【サプリメント図鑑vol.2】セロトーレ「マグオン」「エネもち」編─“補給食は遠足のおやつ!?トライアスロン専門誌発の美味しいサプリ”
長年愛飲されている定番から、革新的な新製品まで─ランナーに愛飲されるサプリメントについてメーカー担当者から開発秘話をうかがう、スポリートの“サプリメント図鑑”。第二回のテーマは、『Mag-on(マグ・オン)』シリーズと『Enemoti(エネもち)』です! セロトーレ株式会社の矢崎真也さんにお話をうかがいました。
『Mag-on(マグ・オン)』は、運動による発汗で失われる必須ミネラル「マグネシウム」を補給できる、トライアスロン専門誌『Triathlon Lumina』から誕生したサプリメントです。
マグネシウムは日常生活ですでに不足している?
「闘い続けるアスリートの水溶性マグネシウム」をキャッチコピーに、トップアスリートにも支持されるサプリメントである「マグ・オン」。その開発秘話を知りたいと、メーカーであるセロトーレ株式会社の矢崎真也さんに商品が開発された背景やその特徴などのお話をうかがいに行きました。
マグ・オンは、マグネシウムに特化した顆粒のサプリメントなんですね。 なぜ開発されたのでしょうか。
マグネシウムは、人間の機能維持に必要不可欠な必須ミネラルです。マグネシウムはナトリウムと違って食事から十分な量を摂取することが難しい。しかも、汗や尿と一緒に体外に排出されてしまいます。
厚生労働省の調査(平成28年国民健康・栄養調査より)によると、現代の一般成人男性の場合で、マグネシウムが100 mg/日以上 不足していると言われています。
確かに日々意識してマグネシウムを摂取しないかも...
運動をしていない人でも欠乏している人が多いそうです。
さらにアスリートやランナーの場合、トレーニングをすることによって汗で流れ出るため、より不足していると考えられます。そのため1本でマグネシウム200㎎を摂取できる商品を開発しました。
マグ・オンの特徴「水溶性マグネシウム」
運動をしていない人でも、マグネシウム不足の可能性が高いということでした。ミネラル不足はアスリートのパフォーマンスに直結する問題です。そういった課題解決のために含まれるマグ・オンの成分である「水溶性マグネシウム」の特徴を引き続き矢崎さんに教わります。
マグ・オンの成分である「水溶性マグネシウム」の特徴を教えてください。
一般的に「マグネシウム入り」とあるのは、酸化・塩化マグネシウムが配合されている商品が多くみられます。
マグ・オンは違うんですか?
Mag-onはタテホ化学工業株式会社の水溶性マグネシウムを使用しています。水溶性マグネシウムを精製する技術は、タテホ化学工業の独自製法で、ほかのスポーツサプリメントにはない特徴です。
水溶性マグネシウムはマグ・オンだけなんですね!すごいです!
水溶性マグネシウムの特徴とは?
「水溶性」のマグネシウムを使用するメリットを教えてください。
市販の便秘薬などに使用される酸化マグネシウムは腸まで溶けずに届き、酸化マグネシウムが水分を集め、お腹をゆるめてお通じをよくします。
マグネシウムのデメリットとして「摂りすぎるとおなかがゆるくなる」と認識されているのはそのためではないでしょうか。
なるほど、そうかもしれませんね。
水溶性マグネシウムのマグ・オンは、飲んだ瞬間に溶けてイオン化する為、すぐに身体に吸収されるので、お腹がゆるくなりにくいのが特徴です。そして水溶性マグネシウムは、酸化マグネシウムと比べて約2~3倍のイオン化率があります。
マグネシウムは必須ミネラルとのことですが、摂取することによってランナーやアスリートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
マグネシウムは、筋肉の収縮運動を正常にしてくれる働きがあると言われています。開発当時、まだ日本の市場ではマグネシウムで筋肉トラブルを予防しようというものはありませんでした。
そうなんですね。
たとえばマラソンをはじめ長時間筋肉に負荷をかけるような持久系スポーツでは、レース・試合後半になると筋肉が張ってきます。マグネシウムはそのような状態の筋肉を緩める働きがあるとも言われています。
マグネシウムが欠乏すると、筋肉トラブルが起こりやすくなったり、血液の循環に支障をきたしたりしますし、骨密度にも影響があります。必須ミネラルですのでアスリートの方は特にMag-onを普段の生活の中で飲んでいただくのがおすすめです。
マグ・オンはゴールまで「闘い続ける」前向きなメッセージ
マグ・オンは日常から運動のシーンまで広く使えるサプリメントだということがよく分かりました。開発にはトライアスロン専門誌を出版していた背景もあり、アスリートからのフィードバッグを多く取り入れているそうです。だからこそなのかマグ・オンには「闘い続ける」というキャッチコピーがあります。このメッセージに含まれるブランドのこだわりについてもおうかがいしました。
~闘い続けるアスリートの水溶性マグネシウム~とのキャッチコピーがありますが、マグネシウムに特化しているイメージがあります。ブランドとしてのこわだりをお聞かせください。
こむら返りなど対症療法的に表現するのではなく、「闘い続ける」という前向きな姿勢をコンセプトにしました。筋肉トラブルはレース中に一度起きてしまうと動き続けることは難しいので、動きを止めずに闘い続けて欲しいとの願いを込めています。ゴールを目指して走っているのに止まってしまうのは悔しいですよね。
とっても悔しいです!!
