ランニングで太ももに筋肉痛を感じたら。筋肉痛の仕組みとそのケアについて学ぼう!

ケア・ラントレ

ランニングをすると筋肉痛になりやすい太もも。走り始めたばかりの人や、練習でついつい追い込みすぎてしまった翌日に痛みが現れて、心配になる人も多いのではないでしょうか?

この記事では、筋肉痛の原因や痛みの箇所の違い、痛みが出にくくするための対処法や予防法などをご紹介します。

ランニングをしたら、翌日太ももが筋肉痛に!トレーニングのやる気も失せるどころか、歩くのも苦痛に感じてしまいますよね。なぜ太ももに筋肉痛が起きるのでしょうか。太ももといっても、前側が痛むのか、裏側が痛むのかで原因が違います。原因を知って筋肉痛を予防しましょう。

久しぶりに走ったり、週末にいつもより負荷をかけてトレーニングしたり、大会に出場したり。その翌日や翌々日にやってくるのが「筋肉痛」です。日頃の運動レベルや身体の使い方によって痛みが現れる箇所には個人差がありますが、とりわけランナーが悩まされやすいのが「太もも」の筋肉痛です。今回は、筋肉痛が現れる原因や、前側(大腿四頭筋)後側(ハムストリングス)それぞれに出る痛みの違いなどを知り、筋肉痛と上手に付き合っていきましょう。

筋肉痛とは?

まずは「筋肉痛」自体への理解を深めましょう。

筋肉は、運動をして大きな負荷がかかったり疲労がたまることによって少しずつ損傷していきます。傷ついた筋細胞を修復する過程で起こるのが筋肉痛です。

そのため、筋肉痛は決して「悪いもの」ではなく、運動をした後なら現れてもおかしくない痛みなのです。

筋肉痛の原因

筋肉痛や筋肉の疲労は、誰しもが1度は経験があると思います。
実は未だに筋肉痛が起こるメカニズムに関しては完全に解明はされていません。

過去、運動することにより疲労物質である乳酸が蓄積されることで筋肉痛が起こると原因とされていました。
しかし現在では、乳酸が再びエネルギーとして再利用されることが研究でわかってきたため、「乳酸は疲労物質ではない」と認識されています。

ランニングなど運動で、普段使わない筋肉を使ったり、筋肉を酷使することにより、筋組織・筋繊維が損傷を受け、修復する過程で筋肉痛が起こると言われています。

傷ついた筋組織・筋繊維を修復するために、白血球やなどの血液成分が集まります。その際に「炎症」というものが起こり、刺激物質(ブラジキニン・プロスタグランジン・セロトニン・ヒスタミン・アセチルコリン)が生成され、それらの物質により痛みを感じると言われています。

つまり、筋肉痛は「筋繊維が損傷し、修復する過程で起こる『炎症』反応の刺激物質が生成されることで、痛みを生み出して起こるもの」と考えられています。

筋肉痛にも種類があるの?

筋肉痛には大きく分けて2種類あります。
それらについて詳しく説明していきます。

1, 即発性筋肉痛(そくはつせいきんにくつう)

運動した直後や、運動している最中にも起こる筋肉痛のことを即発性筋肉痛と言います。
激しい運動を行うことで、筋肉の緊張状態が長く続くことで血液の流れが悪くなり、筋肉の代謝物である「水素イオン」が発生し、筋肉内のイオンバランスが酸性に傾くことが直接的な原因ではないかと言われています。

2, 遅発性筋肉痛(ちはつせいきんにくつう)

運動を行なってから、翌日または数日後に起こる筋肉痛のことを遅発性筋肉痛と言います。一般的な筋肉痛のイメージは遅発性筋肉痛の方でしょう。

筋肉痛が起こりやすい運動ついて

筋肉痛が起こりやすい運動などはあるのでしょうか?
実は、運動によって筋肉への負荷のかかり方が違うため、筋肉痛が起こりやすい運動というものは存在します。理解するためには、運動時の筋収縮について知っておくとよいでしょう。

私たち人間が運動する時には、筋肉が収縮することにより、筋力を発揮しています。筋肉の収縮様式は大きく分けると、

・等尺性筋収縮(アイソメトリック)
・等張性筋収縮(アイソトニック)

