【絶景ラン】南房総の桜の名所が魅せた、冬の“春“。
日々の都会でのランニングから、少し気分を変えよう。そう思った男は、久しぶりの休日を利用して、少し足を伸ばした千葉県でのランニングを決めた。高層ビルが立ち並ぶ都会から約1時間、尋ねた「佐久間ダム親水公園」には、偶然にも春の訪れを感じる景色があった。
全国各地、あるいは世界中に”絶景”と呼ばれるスポットがある。あっ!と驚くような景色や目を奪われる景観のことだ。一方、東京都はオフィスビルが立ち並び、日本で最も人口が多い。そんな東京都近郊には、絶景と呼ばれる景色はあるのだろうか。様々な景色に注目して走ってみれば、実は色々なところに”絶景”が見えてくる。
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- 【絶景ラン】見せる鉄橋にして、魅せる鉄橋。東京ゲートブリッジ。
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桜に限らず。思いがけない華やかな出会い。
足を運んだ「佐久間ダム親水公園」は、千葉県鋸南町の佐久間ダムの湖畔に位置する公園。風光明媚な風景は季節とともにその色を変える。駐車場には有森裕子選手・鈴木博美選手・高橋尚子選手の足型を写した記念碑があり、一層に走りたい衝動を駆られた。
靴紐を締め、走る準備をしようとした時には、すでに鮮やかな桜色が目に飛び込んできた。見惚れてしまうような頼朝桜…しかし、まずはランニング。この日は約10kmを走る。公園を出て、民家が点々と立ち並ぶ道路を走っていくことに。
少し勾配のある道路は、しっかりと補正されていて比較的走りやすい道であった。そして、こちらでも頼朝桜をはじめに、様々な自然と出会うことができる。まだ寒い季節でありながらも、緑豊かな自然を体感できるのは、遠方まで尋ねた甲斐があったというものだ。
約5kmのランニングで折り返し、再び公園を目指す。偶然にも折り返し地点の目印となったのは、美しい菜の花畑だ。綺麗でありながらも、元気の良さを感じる明るい黄色が目の前に広がり、あと半分!と応援してくれているようで力が湧き上がってくる。
折り返し〜公園内を散策してみる。
公園内の橋を抜ければ、ゴールの駐車場はすぐそこ。ひらけたダムを囲む風景は、桜色が覆わんばかりのまさに絶景。春になればソメイヨシノなどの桜が咲くと聞き、しばらくは春らしい色味を楽しむことができるようだ。橋下に広がるダム湖の水面も、そんな四季を映す鏡のようになるのだろうか…。興味は尽きない。
ランニングを終えた後は、親水公園を散策。お花見広場に向かい、今度はじっくりと頼朝桜を楽しむことに。ああ、美しい。一般的な桜よりも少し濃い頼朝桜の色はもちろん、それを2月の寒空でみるという時間が格別だ。からりとした空気に散りばめられた淡い春の装いは、ここに来た者だけに特別に、徐々に近づく新しい季節を少し早めに知らせてくれた。