【監督対談vol.2】市民ランナー必見!コラーゲンペプチドによるボディケアと高強度トレーニングで強いランナーを作る!/櫛部静二(城西大学男子駅伝部監督)×町野走一(頂プロジェクト監督)

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SB食品などでトップランナーとして活躍し、2001年より城西大学の男子駅伝部で指導に携わる櫛部静二監督は、世界で戦えるランナーを輩出すべく、長距離選手であっても高強度トレーニングは必要だと説いています。同時にトレーニングの効果を出すためには選手のコンディショニングも重要だと、ケアとしてコラーゲンペプチドを摂取し、故障のない身体作りを意識しているのも特徴です。この高強度トレーニングとケアにどんな意識で取り組まれているのか、頂プロジェクトの町野監督も興味津々で、存分に語り合っていただきました。人気の監督対談シリーズ必読の第二弾です!※この取材は、2020年3月に行われました。

「取り組まれている高強度トレーニングとはどのようなものですか」(町野)
「低酸素室を活用するなどして、距離を減らしつつ強度を上げるといったことを行っています」(櫛部)

町野 :  城西大学では高強度のトレーニングを重視していると伺いました。距離に関していうと自分が大学生だった頃は1カ月に1000kmとか当たり前に走っていたと思います。今は少し減っているのかな、という感覚がありますが、実際どれほど走っているのでしょうか?

櫛部 :  人によりますが、全体で考えると確かに昔より減っていると思います。この2月はハーフマラソンを目標にしていたので少し増やして800kmぐらい。私自身も距離を走ることをさせられてきた世代で、かつ強度が高い練習をしていました。でもこれじゃあ壊れるよね、ということは当時から感じていたんです。幸いにも私自身は怪我もせずその練習に耐えられたんですが、自分が指導をするようになって驚いたのは、故障者がこんなにいるのかということでした。自分が教えている選手もそうだし、他の大学のチーム、一般の人もそうです。それをどう解決するかということに取り組む必要があると考えました。

町野 :  自分も治療に携わるので故障者の多さは感覚としても分かります。そこで櫛部監督は距離ではなく強度を重視するようになったのですか。

櫛部 :  まずトレーニングのことからお話しましょう。スポーツ科学が発達して、持久系の種目においては高強度がホットワードになっています。私自身は強度を高めれば距離は少し減らしても強くできると感じています。また同時に、距離を踏むことが強さにつながるという、距離神話は根強くあります。実際、距離をある程度走れば強くなるのは確かで、手っ取り早い方法でもあるんです。でもそれをしてしまうと故障が出やすい。そして怪我をしてしまうと本来するべき練習が継続できなくなり、それでは意味がない。また、速さを求められる時代では、当然速く走るトレーニングが必要になる。そんなことをいろいろ考えた上で、距離を減らしつつ、強度を上げることに取り組んでいます。

町野 :  高強度トレーニングというのはどういう内容でしょうか。

櫛部 :  高強度トレーニングとは、特に呼吸循環器系機能を高いレベルで発揮する運動を指します。インターバルトレーニングがそれにあたります。より負荷をかけるために低酸素の環境でトレッドミルを使い、速度、斜度、酸素濃度(標高)をコントロールしながら行っています。高い心拍数での走行を繰り返し行うことで能力向上を目指します。最近は心拍測定器の機能が高くなり簡単に使えるようになりました。サイズは小さくて軽く、精度が上がり、ワイヤレスでiPadからリアルタイムで心拍の推移が確認できるようになっています。
実は8年ほど前から低酸素室の必要性を訴えて部屋を自作したりしていました。次第に成果が上がってきたことから大学の協力を得られ、2019年の夏にトレッドミルが10台、バイク5台が設置できるほどの大型の低酸素トレーニング室が完成しました。試行錯誤しましたが、低酸素環境でいかに強度の高いトレーニングを持続的にやるか、そういうことに取り組んでいます。

町野 :  私の経験だと車山高原とか標高1800mほどまでいってしまうと、インターバルをやるのも結構きつかったですが、その低酸素室でのトレーニングはレースペースに近いスピードで走らせたりするのでしょうか?

