【スポリート栄養お悩み相談室vol.5】トレーニング後のリカバリーには抗酸化作用が大切!─簡単彩りレシピも

補給 スポリート栄養お悩み相談室

スポリート栄養お悩み相談室は、ランナーが抱えるよくあるお悩みに対し、栄養素や食生活を軸に対策方法や心がけるべきポイントをご紹介する企画です。今回のテーマは「抗酸化作用」。筋肉や神経細胞のリカバリーを促し、トレーニングの効果を最大限実感するためのカギになるのが抗酸化作用なのだとか。身近な食材で手軽にできる対策もたっぷりとご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回も教えてくださるのは、アスリート専門管理栄養士の小笠原真智さんです!

聞いたことはあっても意外と詳しく知らない? 抗酸化作用とは

お悩みランナー: 「抗酸化作用」は最近よく耳にするワードですが、体にどんなメリットがあるのかまではよく知りません。抗酸化作用って、いったい何なのでしょうか?

小笠原先生: 人間の体では、運動や紫外線ダメージ、寝不足など、さまざまなストレスによって「活性酸素」というものが発生します。この活性酸素は、体の細胞を攻撃するやっかいな存在なんです。活性酸素によって攻撃されると細胞の老化の原因となり、長期間にわたってダメージを受け続けると、がんや心臓病、血管の病気などにもつながるといわれています。お肌のシミや、シワの原因になるともいわれているんですよ。

お悩みランナー: 活性酸素、怖い……!

小笠原先生: その活性酸素が作り出されるのを抑制、攻撃された細胞の修復、再生を促す働きをしてくれるのが「抗酸化作用」です。私たち人間の体には、もともと抗酸化作用を持つ物質を作り出す機能が備わっているのですが、さまざまなストレスがかかると補えなくなってしまう場合があります。そのため、抗酸化作用を持つ栄養素を、日常的に食事から摂ることが重要です。

お悩みランナー: なるほど。抗酸化作用が健康にとても大切なことはわかりましたが、私たちランナーが抗酸化作用を重視するメリットはどんなところにあるのですか?

小笠原先生: 激しい運動をすると、それだけ活性酸素が発生することになるので、筋肉や神経細胞のダメージを残さないためにも抗酸化作用を持つ食材を意識的にとることが大切になってきます。

お悩みランナー: そっか、活性酸素が細胞を傷つけるということは、走るために使う筋肉や神経の細胞にもダメージが与えられてしまうということなんですね。

小笠原先生: はい。人間の体はすべて細胞でできていますし、筋肉細胞が傷つけば疲労が出やすくなるほか、神経細胞にダメージが与えられると神経伝達に影響が出てキレのある動きができなくなってしまうことがあります。心臓や血管などの細胞を攻撃すれば、心肺機能や持久力にも影響が出る場合も。せっかくキツイ練習をしても、活性酸素の発生を野放しにしてしまえば体へのダメージが大きくなり、成果が表れなくなってしまうことも考えられます。

お悩みランナー: それは悲しい……!

小笠原先生: 日ごろの健康のために抗酸化作用が重要なのはもちろんのこと、特にスポーツをする人は活性酸素が発生しやすくなるため、より意識的に食生活から抗酸化を心がけることが必要になってくるというわけですね。

日ごろの食事からリカバリー上手に! 抗酸化食生活のポイント

お悩みランナー: 日ごろから抗酸化作用のある食事をとるには、どんな食材を取り入れればよいでしょうか?

小笠原先生: カラフルな食事を意識してもらえたらと思います。

小笠原先生: 抗酸化作用を持つ栄養素は、基本的に食材の「色」に含まれていることが多いんです。そのため、緑黄色野菜など濃い色の食材をとるのがおすすめです。ビタミンA、C、Eに抗酸化作用があるので、ビタミンが豊富な果物も日ごろから摂れるとよいでしょう。あとは、鮭のピンク色のもとであるアスタキサンチンにも強い抗酸化作用があるとされています。

お悩みランナー: そっかあ。忙しいと、「牛丼には玉ねぎが入ってるからOK!」「キャベツのせん切りを食べたから野菜もとれた!」と思っていたのですが、それだけじゃだめなんですね。

小笠原先生: そうですね、色の濃い食材もぜひ取り入れてください。それと、ナスのように、皮の色が濃くても実の中が白い野菜はそれほど抗酸化作用がないので、切っても内側まできちんと色がある食材を優先的に選ぶのもポイントです。

<抗酸化におすすめの食材>

  1. 野菜:トマト、パプリカ、にんじん、ゴーヤ、かぼちゃ、ブロッコリー、ほうれん草など
  2. 果物:キウイ(特にゴールデンキウイ)、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、いちご、ナッツ類など
  3. 魚:鮭、いくら、うなぎなど
  4. 肉:レバーなど
  5. 飲み物:緑茶、100%オレンジジュースなど

お悩みランナー: さきほど、ビタミンが豊富な食材は抗酸化にいいと言っていましたが、ビタミンは調理法によって流れ出てしまうと聞いたことがあります。調理で気をつけるべきポイントはありますか?

