【スポリート栄養お悩み相談室vol.3】夏バテを防ぐ食生活は?─簡単電子レンジレシピも

ケア・トレーニング スポリート栄養お悩み相談室

スポリート栄養お悩み相談室は、ランナーが抱えるよくあるお悩みに対し、栄養素や食生活を軸に対策方法や心がけるべきポイントをご紹介する企画です。今回取り上げるお悩みは「夏バテ」。夏場に慢性的な体の不調を感じたり、ランニング時の疲労が残りやすいという人は、夏バテかもしれません。なんとなくだるくてもそのままにしがちな夏バテですが、日頃からちょっとした心がけをすることで予防できます。身近な食材で手軽にできる対策もたっぷりとご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回も教えてくださるのは、アスリート専門管理栄養士の小笠原真智さんです!

夏バテはどうして起こる?

お悩みランナー: 最近なんとなく体がだるくて……。走ってもすぐに疲れてしまうんです。これって夏バテかなあ。夏バテって、どうして起こるのでしょうか?

小笠原先生: 夏バテは、高温多湿な日本の気候に体が対応できず起こります。原因は大きく分けて3つほど。ひとつは「暑熱順化(しょねつじゅんか)」がうまくできていないことです。

お悩みランナー: 暑熱順化?

小笠原先生: 体が暑さに慣れることを暑熱順化といいます。たとえば、普段あまり外に出ず、冷房の効いた室内で過ごすことが多い人ほど暑熱順化できず、真夏の猛暑に体がびっくりしてしまいます。すると自律神経がうまく働かなくなり、疲労感や食欲低下、内臓機能の低下による体調不良などが現れるようになるのです。

お悩みランナー: なんとなく「夏バテ=体がだるい」という印象を持っていましたが、そのような理由で起きていたのですね。

小笠原先生: それともうひとつは、冷たいものの摂りすぎ。暑いからといってアイスや冷たいドリンクばかりとっていると、胃腸の動きが弱って下痢などを引き起こしてしまいます。ついつい冷たいものが欲しくなってしまうのですが、とりすぎには注意しましょう。

お悩みランナー: 夏といえば涼しい部屋でアイス、キンキンに冷えたビール……ううう……でもなるべく我慢します。

小笠原先生: そしてもうひとつが、体の中の水分や塩分が不足することによって、体温調節がうまくできなくなること。水分不足は熱中症などにも繋がる恐れがあるため、こまめに水分補給をしてくださいね。

お悩みランナー: 水分不足も夏バテの原因のひとつというわけですね。

夏場の水分補給のポイントについてはこちらの記事もチェック!

<夏バテの原因まとめ>

  1. 体が暑さに慣れていないことによって、自律神経の乱れや内臓機能の低下が起こる。
  2. 冷たいものの摂りすぎで胃腸が弱る。
  3. 水分不足によって体の体温調節機能が低下する。

お悩みランナー: さきほど暑熱順化のお話がありましたが、体を暑さに慣れさせるにはどうしたらいいでしょうか?

小笠原先生: 1日の中で少しでも、外の暑さを体感する時間を作ることが大切です。普段は冷房の効いた室内で過ごす人も、お散歩程度でも外で汗をかく時間がとれるとだいぶ夏バテしにくくなると思います。

お悩みランナー: それでいうと、ランナーの場合は運動をしない人と比べて夏バテになるリスクは低いといえそうですね。

小笠原先生: そのとおり。ただし、夏の間は暑さを避けて夜中や早朝に走ったり、トレッドミルを使う人も多いかと思います。そういう人は日中の暑さに体が慣れているとは言えないので、要注意です。

お悩みランナー: とはいえ、やっぱり真夏のカンカン照りの中を走るのはしんどいし、熱中症などの心配もありますよね。何か良い対策はありませんか……?

小笠原先生: ぜひ心がけてほしいのが、日ごろの食生活です。夏場はなかなか食欲がわきませんが、少しの工夫で夏バテ対策をすることができますよ。

普段の食事から意識! 夏バテ予防法

小笠原先生: 夏バテ予防のために必ず心がけてほしいのが、3食きちんと、主食・主菜・副菜をバランスよく食べること。夏場はどうしても、冷たくて食べやすいそうめんや冷やしうどんなどに頼ってしまいがちですが、野菜やタンパク質食品もきちんととることを意識してください。

お悩みランナー: でもやっぱり、夏は食欲がわかないんですよね……。

小笠原先生: そんなときに取り入れてほしいのが「香味野菜」です。しょうが、みょうが、ネギ、にんにく、ニラ、大葉など、香りの強い野菜は食欲を刺激してくれるので、夏でも食べやすいですよ。あとは、オクラやめかぶなどつるっと食べやすく栄養価が豊富なものもおすすめです。辛いものも、胃を刺激してくれるので食欲がわいてくると思います。

お悩みランナー: 確かに、夏になると香味野菜やネバネバ系のもの、辛いものが食べたくなりますね。そうめんを食べるときは、なるべく薬味たっぷりにしようと思います!

