【サプリメント図鑑vol.3】日清オイリオ「MCTオイル」編─“運動して体脂肪を燃やすカラダに。注目の脂質「中鎖脂肪酸」に迫る!”

栄養 サプリメント図鑑

長年愛飲されている定番から、革新的な新製品まで─ランナーに愛飲されるサプリメントについてメーカー担当者から開発秘話をうかがう、スポリートの“サプリメント図鑑”。第3回のテーマは、『MCTオイル』シリーズです!

スポーツをする人の間では、知る人ぞ知る「MCT」。
中鎖脂肪酸100%の油のことをMCT(Medium Chain Triglyceride)と呼びますが、スポーツと油がつながりにくい人もいるのではないでしょうか。

そんな疑問を解決するべくお話を聞かせてくださるのは、日清オイリオグループ株式会社の長門石 亮さんと田中優子さんです。

オイル、パウダー、サプリメント 3つのラインナップ

──商品がたくさんあるのですが、何が違うのでしょうか?
商品ラインナップは、大きく分けて、オイル、パウダー、サプリメントゼリーの3種類になります。
白いパッケージは、普段の食生活に取り入れやすいシリーズ。

黒いパッケージのMCT CHARGEシリーズは、アスリートやランナーなど、特にトレーニング時に摂取しやすいようにつくられています。

MCTのメリットは、エネルギーになりやすいこと

──MCT(中鎖脂肪酸油)は、何がいいのでしょうか?
MCTとは油の仲間です。一般的な油(長鎖脂肪酸)との違いを分子レベルで比較してみましょう。

※画像提供:日清オイリオ MCTサロン
http://www.nisshin-mct.com/contents/page195.html

画像を見て一目瞭然ですが、油の炭素の数=脂肪酸の長さが違うのです。 一般的な油である長鎖脂肪酸の例えば16個の炭素数に対して、約半分。約8~12個なのが中鎖脂肪酸です。

では、脂肪酸の長さが半分だったら何がいいのでしょうか?
一般的な油である長鎖脂肪酸は、体に貯蔵された後にエネルギーとして利用されます。 それに対し、中鎖脂肪酸の特徴は、食べたあと素早く分解されて、エネルギーになりやすいのです。 MCTは食べたあとエネルギーになりやすいことから、50年前から主に病院で使われてきました。 手術後の方や未熟児のエネルギー補給として病院で使用されたり、低栄養になりがちな高齢者の栄養改善を目的として、介護施設でも使われてきました。
また、「すぐ燃えて体脂肪になりにくい油」という特性は、中高年の肥満対策にも役立ちます。 すべてのライフステージに対して、役に立つ食品なのです。

──MCT(中鎖脂肪酸油)を継続的に摂取すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
日常生活では、身体を動かすのにエネルギー源として糖質が使われやすく、脂肪はため込みやすいんです。
ただ、持久系スポーツをする人は、糖質より脂質をエネルギーとして使った方が、エネルギー効率がよくなります。
例えば、体内に準備されている糖質の量は約2,000 Kcal。フルマラソンを完走するには約2,500 Kcalが必要といわれており、糖質だけではエネルギーが足りません。そこで登場するのが「脂質」なのです。
糖質が約2,000 Kcalに対し、脂質の体内貯蔵エネルギーは約85,000~100,000 Kcalといわれています。 脂質をエネルギーとして使用できた方がエネルギー効率は格段に良いですよね。 MCT(中鎖脂肪酸油)を習慣的に摂取することで、持久系スポーツのエネルギー源として「脂質」の上手な利用が期待できます。

──MCTのキャッチコピーは長友選手の「体脂肪は運動で燃やせ」でしたよね。
人間の身体は、運動することで筋肉中の脂肪燃焼組織のミトコンドリアが増加します。継続的に運動をすることによって、脂肪燃焼型に移行します。
MCT(中鎖脂肪酸油)は運動のためのエネルギーとして摂取しやすく、体を動かして理想のボディを目指すのによい油だと思います。

──ランナーにピッタリですね! MCT(中鎖脂肪酸油)はどのように摂るのがおすすめでしょうか?
MCT(中鎖脂肪酸油)は加熱ができないため、サラダやスムージー、珈琲やヨーグルト等に入れていただくことをおすすめしています。炒め油や揚げ油として使わなければ、温かいお味噌汁やホットコーヒーにいれてもらって構いません。
油は基本的には水に混ざらず浮きます。水に溶かしたい人にはパウダータイプをオススメします。乳化状態になり、きれいに混ざります。

ランナー向けのMCTは?

──ランナーにおすすめのMCT(中鎖脂肪酸油)商品を教えてください!
黒いパッケージの「MCT CHARGE パウダー」はアスリートやランナーなど、激しい運動をする人向けの商品です。 MCT(中鎖脂肪酸油)が6g含まれた個包装になっているため、ペットボトルの口からも簡単に入れることができます。 普段飲んでいるスポーツドリンクに入れて振って混ぜると、乳化して白濁します。味は少しまろやかになる感じで、油っぽさはほとんど感じません。

プロテインに混ぜるのもおすすめです。カフェオレ味のプロテインが、さらに少しミルキーになり、味はほとんど変わりません。

──スティックゼリーはレース中の補給にも最適
MCT(中鎖脂肪酸油)ゼリーは、スティックゼリー状で運動中にも気軽にMCTを摂取できる商品です。白パッケージの「MCTサプリメントゼリー」と、黒パッケージの「MCT CHARGE ゼリー PRO」は、1本当たりの内容量は15gと全く同じ。MCT(中鎖脂肪酸油)含有量も1本あたり6gと同じです。違う点は、PROが糖質ゼロである点です。
エナジージェルと違いベタベタせずしないので、レース中のストレス軽減も期待できます。

──普段の食事に取り入れるには、どちらがおすすめですか?
MCTオイルは、サラダや珈琲、お味噌汁に入れている方が多いです。 白いパッケージの日清MCTパウダーは、細かいサラサラとした粉末です。そのため、ヨーグルトやスムージーなど、自分の食生活の中で毎日摂取するものに入れると習慣化しやすいと思います。

まとめ

MCT(中鎖脂肪酸油)は他メーカーからも発売されていますが、日清オイリオさんはMCTのパイオニアとして50年以上にわたり、医療施設でつかわれてきたことや、原料からボトルに詰めるまで一貫生産している点で、便りになると感じました。オイルやパウダータイプだとコストパフォーマンスも高く、普段の食事に取り入れやすそうです。

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