【テクノロジー図鑑vol.21】ホカ オネオネ『クリフトン』シリーズ編─厚底の理由は◯◯からインスピレーションを受けたから!?3つのテクノロジーが織り成すベストバランス



長年愛され続ける有名プロダクトから、あっと驚く新製品まで─ランニングにまつわる気になるテクノロジーを紐解く、スポリートの“テクノロジー図鑑”。第21回目のテーマは、HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)のベストセラーモデルであるクリフトンシリーズです!

インパクトのある“厚底”や、ユニークな響きのブランド名も相まって、日本でもじわじわと人気が上がっている『ホカ オネオネ』(ちなみにブランド名の由来はマオリ族の言葉で“さぁ、飛ぼう!”という意味)。 マシュマロのような履き心地のクッション性や、足運びをスムーズにしてくれる独特の厚底ソールが幅広いレベルのランナーにマッチし、知る人ぞ知る存在になっています。

今回は、そんな『ホカ オネオネ』のブランド背景やテクノロジーについてお話を伺ってきました!

楽に楽しく、速く走るために

──まずは、『ホカ オネオネ』のブランド背景について教えてください!

ホカ オネオネは、2009年に誕生したブランドです。もともと二人の創業者がトレイルランニングやアドベンチャーレースに取り組んでおり、「山を楽にかけ下るにはどうすればよいか」と考えるうちに、「楽に楽しく、速く走る」というコンセプトを考えついたといいます。初めはトレラン用のシューズブランドとして誕生しましたが、「楽に速く走れる」という考えはトレランの範疇にとどまらず、さまざまな運動に当てはめることができました。そのため、今ではロードランニングやウルトラマラソン、トライアスロン、フィットネスなど幅広いジャンルでシューズ開発を行っています。

──ホカ オネオネのシューズといえば、“厚底”のソールをイメージする人が多いかと思います。この“厚さ”は、初期の頃から確立されていたのですか?

おっしゃる通り、ホカ オネオネといえば厚いソールを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は厚底ありきというわけではないんです。
ブランド創業者の二人が「これまでになかったランニングシューズを作ろう」としたとき、参考にしたのが「自転車の車輪」でした。ヨーロッパでは山でマウンテンバイクに乗る人も多く、山を下るときの車輪の働きに着目したそうです。人間の足も車輪が回るように動けば、より少ない労力で楽に進むことができるのかと考えた結果、ブランドの軸となっているテクノロジーのひとつである「メタロッカーテクノロジー」が誕生しました。

──「車輪」に着目した結果、厚底になったのはどうしてだったのですか?

シューズによって車輪のような自然な体重移動を促すには、ソール自体を車輪のようなカーブ形状にするのが良いということになりました。このカーブ形状を実現するためには、つま先とかかとを滑らかに削ぎ落とす必要があり、その分厚さが必要だったんです。
ソールの形状がある程度決まってくると、次に課題になったのが重さ。厚みがあってもできるだけ軽さをキープするために、材料の比重や圧縮率を工夫しながら細かく調整した「軽量マキシマムクッション」を開発し、軽くてやわらかいマシュマロのようなクッション性を実現しています。

──厚みのあるソールのそもそもの原点は、「車輪」の構造だったとは驚きました。

そうなんです。もちろんクッション性を高められるというメリットにも着目されてきましたが、ロッカー構造を成り立たせるためには結果的にある程度の厚さが必要だったという、両方の考え方が合わさった結果、このようなソールが生まれました。
さらに、クッション性が高い分ふわふわして不安定になるのを防ぐために、「バケットシート型ミッドソール」が採用されています。これはレーシングカーのシートから発想を得たテクノロジーで、足がすぽんとはまってくれるような構造になっており、着地時や蹴り出しのときのブレを抑えてくれます。 これらの「メタロッカーテクノロジー」「軽量マキシマムクッション」「バケットシート型ミッドソール」の3つはホカ オネオネの軸となっている大きなテクノロジーです。この3つが合わさることで、「楽に速く走る」という独自のコンセプトや走り心地を体現しています。

ベストバランスを追求した「クリフトン」シリーズ

──お話を聞いてホカ オネオネのシューズを履いてみたくなりました! おすすめのモデルはありますか?

我々は誰でも幅広く履くことができるパフォーマンスブランドを目指しているので、基本的には「履けない」モデルはありません。ただ、初めて履くというランナーのみなさんには、まず「クリフトン」シリーズをおすすめしています。クリフトンシリーズは、さきほどお伝えした3つのテクノロジーによって“ロードランニングでのベストバランス”を追求してきたモデルで、ホカ オネオネのランニングシューズの基準ともいえるシリーズになっています。トレイルランニングから領域を広げてきたなかで、最初にロードランニング用のシューズとして2014年に生まれました。

──基準となるモデルがどっしりと存在してくれていると、初めて買う人も選びやすそうですね。2014年にクリフトンシリーズが誕生してから、これまでにどんな進化を遂げてきたのですか?

ちょうど2019年6月に誕生したばかりの「クリフトン 6」は、全体的に刷新をしています。まず、ミッドソールの部分でいうとクッションの柔らかさを見直していて、「5」にくらべて少し柔らかい履き心地になりました。「4」や「5」は、初期のモデルよりも少し“しっかり感”のあるクッションになっていたのですが、ランナーさんからいただいたさまざまなフィードバックの中には「ホカのシューズはもうちょっとソフトなほうがいい」という声があったので、原点回帰に近い形をとっているのがポイントです。
それから、耐久性を上げるためにアウトソールのラバー面積を調整したり、アッパーはより軽くフィット感のある形に進化しています。

補強パーツを取り付けるとどうしても重さが出るため、今回はステッチングによってアッパーのフィット感やサポート力を調整しました。

また、一枚の素材で一部の編み方を変えることによっても通気性やフィット感をコントロールしています。

──ブランドとしてのテクノロジーの進化を体現するかのように、クリフトンシリーズも進化してきたのですね。今後さらに、ホカ オネオネのシューズがどんなふうに広がっていってほしいか、イメージされていることはありますか?

ブランドが誕生して10年、日本に本格進出してからはまだ3年目なので、まだまだホカ オネオネを知らないランナーさんが多いと思っています。そのため、まずはより多くの人にブランドを知り、興味を持ってもらえたらうれしいです。「楽に速く走る」ことを目指す私たちのシューズは、きっと多くのランナーにとってプラスになる要素が詰まっています。「厚底」に注目してもらうことも多いですが、今後もより新しいアイデアやテクノロジーを取り入れながら革新的なシューズを生み出していけたらと考えています。

──最近の“厚底ブーム”も相まって、ソールの厚みに注目されることの多いホカ オネオネのシューズ。意外にもアイデアのもとになったのは車輪の構造だったとは知りませんでした。軸となるテクノロジーがバランスよく共存することで、ベストバランスを実現しているクリフトンシリーズ。今後も、ブランドの進化を体現するかのようにどんどん新たな姿を見せていってくれるのが楽しみです。
走り始めたばかりの人から、どんどん走りたいシリアスランナーまで、履く人を選ばずバランスよくサポートしてくれるので、気になった人は一度“マシュマロのような履き心地”を体験してみてはいかがでしょうか?

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