小笠原先生: それと、タンパク質をしっかりとるために、納豆や卵、ツナ缶なども一緒に食べるのがおすすめです。

お悩みランナー: たっぷりの香味野菜と納豆、卵を乗せてぶっかけうどんにしてもおいしそうですね!

小笠原先生: ちなみに、以前「スタミナ切れ防止」の回でもお話ししたように、にんにくやニラ、ネギなどに含まれる「アリシン」は、糖質を効率よくエネルギーに変換する助けになってくれます。その点でも、香味野菜は夏バテ予防におすすめなんです。

エネルギー補給のポイントについてはこちらの記事もチェック!

お悩みランナー: スタミナ補給や疲労回復には「糖質・ビタミンB1・アリシンの組み合わせが最強!」というお話でしたね。そういえば、「うなぎは夏バテにいい」と聞いたことがあるのですが、これって本当ですか?

小笠原先生: うなぎも、ビタミンB1が豊富に含まれているので、一緒に食べるお米の糖質を効率よくエネルギーに変えてくれます。夏バテ予防にぴったりの食品です。ただし、夏バテが重症化すると胃腸が弱ってくるので、夏バテが進行して体調が悪いときはなるべく消化のいいものを食べるようにしてくださいね。

お悩みランナー: わかりました! あと、ランニングやトレーニング後、汗だくになるとどうしても食欲がわかなくなってしまうことがありますが、そんな時におすすめの食べ物や飲み物ってありませんか……?

小笠原先生: 私がアスリートに食事提供するとき、夏場によくやっているのが、牛乳とヨーグルトを混ぜた「ラッシー」ドリンクです。ラッシーなら、タンパク質も糖質もとれて、なおかつさっぱりと飲みやすいので、運動後のリカバリーにもいいと思います。

お悩みランナー: 腸内環境の改善にもよさそうですね。胃腸の弱りがちな時期にぴったり! それから、水分補給も夏バテ予防に重要とのことでしたが何かコツはありますか?

小笠原先生: こまめに水分補給することは大前提として、日ごろの食事に汁物を取り入れたり、水分を多く含む夏野菜を摂ることで、体の中の潤いをある程度キープすることができます。

お悩みランナー: お味噌汁やスープを飲んだり、トマトやナスなど夏野菜を意識的にとるようにします!

夏バテ予防に効果的な食事のポイント

バランスの良い食事できちんとエネルギー補給することが大切!

  • 香味野菜(しょうが、みょうが、ネギ、にんにく、ニラ、大葉)や辛いもので食欲を刺激!
  • 夏場の食事はそうめんなど炭水化物食品に偏りがちなので、きちんとタンパク質もとることを心がける。おすすめは納豆、卵、ツナ缶、チキンなど。
  • 日頃から汁物や夏野菜をとって体内の水分をキープ。
  • 運動後の補給&リカバリーには、タンパク質&糖質補給ができて飲みやすい「ラッシー」がおすすめ。

夏バテ予防にぴったりの簡単レシピ!

内容

豚しゃぶ彩りぶっかけうどん

作り方は小笠原先生のブログでも紹介中。動画も公開されているので、ぜひ参考にしてみてください!
https://note.com/athletegarden/n/ne54c896f8cff

レシピ(材料はすべて1人分)

・冷蔵うどん…1人前
・冷凍ほうれん草…30g
・トマト…1/2個
・豚肉…60g
・卵…1個
・お好みのうどんつゆ

  1. パックのうどんを電子レンジ600Wで1分30秒チンします。取り出したら少しほぐし、袋から取り出し、流水で洗います。その後、お皿に盛り付けます。
  2. 冷凍ほうれん草を耐熱皿に入れ、ラップをし600Wで30秒チンします。電子レンジから取り出し、ラップを取り、粗熱をとっておきます。
  3. 豚肉を耐熱皿に入れ、料理酒をふりかけ(分量外)、ラップをして600Wで1分30秒チンします。取り出して、ラップを外し、箸でほぐします。
  4. トマトのヘタを取り、お好みの大きさに切ります。
  5. 卵を耐熱皿に入れ、水を大さじ2杯入れます。ふんわりラップをして、電子レンジ600W30秒チンします⇒温泉卵風に!
  6. ①のうどんに②③④⑤の材料をのせ、お好みのうどんつゆをかけて召し上がってください。

冷凍うどんでも同じように作ることができます!
冷凍うどんの場合⇒電子レンジ600Wで2分程度

プロフィール

  • 教えてくれる人
    小笠原 真智さん(アスリート専門管理栄養士)

    1993年に愛知県で生まれる。 小学生から高校まで陸上競技に9年間取り組み、高校では2種目でインターハイ出場。大学では管理栄養学科を専攻。卒業後給食委託会社に就職し、献立作成や調理、栄養価策定など実践的スキルを学び、フリーランスとして独立。現在はアスリート専門栄養士として、「食事が変わればあなたが変わる」をコンセプトに陸上(日本選手権入賞レベル)やトライアスロンの個人選手やラグビーの社会人チームを中心に"身体と気持ち"に寄り添うサポートを行う。 選手のみならず、選手のパートナーでも「それならできる!」と思える栄養サポートを心がけている。

  • スポリート編集部

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