城西大学の男子駅伝部で指導に携わる櫛部監督と頂プロジェクトの町野監督

櫛部 :  基本的にはレースペースと同じか、それ以上というのが目安です。低酸素環境だと普通の環境と同じペースで同じ距離を走るのは難しいので距離を短くして行います。特によく行うのはインターバルトレーニングで、レスト(休憩)を入れて回復させて、速く走ることを繰り返し行います。練習量が増えていくのは長距離選手にとっては宿命ですが、距離を減らす分、強度を従来よりも強度を際立たせた内容になっています。なぜ強度を重視するかというと、長距離選手は距離を追いがちですが、誰もがフルマラソンを走る訳ではありません。学生ならハーフか、それより短いトラック種目ですよね。でもだからこそ強度の高いトレーニングでスピードを追うことが必要だと思います。世界だとトラックのラスト1周が54秒、53秒の時代です。日本の絶対的なスピードのなさを解決するためには必要なことです。

町野 :  なるほど。最近の市民ランナーはネットでさまざまなことを調べて取り入れる意欲が高いんです。ガーミンなども実際の心拍ではないのですが、心拍をベースとして出せるという機能を持っています。最大心拍の目安とされる値はトレーニングでは一つの基準になるのでしょうか?

櫛部 :  最大心拍数は個人差がありますので測定するのはとてもいいと思います。最大心拍数を知り、走行時の心拍をモニタリングするのは強度を知るすべになります。例えば同じ速度で走っている時を観察していけば、自身の成長度を確認することができます。

町野 :  ほかにも、体幹トレーニングやフィジカルトレーニングの重要性を指摘する大学の方もいらっしゃいますが、それはどのようにお考えですか?

櫛部 :  みなさんパフォーマンスアップはもちろん、故障しないように体幹トレーニングに取り組まれていると思いますが、結局どういう影響を与えているのか、明確に言える人は少ないのではないでしょうか。私としては速く走るためには筋力アップは大事だと思います。大事なのは丁寧にやることと、正しい知識を身につけることではないでしょうか。私もウエイトトレーニングを取り入れていますが、速く走るための筋力はもちろん、体の使い方を覚えたり、故障予防につながっていくと信じています。

城西大学の男子駅伝部で指導に携わる櫛部監督と頂プロジェクトの町野監督

「故障予防のために、コラーゲンペプチドを取り入れています」(櫛部)
「痛みがないからこそ、継続的に必要な練習が可能なんですね」(町野)

櫛部 :  トレーニングと同時に、強化において重要なのが故障予防です。いいトレーニングができたとしても継続できなければ成長はできません。指導を始めた当初は怪我も多く、どうしたらいいかと悩んでいるとき、うちの薬学部の教授である真野教授に、新田ゼラチンと共同で研究しているコラーゲンペプチドというものがあると教えていただきました。高齢者の膝痛予防や改善になるものだと聞き、もしかしたら長距離選手の怪我にも使えるかもと考えました。そこで粉末のコラーゲンペプチドを使うようになりました。

町野 :  現在はコラーゲンペプチドを配合したケアドリンク、「RUNSHOT」をお使いだということですが、それよりどれくらい前のことですか?

櫛部 :  粉を使い始めたのが3年ほど前になります。当時はドリンク状のものはなかったので、粉末を食べ物や飲み物に入れて使い始めました。でも学生からすると「何の粉!?」「本当に効くの?」という反応でしたね(笑)。しかも、少し入れればいいだけなのですが、忘れて入れなかったりしていました。その作用について教えていましたが、最初は誰もが積極的にという感じではありませんでした。その後、試行錯誤しながら2019年に新田ゼラチンと城西大学、そして駅伝部も共同で開発したドリンク状の「RUNSHOT」ができました。これは粉末とは違い、ドリンクなので手間がいらず便利ですね。味も良く、練習後は喉も乾いているので選手も積極的に飲みますし、確実に摂取できてありがたいです。

町野 :  使われ始めてから怪我は実際に減っているのでしょうか?

櫛部 :  次第に少なくなりましたね。学生からは朝起きたら関節の痛みがなかったという声を聞きますし、私の妻も膝痛があると言うので飲ませたところ、やはり痛みが消えたと言っています。練習量や強度との関係性もあるので一概には言えませんが、日々の痛みを感じる選手が減り、怪我も少なくなったという印象があります。

町野 :  個人差はあると思いますが、こういったものを摂取することで痛みなどがなくなって、高強度の練習を継続していくことが理想ですね。痛みがあるとやりたい練習ができなくなりますし。

櫛部 :  そうです。コラーゲンペプチドを使ってみようと思ったのは、年を取ると膝が痛くなるとよく聞きますよね。そんな症状を改善するものだというのが大きかったです。長距離選手は股関節、膝関節、足首周辺の関節周辺に異常が出ることが多いので、もしかしたらこれはいいんじゃないかと。

町野 :  痛みは腰、股関節、膝などが多いですね。長距離に出やすい故障は反復性による腱の拘縮が多いと思います。

櫛部 :  市民ランナーの方は、学生よりも年齢的が上の方が多いと思うので、このコラーゲンペプチドを使われたらもっと分かりやすいのかもしれないですね。

町野 :  今度、私のコーチしている頂プロジェクトとあるランニングクラブと合同で、トラックの5000mと10000mの大会を私的に開催しようと思っているんです。ここまでマラソンに備えて練習してきたのですが、トラック向けに鍛え直さないといけないので、このコラーゲンペプチドを飲んでもらって高強度のトレーニングをやるといいかもしれません(笑)。使い方は練習後ですか?