の2つで分けることができます。

それぞれについて詳しく説明していきます。

等尺性筋収縮(アイソメトリック)

等尺性筋収縮(とうしゃくせいきんしゅうしゅく)=アイソメトリック収縮とは、関節を稼働させず「静的」な収縮といわれます。

例えば、一定の姿勢まま、物を持ち上げようとするような動作のこと。つまり筋肉の端から端までの長さが変わらずに、客観的に見ると動いていないように見えるが、力が入っているような状態の収縮様式のことを言います。「力む」ような動作といえるでしょうか。

例)腕相撲、プランクなど

等張性筋収縮(アイソメトリック)

等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)=アイソトニック収縮とは、関節を曲げ伸ばしして稼働させる「動的」な収縮といわれます。一般的な筋力トレーニングのイメージはこちらで、例えばダンベルを持って、曲げ伸ばしするような筋肉の長さを変えて行う収縮様式のことを言います。

おおきく下記の2つに分かれます。

1, 短縮性筋収縮(たんしゅくせいきんしゅうしゅく)コンセントリック収縮

筋肉が縮み(短くなりながら収縮)ながら、力を発揮する収縮様式のことを言います。

例)階段を登る、重い荷物を持ち上げるなど

2, 伸張性筋収縮(しんちょうせいきんしゅうしゅく)エキセントリック収縮

筋肉が伸張(長くなりながら収縮)しながら、力を発揮する収縮様式のことを言います。

例)階段を下りる、重い荷物を下ろすなど

この中でも、筋肉痛を最も引き起こしやすいと言われているのは、エキセントリック収縮です。筋繊維に対して1番大きな負荷をかけることができると言われているからですね。

たしかに階段など、登る時より降りる時に強い負荷がかかるのが体感されますよね。

太ももの筋肉痛 前側・裏側の違いについて

ランニングをして太ももが筋肉痛になった場合、太ももの「前側」が痛む人と「裏側」が痛む人がいるかと思います。その違いは、一体なんなのでしょうか?

太ももの「前側」が痛む場合

太ももの前側が痛い場合は、「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」に筋肉痛が現れています。この場合、主に「着地時の衝撃吸収」のために筋肉に負荷がかかっているといえるでしょう。

大腿四頭筋はブレーキ筋とも呼ばれる、前に進むのを押さえる際に使われる筋肉です。

ランニング中は、何度も足を前へ出し、そのたびに着地の衝撃を受けます。その際、膝がガクンと落ちないようにするために、大腿四頭筋を使って脚の動きを支えているのです。つまり、太ももの前側に筋肉痛が現れやすい人は、筋力が足りていないことのほかに、いわゆる「腰が落ちている」走り方や、前傾姿勢気味など、着地時に負担がかかりやすいフォームになっている可能性があります。

※大腿四頭筋とは、「大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋」の4つからなる筋肉のこと。

太ももの「裏側」が痛む場合

太ももの裏側が痛い場合は、「ハムストリングス」に筋肉痛が現れています。この場合、主に「蹴り出し」のときに筋肉に負荷がかかっているといえるでしょう。

ハムストリングスはアクセル筋とも呼ばれる、前に進むために使われる筋肉です。

地面を蹴るときに力を発揮します。そのため、太ももの裏側が痛いときは、筋力が足りていないことのほかに、お尻の筋力不足なども考えられます。

※ハムストリングスとは、「大腿二頭筋長頭・大腿二頭筋短頭・半腱様筋・半膜様筋」の4つからなる筋肉のこと。

ランニングで太ももが筋肉痛になったときは

筋肉痛は誰もが経験したことのある痛みです。冒頭でもお伝えしたように、筋肉を回復させる過程での痛みなので、筋肉痛そのものを深刻視する必要はそれほどありません。
それでも、つらい痛みはできるだけ味わいたくないですよね。そこでここからは、痛みが現れやすくする、または出てしまった痛みを和らげるための方法をお伝えします。

ストレッチ

まず大切なのが、ランニングをした後はしっかりとストレッチを行い、使った筋肉をじんわりと伸ばしておくこと。こうすることで筋肉の炎症を抑え、その後やってくる筋肉痛を和らげてくれ、予防につながります。

