【ラントレvol.08】ペース走
今さら聞けないランニングのためのトレーニング方法を、ひとつひとつ紹介する本企画。第8弾は、「ペース走」です。得られる効果やポイントをご紹介します。
ペース走
(1)ペース走とは
その名の通り、「ペース」を身につけるために行うトレーニング方法で、設定ペースの通りに走ります。vol.3でご紹介した「ビルドアップ」(記事はこちら)は、徐々にスピードをあげていきますが、ペース走は、いかに決められたペースを保てるかが重要なポイントです。
サブ3やサブ4といったレース目標がある人には、レース前に必ず取り入れてもらいたいトレーニングです。
(2)得られる効果
ペース感覚を養うことができます。特にレース本番で目標タイムを達成するためには欠かせないトレーニングといえます。また、持久力の向上も期待できます。一定のペースを保ちながら走り続けることで、疲労を溜めずに距離を伸ばすことができます。より長く、より速く走れるようになりたい人にとっても効果的なトレーニングです。
(3)ポイント
設定ペースのひとつの目安をご紹介します。まず、レースの目標タイムから逆算して、レースペースを導き出してください。ペース走のペースは、「レースペースのマイナス10秒」に設定してみてください。マイナス10秒のペースを体に覚えさせることで、レース本番に少し余裕が出ると思います。
- サブ5(フルマラソンを5時間以内で完走)
→レースペース…1kmあたり約7分
→ペース走…1kmあたり約6分50秒 - サブ4(フルマラソンを4時間以内で完走)
→レースペース…1kmあたり5分41秒
→ペース走…1kmあたり約5分31秒 - サブ3.5(フルマラソンを3.5時間以内で完走)
→レースペース…1kmあたり4分58秒
→ペース走…1kmあたり約5分48秒 - サブ3(フルマラソンを3.5時間以内で完走)
→レースペース…1kmあたり4分15秒
→ペース走…1kmあたり約4分05秒
心拍数で設定ペースを決めるという方法もあります。ウェアラブルウォッチなど活用して走りながら心拍を計測してみて、「心拍120〜130/分」のスピードを設定ペースとします。トップアスリートは心拍170〜200/分で走り続けることができますが、初心者の方や市民ランナーのみなさんは「心拍120〜130/分」あたりが無理なく走り続けられるラインだと考えてください。ただ、心拍は、気候や気温に左右されるため、何日か計測して見極めるようにしましょう。
次回は「変化走」をご紹介します。お楽しみに。