【シューズは語る】ソールの摩耗からクセを診断してもらい、フォームの改善方法を聞いてきた!
使い込んだランニングシューズには、走り方の特徴が刻み込まれています。そこで、ランニングシューズのスペシャリストである藤原岳久さんにシューズ診断をしてもらい、クセやフォームの改善方法を聞いてきました。
みなさんこんにちは、スポリートアンバサダーのキョウカです。突然ですが、みなさんは自分のランニングシューズをじっくりとながめることってありますか? まじまじと観察することはなくても、「ソールが部分的にすり減っているな〜」と気にしたことがある人は多いはずです。
ソールがすり減っている=どこかバランスが悪くなっている、ということはイメージできますが、具体的にどんな原因があって、どのように改善していけばよいものなのでしょうか。そこで、ランニングシューズのスペシャリストである藤原岳久さんにシューズ診断をしてもらい、改善方法を聞いてきました!
診断してもらったシューズは、スポリート開発ディレクター・長岡さんが使用していたPUMA Faas 400 J v2。サブ3.5ランナーである長岡さん愛用のシューズだけあって、走力があるランナーに向けられたスピード感のあるモデルです。いったい、どんな診断結果になるのでしょうか!
シューズが語る走り方のクセ
さっそくですが、いかがでしょうか?
左足内側のスレがちょっと目立ちますね〜。おそらく左股関節のかたさが原因で左足が下がり、引きずるように走ってしまっているのだと思います。常に外から内へ足を入れ込むようになっているイメージですね。
それに比べて、右足のスレ具合に極端な差はないようですが、左足よりも全体的にすり減っています。右足のほうが力を使っているということですね。つまり、長岡さんは左足の動作を改善して、左右のバランスを整えていくことが必要だと思います。
シューズを“使い分ける”ことでフォーム改善
左足の動作を改善して左右のバランスを整えていくためには、どうすればいいでしょうか?
ぜひ、シューズを使い分けてみてください。長岡さんは実力があるランナーなので、自分の力で身体をコントロールして走る能力が高いはずです。そのため、今回見せてもらったPUMA Faas 400 J v2のように柔らかくて軽い、いわゆる“レーシングシューズ”を履いていても、ケガをする可能性は比較的低いと思います。そこでさらに、トレーニング時にはサポート力が高いシューズを履くことで、足運びのクセや左右のバランスを改善することができます。
たとえば、トレーニング時はどんなシューズを履けばいいですか?
まずは、ソールがしっかりとカーブしていて、足の動作を誘導してくれるもの。曲面を使って前に揺れるだけで自然と前に進めるようなシューズです。アッパー部分に適度な硬さがあって、足の動きをコントロールしてくれるものだとさらにいいですね。つまり、いま履いている「自分の力で身体をコントロールして速く走る」シューズに加えて、「シューズに身体をコントロールしてもらってフォームやコンディションを整える」ための一足があることが理想です。
なんとなく、サポート力が高いシューズは“初心者用”というイメージがあったのですが、そういうわけでもないのですね。
そうなんです。動作を誘導して走りやすくしてくれるから初心者に適しているだけで、決して“初心者用”というわけではありません。速く走れる人でも、ケガのリスクを減らして長くランニングを続けるために、ときにはシューズに身体をコントロールしてもらうことも必要です。走る力がつけば「選ぶシューズが変わる」のではなく、「選択肢が増える」ということ。シーンや目的によって使い分けることが大切というわけですね。
シューズを“使い分ける”ことについては、あまり考えたことがありませんでした。
考えたことがないランナーは多いと思いますよ。シューズを使い分ければ、走り方が改善されることはもちろん、シューズへの負担が分散されるので、それぞれ長く使えるようになります。また、走る感覚にも変化が生まれて、モチベーションアップにもなるはずです。
シューズはその人の歴史そのもの
診断を通じて、シューズはその人のランニングの歴史を語っているのだと実感しました。ソールを見ただけでパッと走り方のイメージまでできてしまうのはさすがとしかいえません……!
そして、ランニングの経験値にかかわらず、サポート力の高いシューズをうまく活用していく必要があるのですね。シーンや目的によって上手に使い分ければ、みなさんの走りがもっといい形になるはず。今回ご紹介したのはひとつの診断例ですが、ぜひ参考にしてみてください!