シューズアドバイザー藤原さんにスポリート編集部が聞いた! 夏のトレーニングにぴったり! ミニマル(ベアフット)シューズの活用法

スポリートの清水編集長と頂プロジェクトの石原コーチが、シューズアドバイザーの藤原さんにランニングシューズに関するトピックを聞く本企画。今回は「ミニマル(ベアフット)シューズ」をテーマに、夏にぴったりなトレーニングへの活用方法についてお話を聞きました!
これまでの記事一覧
- シューズアドバイザー藤原さんに聞く! シューズの分類と履き分けのコツ
- シューズアドバイザー藤原さんに聞く! シューズの分類と履き分けのコツ

- シューズアドバイザー藤原さんにスポリート編集部が聞いた! 2020年のシューズ動向とこれからの展望は?
- シューズアドバイザー藤原さんにスポリート編集部が聞いた! 2020年のシューズ動向とこれからの展望は?

ミニマル(ベアフット)シューズを履くメリットは?

藤原さん : ミニマルシューズを履くメリットを簡単に言えば、地面の感触を感じられることですね。
清水編集長 : 裸足に近い感覚のシューズですもんね。
藤原さん : そうです。そしてミニマルシューズを上手に使えば、身体が本来持っている機能を高めることができます。普段みなさんが履いているランニングシューズは、クッションで足を守ってくれたり、スムーズな走りを助けてくれたり、身体をサポートしてくれる様々な機能がありますよね。ですが、その“守られている”感覚に慣れすぎてしまうと、身体が持っている本来の感覚が鈍ってしまうことがあるんです。
石原コーチ : シューズの高い機能性によって、足が甘やかされてしまうという感じでしょうか?
藤原さん : そういうことです。僕もミニマルで走ると、普段いかにシューズの機能に甘えて、雑に足をついていたのか気付かされるんですよ。さらに、そのあと普段のシューズを履いて走ると、クッションの気持ちよさをより感じられます。
清水編集長 : 普段履いているシューズの機能性の高さに、ありがたみも感じられそうですね。
藤原さん : そうそう。それに、自分の身体の可能性も感じます。負担の少ない足の着き方や、効率よくパワーが伝わる蹴り方というのは、本能的に「これなら痛くない」「こうやって蹴ると前に進みやすい」という感じで、時には自分の足に聞いてみることも大切なんですよね。
ミニマルシューズを上手に取り入れて、“ランニング改革”を
清水編集長 : 取り入れ方としては、ときどきミニマルシューズを履いて走る機会を作る、といった感じでしょうか?
藤原さん : そうですね。特に今年はコロナの影響もありますし、これから真夏になると気温も高くなるので、短時間で効率よくトレーニングしたい時におすすめです。ミニマルシューズではサポート力に頼ることなく自分の力で走ることになるため、そのぶんいつものランニングよりも負荷がかかりますからね。
石原コーチ : 気温が上がると長時間、長距離を走ることがなかなかできなくなってしまいますし、まさにこれからの季節にぴったりですね。
藤原さん : 短い時間で普段より負荷の高いトレーニングをすることができますし、本来の身体の機能を高めることができるチャンスにもなります。
清水編集長 : でも、そのぶんケガには注意ですよね。
藤原さん : そうですね。負荷がかかるぶん最初はとても疲れますし、慣れないうちからミニマルシューズで思い切り走るのは禁物です。僕自身、初めてミニマルシューズを履いた時は、いきなり思い切り走ったせいで肉離れをしてしまったので…。足の声を聞くことを意識しながら、いつもよりゆっくりのペースで、短めの距離を走るのがおすすめです。
石原コーチ : ちなみに、ミニマルシューズの中にも、ブランドごとの特徴やカテゴリがあったりするのでしょうか?
藤原さん : 大きく分けると、少しクッションのあるものと、より裸足感覚に近いものがあります。たとえば、初めてミニマルシューズを履く人や、これを履いてロードを走る人は、「ナイキフリー」などの少しクッションがあるものを選ぶと安心です。裸足感覚に近い、いわゆる“ミニマルスタックハイト”のシューズは、芝生の上や、トレッドミルを走ることが多い人におすすめです。


石原コーチ : 私は競技として陸上をやってきたので、以前はベアフットシューズの存在も知りませんでした。でも、足の感覚を高めるために使えるというのを知ってすごく驚きだったし、これからぜひ挑戦してみたいです!
藤原さん : 今年はコロナの問題もあるし、これから先、夏はもっと暑くなっていくとも言われていますし、走り方にも工夫が必要になっていくと思うんです。そういう意味でも、ミニマルシューズを上手に使うことはとても有用です。短い時間で、質の高い練習になるわけですから。働き方改革ならぬ、“ランニング改革”ですね。
清水編集長 : それに、「たくさん走っているのに速くならないんです」という声もよく聞きますが、ただがむしゃらに走るだけでは疲労がたまる一方だし、ケガにもつながる。無理なく記録をのばしたい人は、時にはシューズを上手に履き分けながら質の高い練習をすることが大切になってきますね。
僕も以前は「こんなに薄くて靴下みたいなシューズでちゃんと走れるのかな?」という不安はありましたけど、やってみたら意外とできる。だから、いろいろと考えるよりは、一回試してもらうのがいいんじゃないかなと思っています。
藤原さん : 少し前までは、まさに「こんなので走れるのか」というイメージを持たれることが多くて、なかなかミニマルシューズの魅力に気づいてもらうのも難しかったのですが、最近では日本のランニング文化も定着してきて、シューズの履きわけもだいぶ一般的になってきました。これから先、もっとミニマルシューズが浸透して、ランナーが一人一足当たり前に持っているような時代になっていけばいいですね。

ミニマル(ベアフット)シューズについては、ぜひこちらの記事もご覧ください!
- 裸足ランニングを正しく知ろう
- 裸足ランニングを正しく知ろう