アイシング

強度の高いトレーニングをした後や、フルマラソンなど大会を走り終えたときは、アイシングも効果的です。運動後すぐに冷やすことで筋肉の炎症を抑えてくれ、回復が早くなるといわれています。また、筋肉痛が現れてつらいときにも冷やすことで痛みを多少和らげることができます。

温める

筋肉痛で筋肉が硬くなったり、張っている感じがあれば、温めて血流をよくするのも効果的です。血流がよくなることで、血液中の老廃物が排出されて回復が早くなると言われています。痛みが激しい場合は温めると炎症を促進してしまうので、入浴は避けましょう。

温冷交代浴

温冷交代浴では、血行を促進して自律神経の働きを活発にしてくれる役割に期待できます。42度くらいのお湯に1〜2分浸かったあと、10~15度ほどの冷たい水に浸かる、もしくは水のシャワーを10~30秒浴びます。これを5回ほど繰り返し、最後は水で終わります。慣れないうちは手や足だけの部分的なものでも効果が感じられます。交代浴を行う際はきちんと水分補給をしてから開始しましょう。

睡眠

睡眠をしっかり取ることより、心身共に疲労回復するとされています。
特に、深い眠り(ノンレム睡眠)の時には、疲労回復を促してくれる、成長ホルモンが多く分泌されます。
それにより、筋肉もしっかりと回復してくれるようになります。

栄養補給

筋肉などを構成するのに必要な材料のタンパク質や、エネルギー源となる炭水化物を摂取するとともに、エネルギー代謝と疲労回復に促進させてくれる、ビタミンB1(豚ヒレ肉・カツオ・ナッツ・全粒穀物)、ビタミンC(ピーマン・ブロッコリー・キウイフルーツ)などを積極的に取るのが良いでしょう。

筋肉痛になると筋力が強くなるって本当?

ちなみによく「筋肉痛になるたび筋肉が強くなる」と言われるのは、筋肉がダメージを受けてから48時間〜72時間程度をかけて修復される「超回復」によるもの。

継続的にトレーニングを重ねることで、超回復するごとに少しずつ筋肉の強度が増していきます。そのため、トレーニングメニューを組むときは筋肉の回復リズムを頭に入れて、だいたい2〜3日おきにしておくと効率良く超回復の効果を得られると言われています。

プロテインの摂取も、超回復の効果を得やすくするためにはおすすめです。タンパク質は筋肉が修復されるための材料になるので、できるだけ運動直後にとっておくのがベストです。

※プロテインについての理解は下記の記事を参考にしてみてください。

ランニングにプロテインは有効なのか?知っておくべきタンパク質の関係性 | スポリートメディア
身体を絞っていくイメージのあるランニングには、筋トレに不可欠な「プロテイン」は筋肉を大きくさせたい人が飲むイメージが強く、一見無用なものかと考えてしまいます。しかしプロテインは3大栄養素の「タンパク質」のこと。当然必要な栄養素です!ランニング後にプロテインを飲むとよいとされるにはいくつかの理由があります。プロテインを飲むメリットを知れば、安心して飲むことができると思います。ランナーにとって手軽に...

痛みがひどい場合は病院へ

筋肉痛自体は悪いものではありませんが、3〜4日以上経ってもまったく痛みが引かない場合は「肉離れ」など別のケガをしている可能性があります。そのときは早めに病院(整形外科)で診てもらいましょう。

そして、何よりも「無理をしないこと」が大切です。特に初心者ランナーの場合はいきなり長い距離を走ったり、スピードを出すと筋肉痛が強く現れるほか、別のケガもしやすくなってしまいます。

まとめ

ランニングなどの運動をしていると、どうしても切っても切り離せない筋肉痛や筋肉疲労。筋肉痛の原理を知って、予防やケアなどの日々のしっかりとしたケアが大事です。

是非この記事を参考に、ケアを習慣付けることで、疲れにくい身体作りを実践してみてください!

プロフィール

  • 稲川 祥史

    八王子スポーツ整形外科メディカルフィットネスセンター
    日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    修士(スポーツ科学)

    アスリートやスポーツ愛好者のスポーツライフをサポートしているアスレティックトレーナーです! 中学から大学まで陸上競技部に所属し、10000mやハーフマラソンを専門にしていました。 卒業後も北海道マラソンや福岡マラソンを完走するなど、公私共に走ることと関わる毎日を送っています。

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