小笠原先生: ビタミンAとEは「脂溶性ビタミン」と呼ばれていて、油と一緒に体に入れると吸収されやすくなるといわれています。そのため、ビタミンAを多く含む食材(にんじんやほうれん草、レバー、うなぎなど)や、ビタミンEを多く含む食材(かぼちゃ、アーモンドや落花生など)は、油を使って調理するのがおすすめです。
ビタミンCは「水溶性ビタミン」、つまり水に溶け出してしまうので、できるだけ生で食べてもらうことをおすすめします。ただし、スープにすれば汁に溶け出したビタミンごと飲むことができるので、野菜たっぷりのミネストローネなどにするのも◎。下茹でが必要な野菜は、短時間でサッと茹でるのがポイントです。

お悩みランナー: 生野菜が苦手な人も、スープにすればおいしく、ビタミンを逃すことなく食べられそうですね! 

小笠原先生: 私もよく、一人暮らしのアスリートには「ミネストローネを一度にたくさん作っておいて、毎食少しずつ食べるといいよ」とアドバイスしています。
ちなみに、ビタミンACEは組み合わせて食べるとより良いといわれています。特にCとEは、お互いを助け合う働きがあるとされ、片方が戦う力を使い切ってしまっても、もう一方が復活させてくれるといった相乗効果も生まれると考えられています。抗酸化のための食事は、日ごろからコツコツと続けることが大切なので、便利な冷凍野菜なども活用しながらぜひいろいろな野菜を組み合わせて食事に取り入れてくださいね。

お悩みランナー: ちなみに、ビタミン類はサプリメントも豊富ですよね。サプリメントに頼ってもいいのでしょうか?

小笠原先生: ダメというわけではないのですが、やっぱり野菜をとることでビタミン以外にもミネラルや食物繊維など、体にとってメリットになるものをほかにもとることができるので、なるべくきちんと食事からとってもらいたいです。とはいえ、忙しくて自炊ができない日などもあると思いますし、そういったときはサプリメントをとるのもOK。コンビニで手軽に手に入る、100%オレンジジュースもおすすめです。

お悩みランナー: わかりました!

抗酸化作用を意識した食事のポイント

緑黄色野菜を取り入れて、カラフルな食卓にすることを心がける!

  • 抗酸化作用を持つ栄養素は、色鮮やかな野菜や果物に多く含まれる
  • ビタミンA、C、Eは組み合わせてとるとより効果的
  • ビタミンA、Eは「脂溶性ビタミン」なので油を使った調理がおすすめ
  • ビタミンCは「水溶性ビタミン」なのでできるだけ生で。スープにすれば溶け出したビタミンごと食べられる
  • 普段の食事からコツコツ続けることが大切!

抗酸化食生活にぴったりの簡単レシピ!

内容

鮭のアクアパッツァ & ビタミンたっぷりミネストローネ

作り方は小笠原先生のブログでも紹介中。動画も公開されているので、ぜひ参考にしてみてください!

レシピ

■鮭のアクアパッツァ(1人分)

・鮭の切り身…1匹
・塩コショウ…少々
・冷凍のブロッコリー…50g
・ミニトマト…4個
・あさりの水煮…30g
★にんにくチューブ…2㎝
★料理酒…大匙1
★白ワイン…大匙1(白ワインがない場合は料理酒を大匙2にしてください)
★オリーブオイル…大匙1

  1. 鮭の切り身に塩コショウをまんべんなく振ります。
  2. 冷凍のブロッコリー、ヘタを取ったミニトマト、あさりの水煮を①のお皿に入れます。
  3. ★印の調味料を混ぜて、②に入れます。
  4. ラップをし、電子レンジ600Wで3分加熱します。
  5. 電子レンジから取り出し、ラップを外して完成です。

■ビタミンたっぷりミネストローネ(深い鍋いっぱい)

・玉ねぎ…1/2個
・人参…1/2本
・黄赤パプリカ…1/2個
・ピーマン…2個
・ブロッコリー…100g
・トマト缶…1缶
・ミックスビーンズ…1缶
・オリーブオイル…大匙2
・刻みにんにく…小匙2
・豚ひき肉…200g
・コンソメキューブ…3個
・塩コショウ…少々

  1. 野菜(玉ねぎ、にんじん、パプリカ、ピーマン)を2センチ角にカットします。
  2. ブロッコリーは一口サイズにカットします。
  3. 深い鍋にオリーブオイル大匙2、刻みにんにく小匙2入れ、中火でにんにくの香りが出るまで炒めます。
  4. 玉ねぎ、にんじんを入れ、全体に油が回るまで混ぜ炒めます。
  5. 豚ひき肉を加え、火が通るまで混ぜ炒めます。
  6. 残りの野菜を全て加え、全体に油が回るように混ぜます。
  7. トマト缶、ミックスビーンズを加え、トマト缶2杯分の水を加えます。コンソメキューブを入れ、蓋をして10分ほど煮込みます。
  8. 野菜に火が通っているか確認して、味を見て足りなければ塩コショウを足してください。

プロフィール

  • 教えてくれる人
    小笠原 真智さん(アスリート専門管理栄養士)

    1993年に愛知県で生まれる。 小学生から高校まで陸上競技に9年間取り組み、高校では2種目でインターハイ出場。大学では管理栄養学科を専攻。卒業後給食委託会社に就職し、献立作成や調理、栄養価策定など実践的スキルを学び、フリーランスとして独立。現在はアスリート専門栄養士として、「食事が変わればあなたが変わる」をコンセプトに陸上(日本選手権入賞レベル)やトライアスロンの個人選手やラグビーの社会人チームを中心に"身体と気持ち"に寄り添うサポートを行う。 選手のみならず、選手のパートナーでも「それならできる!」と思える栄養サポートを心がけている。

  • スポリート編集部

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