【シューズ解説】「メレルベイパーグローブ5」ストイックではなくて、スマートなランニングを!ベアフットシューズを使ってカラダの機能を高めよう!
シューズアドバイザー藤原さんのランニングシューズを上手に履きこなすためのシューズレビュー!「Merrell(メレル)のベアフットシューズ「ベイパーグローブ5」をご紹介
クッションなし&機能性なし。従来のランニングシューズにある機能性を排除した、このミニマルなシューズは、一体何のために存在して、また、どういう風に活用したらいいのかを解説します。
メレルのベアフットシューズ「ペイパーグローブ5」のご紹介
みなさんこんにちは!ジャストフィットのお手伝い藤原商会代表シューズアドバイザー藤原です。
今回はクッションなし、機能性なし。この「ベイパーグローブ5」というミニマルシューズは一体何のために存在して、またどのように活用したらいいのか。それを解説していこうと思います。
シューズについて
今回の5代目「ペイパーグローブ5」は前モデル「ペイパーグローブ4」のシュータン構造からブーティー構造に変更され、よりフィット感を追求したモデルになっています。
アッパーには70%リサイクルメッシュが使われていることを始め、サスティナブルなテーマもクリアしています。
縫い目や補強なども少なく、クッションやガイドといった、ランニングシューズに必要な機能性を極限まで削ぎ落としたスタイルが、このシューズの最大の特徴になります。
アウトソールには30%リサイクル素材を使用したメレル専用のビブラム・エコデュラを使用。そのグリップと耐久性の良さには異論なしですが、単純にミッドソールがない構造ゆえに、クッションがまるでありません。
おまけにアッパーにアウトソールが付いただけのこのゼロミリドロップのスタイルですから、シューズに傾斜がなくソールも柔らかく、どこでも曲げられるので従来のランニングシューズにあるガイド機能が全くありません。
何のためにこのシューズが必要か
結局、ランニングにおいてクッションの貢献は大きいものであり、そしてなくてはならないものである。それは疑う余地がないです。
しかし、クッションをはじめとした機能性の高いシューズを履いているのに怪我をしたりフォームが改善しなくてタイムアップが叶わなかったりと問題が発生していることも事実。
それは本当の意味で「ランニングシューズがなぜ必要なのか」を、体と頭が理解していないからだと私は思います。
シューズはランニングにおける唯一の道具。シューズはただ履くだけで機能するようなオートマティックなものではないのです。
あくまでスポーツの道具である以上、ランナーがコントロールして初めて機能的なものになるべきものです。
ですから、このような最低限の機能性のシューズを履くことで逆にランナー自身の機能性を高めることを期待する。そういったシューズ構造だと知ってほしいですね。
しっかりロジックがあるので、決してストイックではなくスマートであることがポイントです。
ランニングシューズの機能性とは
クッションを出したり接地時間を短くしたり、進行方向にガイドしたりして快適なランニングをするのに、実はミニマルなシューズでも可能です。
どうしてか。
これは本来ランナー自身が出せる機能性だからです。
ただ忘れちゃいけないのは、シューズの機能性がないと、それを長くそして快適に続けることができません。だからシューズを履くわけです。よりランニングが上手くなるために必要なものなので、その使い方を知る意味でもランナー自身がやってるという自覚は必要です。
つまりこのシューズはその手段の一つ。
ランニングシューズが何をしているのか、体で感じることです。これだけ聞くと確かにややストイックではありますが活用方法次第ではスマートになり得ます。
かいつまんで言えば
「低サポートのシューズでランナー自身の機能性を高める。そしてランニングシューズのクッションの恩恵を最大限に活用する。」
聞いただけでもとてもスマートかつロジックなランニングだと思いませんか?
ランナーの是非活用法
普段しっかりとしたランニングシューズを履いているランナー。こんなシューズ痛くて履けないと門前払いのランナー。そのようなランナーにこそベイパーグローブのようなミニマルなシューズを取り入れる活用方法を知って欲しいです。
ではどう使うのか。
簡単な例えでいうと、この地球の重力下で、低サポートのこのシューズで走った時、着地でいうとどこで着地するのかではなくてシンプルに「痛くないように着地すること」が重要です。
低サポートのシューズだと痛くて履けないという方には、少々あら治療ですが、実感として感じられやすいかと思います。
実はベイパーグローブのようなシューズが痛くて履けないのではなくて、「痛いところで着地しているから痛い」という風に考えることはできませんか?
これはなかなか普通のランニングシューズを履いていると分かりません。それが結果問題の原因の一つであることも多いわけです。
低サポートであるがゆえに体は効率の良い、シンプルな動作をしていきますのでランニングフォームが改善されたりコンディションが上がったりするわけですね。
ロジックを理解する
強く言っておきたいのは、これらのロジックを理解して使用することです。
低サポートであることでランニングの効率を上げるために履いているというロジックを知っておく。これを忘れないでおく必要があります。
でないと重力下で合理的な動きにはならずに、我慢し体が耐える方に向かってしまいます。シューズに合わせたちょこちょこした走り方にもなりがちです。
機能性がないことは、体の機能性を引き出すためだと忘れずに。
誤解のないように強調しておきますが、私はクッションを全く否定しているわけではありません。最終的にはシューズがうまく使えるのが目的です。
ミニマルなシューズでずっと走れという提案ではなくて、しっかりとした地面の接地感を高めたらクッション性やガイド性があるシューズを履くイメージだということを忘れずに。
例えるなら運転を上手にして良い車に乗るようなイメージです。
ですからポイントとしては、身体がしっかりフォームを意識できる程度に使用すること。それに尽きます。
これで速く走るわけでもなく、これで長い距離を走るわけでもない。それはナンセンスです。
活用のシーン例
・自分のトレーニングのちょい足しで使用する。
・ワークアウトの後にクーリングダウンで使用する。
・ワークアウトの前日に接地感を高めるために少し走ってみる。
などという使い方などもおすすめです。
もっと言えば走らなくたっていいです。
・通勤時間に利用したりお買い物を利用して歩いて使う。
スキマ時間を活用するのも現代人にはハマりますよね。
・トレッドミルの上や、芝生の上などで使用するなど、路面負荷を下げて使う
このような使い方もスマートないいアイディアです。
私は10日か2週間には一度、接地感を高めるためにこのペイパーグローブを愛用してます。
不調の原因で多い「体の使い方の左右差」。これはこのシューズすぐ感じることができます。なにしろクッションがないので、普段ごまかされていることが白日のもとにさらされる感じです。
左右の接地感、接地音。ここに集中してみましょう。
これが均等になるように走ることは足が持っている固有知覚を高めて、そしてランニングのクオリティを高めてくれるというわけです。
繰り返し言っておきますが、これいいよと言われたからといってずっと履く。それは避けたほうがいいですね。
最後に
結局、最新技術のランニングシューズにはメリットが多くあります。その中で単純にベイパーグローブのようなシューズは「低サポートなシューズ」であることは忘れずに。
とにかくシューズの刺激に慣れないことです。
初めて履いた時のサプライズ感が常にあるような、スポットで履くような使い方がオススメです。いわばランニング上達への一つまみの塩ですね。
シューズアドバイザー藤原でした。
シューズ概要
Merrell(メレル) VaporGlove5(ベイパーグローブ5)
メーカー小売希望価格:11,000円(税込)
ウェイト 約180g (27.0cm/片足)
アッパー70%リサイクル メッシュ
シューレース 100%リサイクル レース
リサイクルソール30%[Vibram ECODURA]
シューズアドバイザー藤原 (F-shokai)
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動画でご紹介中のシューズももちろん試し履き可能です
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