櫛部 :  タイミング的にはいつ摂取してもいいのですが、うちでは「RUNSHOT」を練習後に飲んでいます。故障予防に熱心な選手は、粉末をみそ汁に入れたりしています。本音は最初から汁ものなどに混ぜておきたいところですが、そうすると学生たちは身体のケアについて何も考えなくなってしまうので自身で考えて摂取するスタイルにしています。

新田ゼラチンの「RUNSHOT」

新田ゼラチンの「RUNSHOT」は独自技術で配合したコラーゲンペプチド5000mgに、クエン酸2700mg、BCAA1000mgを配合した、運動後に摂取するケアドリンク。

「ランニングをブームで終わらせないためにはどうしたらいいですか?」(町野) 「マラソンだけではなく、中長距離の育成が大事だと思います」(櫛部)

町野 :  ランニングブームをブームで終わらせないために、裾野が広がっていけばいいなと思っています。トップの方々が活躍することでメディアにも取り上げられて、親世代が子どもにもランニングの楽しさを伝えていく世の中になればいいなと思っているんです。城西大の選手たちにもそういう意味で頑張っていただきたいなという想いがあります。

櫛部 :  私としては、全体を見ると裾野は広がっているとは思いますが、世界で通用するトップレベルの選手がいないのが課題だと思っています。ケニアやエチオピアの選手と対等に戦える強い選手が出てくることが必要で、自分たちはそういう選手を輩出するために努力しないといけません。今の大迫傑選手など、メディアに大きく取り上げられる選手がいて、同じシューズやキャップでカッコよく走りたいと思える選手の育成です。若い選手の憧れになるスター選手が継続的に必要ですね。
もう一つは、日本のマラソンは瀬古さん、もっと昔なら円谷さんという、マラソンで成功した歴史があるので、どうしてもマラソン一色になってしまいがちです。でも今のマラソン界はスピードが十分でないために世界トップレベルから記録は大きく遅れているのが現状で、それを打開するには中長距離、800mから10000mのカテゴリーの強化が重要です。トップレベルの試合のダイヤモンドリーグに出るとか、そういうレベルの選手を育成しなくてはならないと感じています。

町野 :  ヨーロッパであれだけ観客を集められるダイヤモンドリーグは、ステイタスもあるし、もらえる賞金も大きい。ああいうものが日本にもあれば最高だと思いますね。

櫛部 :  まずはそれに出場するために男子では5000mで12分台、10000mで26分台の選手を育成することが大事ですね。世の中では長距離走をマラソンひとくくりに考えていますが、長距離走には5000m、10000mがあって、その下に中距離走には800m、1500mがあります。世界では中距離、長距離で成功した者がマラソンのトップになっているという現実があります。そこを中抜きにしてはいけないと思います。私も村山紘太(10000mの日本記録保持者)が城西大を卒業するときには、「ダイヤモンドリーグに出るような選手になれ」と言いましたが、そういう選手たちがハードルを越えていって欲しいですね。

町野 :  そういうお考えで城西大の指導をされてきたのですね。私のイメージでは城西大の選手はスピードがあるという印象でしたが、監督のそういう信念が現れているものだったのですね。

櫛部 :  そこが高強度とも関係しますが、やはりスピードにはこだわっています。速く走るためには速く走る練習をしなければという、当たり前のことを目指したいと思っています。取り組みなくして結果は出てこないと思うので、目指すものをしっかり作り上げていきたいし、そのために故障しない身体を作っていかなければいけません。トレーニングはもちろん、摂取するものも考えてそれを実践していきたいですね。

町野 :  今日はトレーニング方針をはじめ、興味深いお話をたくさん聞かせていただいて刺激になりました。今後のご活躍が一層楽しみになりました。ぜひ頑張ってください!貴重なお時間をいただき、どうもありがとうございました。

Spoleteランニングクラブ 頂プロジェクト

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