日を過ごす人たちは、まず睡眠時間を削って頑張ってしまう人が多いといった現状もあります。これらの点からニーズを見出して、睡眠時に着用するリカバリーウェアの開発に着手しました。それで誕生したのが「BAKUNE」です。

中西さん: 僕たちは、アスリートのインサイトをより早くキャッチできるという強みがあるので、メディア運営によって得られたデータと、リアルな実感値によって、リカバリーウェアというジャンルにしっかりと需要を感じられたというのがありましたね。

身体をぽかぽかと温めて、睡眠の質を改善

──BAKUNEのウェアは、どうして着るだけでリカバリーにつながるのでしょうか。仕組みを教えてください!

丹羽さん: BAKUNEの機能の鍵となるのが、「SELFLAME®️」(セルフレーム)という特殊機能繊維です。SELFLAME®️は、自分の体から出る遠赤外線を輻射し、血流の改善を促します。それによって、疲労回復や筋肉のコリの軽減など、リカバリーへとつなげることができます。

中西さん: BAKUNEのリカバリーウェアは、熱ではなく遠赤外線を輻射するので、乾燥もしづらく、皮膚がデリケートな方にも着用いただけます。薄めの生地ですが、1枚着るだけでかなりぽかぽかと暖かくて、じんわりと汗が出るほど。冬の夜も快適に過ごしていただけるかと思います。

丹羽さん: また、寝返りを妨げない独自パターンも採用していて、寝心地にもかなりこだわっています。肩周り、脇周りの構造を工夫することで、寝返りを打ちやすくなり、快適な睡眠をサポートします。機能や着心地については、アスリートの方たちにも試していただいて、ヒアリングと改善を重ねました。

──実際に着用した人たちの反応はいかがですか?

中西さん: スッキリ起きられるという声をいただくことが多いですね。最近ではスマートウォッチなどで睡眠の質を誰でもはかれるようになったので、実際にBAKUNEを着て寝ることで数値が改善された、という声もいただきます。プロアスリートの方も移動中や遠征時などに着用してくださっているということで、品質や性能にはかなり満足いただけているのではという手応えがあります。個人的にも、もうBAKUNEじゃないと寝られなくなってしまったというくらい、着心地のよさと睡眠の質の高まりを実感しています。

中西さん: アスリートではないビジネスパーソンの方も好んで着てくださっています。BAKUNEのリカバリーウェアは、2021年の2月に正式販売してから、夏用のドライ生地のものまでリピートして各種購入してくださる方も多いです。

──ランナーには、どんな点がおすすめですか?

中西さん: やっぱり、自らの体温を保温してくれるので、血液の循環がスムーズになり、疲労回復にかなり役立ちます。ランニング後のリカバリーという観点でも効果的だと考えています。

丹羽さん: アクティブに動いた疲れを翌日の仕事に持ち越さない、という点でも活用いただけるかと思います。あとは、大会前にもおすすめです。レース当日は朝早いことがほとんどだと思うので、BAKUNEがスッキリとした目覚めをサポートしてくれます。

──寝るとき以外に着用するのもアリなんでしょうか?

丹羽さん: もちろんです。ユーザーインタビューをしてみると、仕事中もそのまま着ている、という方もよくいらっしゃいます。当社のメンバーも普段からよく着ていますね。ただ、いわゆる寝間着ではあるので、オンライン会議に出ても違和感がないような、ちょっとした外出にも着られるデザインのラインナップ『MIGARU(ミガル)』も先日リリースしました。

中西さん: いわゆる“ワンマイルウェア”ですね。こちらもSELFLAME®️の機能性を活かしながら、繊維の配合や加工を少し変えて、高見えする質感に仕上げています。

──ブランドとして、ここは絶対に負けたくない、というポイントがあれば教えてください。

丹羽さん: やっぱり、機能性ですね。

中西さん: 僕らが商品開発のなかでポイントにしているのが、自分たちが満足できるか、ということ。自分たちが「ほしい」と思えるかどうかもニーズととらえて、商品開発に活かしています。メンバーに元アスリートが在籍している分、リアルな経験に基づいてニーズを捉えられるのは、大きな強みだと考えています。マーケットの理解や、実体験からくる感覚的なものは、間違いなく大切だと思っていますので。

丹羽さん: 現在、BAKUNEやMIGARUのウェアは一般医療機器として疲労回復の効果を認められており、信頼感や安心感も担保できていると感じますが、今後さらに、大学の研究室と共同でデータを分析するなど、さらに信頼感を高めるための機能性の証明にも力を入れていきたいと考えています。

中西さん: 学生時代にスポーツに打ち込んできたメンバーもいるので、基本的にみんな負けず嫌いなんですよね。そういった「妥協しない」というマインドが、ものづくりにも表れていると感じます。

「健康なことはかっこいい」コンディショニングの価値を広めるために

──今後のBAKUNEシリーズの展開について、教えてください!

丹羽さん: ちょうど先日、BAKUNEシリーズの”まくら”「BAKUNE MAKURA」を先行販売したところなんです。僕たちのなかで「BAKUNE」というのは、ウェアに限らず、睡眠にかかわるプロダクトのシリーズとして広く展開していければと考えています。今回のまくらのコンセプトが“セミパーソナライズ”で、高さの異なる4つのパーツの順番を入れ替えたり、抜き差しすることによって自分に合う高さや硬さのまくらにカスタマイズできるというものです。

中西さん: まくらって、自分専用にカスタマイズすると高額になりますし、なかなかいいものを買う勇気が出ない……みたいな人が多いと思うんです。そこで、簡単にカスタマイズできるまくらがあれば、というニーズから生まれたのが「BAKUNE MAKURA」です。

──最後に、TENTIALとしての今後の展望があれば教えてください。

丹羽さん: ブランドを通じて、健康であることがかっこいい、価値のあることだ、ということを、社会に根付かせていきたいと思っています。ある程度年齢を重ねると健康への意識も高まったりしますが、若い人たちは自分の健康をおろそかにしがちです。いざ、病気になって、はじめて健康の重要性に気付かされたりしますよね。そこで、僕たちがこれまで健康やコンディショニングにこだわってきたことを社会に還元して、健康に生きる人を増やしていけたらうれしいです。

中西さん: 元気で、チャレンジできる人たちを支えられるようなブランドでありたいですね。お客さまの声を集め、アスリートの知見に基づきニーズを見極める力と、高い技術力をもってともに商品開発をしてくださるパートナーさんの存在が僕たちの大きな強みです。今後も機能性にこだわって、身体を支えるための商品を生み出していきたいと思います。

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