そういう場面を見ると応援しているこちらも悔しい。ぜひMag-onを飲んでゴールまで闘い続けて欲しいと思います。
「マグ・オン エナジージェル」開発秘話
水溶性マグネシウムを成分としたマグ・オン。顆粒タイプだけでなく「エナジージェル」という糖質が含まれたジェルタイプの商品もあります。こちらの開発秘話についても引き続き矢崎さんに伺ってみました。
Mag-onの商品には「顆粒」だけではなく「エナジージェル」もあるそうですね。
はじめに顆粒のタイプを発売しました。こちらは軽く小さく携帯性も良いので、ポケットに入れておけばエイドステーションなどの水でサッと飲めてとても便利です。ただ、長時間運動をするエンデュランススポーツ(持久系スポーツ)ではエネルギー補給の観点からカロリーがとれるエナジージェルの要望も多くいただきました。
確かにエナジージェルは摂取しやすいですよね。
エナジージェル自体はすでに他社からいくつも発売されていて後発になりますので、我々としては食べてもらって「美味しい」と言ってもらえるように味にこだわって開発しました。
顆粒とエナジージェルでは水溶性マグネシウムも同じ配合なのですか?
顆粒では1本で200mg配合ですが、エナジージェルは味とのバランスから1本で50mgの配合にしています。またエナジージェルだと1レースで複数本摂取することもありますので1本あたりの配合が多いと過剰になりますよね。実際に使用するシーンを想定しながらバランスを考えました。
なるほど、消費者の目線で作られているのですね!エナジージェルで人気の味などありますか?
人気順ですと、レモン、ピンクグレープフルーツ、梅などが人気だと聞きます。好みにもよりますので地域や販売店によって違うかもしれませんね。傾向としては酸味が強いジェルは、さっぱりした味が欲しくなるレース後半で特に好評です。
フムフム、確かに「酸味」が欲しくなるかも!
カフェイン入りも疲れがたまりやすいレース後半に人気ですね。黒ベースのパッケージの商品がノンカフェイン、カラフルなカラーパッケージの商品はカフェインが入っています。いろいろな味を試しながら自分のお気に入りを見つけて欲しいですね。
「Enemoti(エネもち)」誕生秘話
セロトーレ株式会社は、「マグオンシリーズ」だけでなく固形のスポーツ補給食である「Enemoti(エネもち)」という商品も発売されています。こちらは「北海道銘菓きびだんご」を製造していることで有名な老舗製菓メーカー、「天狗堂宝船」との共同開発商品だそうです。何故スポーツシーンにおいて餅菓子なのか。引き続き矢崎さんにエネもち開発秘話についておうかがいしました。
「天狗堂宝船」にエネもちを製造を依頼したきっかけを教えてください。
以前、我々が発行しているトライアスロン雑誌『Triathlon Lumina』で補給食の特集をしました。当時は、「和」をテーマにした固形の補給食として商品化されているものが少なかったんです。一部のトライアスリートが、ういろうや羊羹、一口カステラなど、工夫をして携帯している様子を特集しました。
確かに「和」の商品は少ないイメージですね。
その中で北海道のきびだんごを補給食として携帯している方がいました。美味しく、持ちやすい形状だったので、スポーツの補給食として向いているのではないかと思い、天狗堂宝船さんに製造をお願いしたのです。
スポーツ補給食としての「こだわり」
スポーツの補給食として商品化するにあたり、こだわったポイントはありますか。
天狗堂宝船さんで商品化されている「くるみ餅」の味は変えず、パラチノース®を入れることにこだわりました。パラチノース®は三井製糖株式会社の商品ですが、簡単に言えばお砂糖の一種です。普通の砂糖に比べてゆっくりと消化吸収するため長くエネルギーが使用できる特徴があります。
なるほど!
また、餅に入っている「クルミ」からは脂質とビタミンを捕ることができますので、スポーツ中でも飲み込みやすく、かつ食感も楽しめるようにクルミを増量しました。 トライアスロンなどのエンデュランス・スポーツをイメージして商品化したので、長時間運動する様な時にエネルギー補給で食べてもらうことを想定しています。
またレース中でも食べやすいパッケージにこだわりました。開封した時にゴミが分離しない包装です。餅自体はオブラートに包まれているので、手についてもべたつきません。
くるみ餅、わたしも好きです!美味しそうですね。
創業50年以上の歴史を持つ天狗堂宝船さんは味に定評があります。ケミカルな原料を極力使わず素材の良さを引き出しています。ぜひスポーツの補給食としても味わって食べてもらいたいですね。
ちなみに塩分も補給できる、『Enemoti 塩餅』が新発売されました。
レース中に甘いジェルを補給した後、しょっぱいものを食べたいという要望があったんです。そこでナトリウムも一緒に摂取できるよう、天狗堂宝船さんの協力で開発しました。塩分を加えた分、少し塩気を感じる味も試食では好評でした。スポーツ専門店などで期間・本数限定での販売予定です。
これから走りだしたい方へのメッセージ
最後に「Mag-on」「Enemoti」を、これから走りだしたいスポリート読者の特にどんな方に試してほしいですか?
補給食という意味では、マラソンや球技など、スポーツするすべての人に気軽に試して味わってもらいたいです。レースの中で苦しいと感じるときに、美味しいものを食べる楽しみを感じてほしいなと思います。
まとめ
インタビュー中に聞いた「補給食は遠足のおやつです!」という言葉がとても印象的でした。
今回のレースにどれを持っていこうかな?と遠足のおやつをワクワクしながら選ぶような気持ち。長い競技時間の中で、同じ食べるなら美味しい補給食がいいよねという考え方。エンデュランス・スポーツに携わってきた、トライアスロン専門誌ならではの考え方かもしれません。 補給食選びは効果だけでなく、美味しさにも注目して選びたいですね!
※Mag-onは、セロトーレ株式会社とタテホ化学工業株式会社の共同商標です。