【独占インタビュー】人との出会いでつながった陸上人生 − マラソン日本代表 中村匠吾選手 −

特集 中村匠吾選手独占インタビュー

日本中が注目したマラソン日本代表選考レースで、見事優勝を果たした富士通の中村匠吾選手。今回は、陸上を始めたきっかけや、取り組む姿勢など中村選手の陸上人生をたっぷり語っていただきました。

経験とともに目標が高まった陸上人生

――陸上人生を振り返っていただきたいのですが、競技を始めたのはいつだったのですか。

小学5年生のときに地元のクラブチームに入ったのがきっかけです。もともと、校内のマラソン大会では上位にいたのですが、クラブチームに友達が入っていて楽しそうだなと思い、始めました。

――野球などの球技ではなく、陸上のクラブチームに入ったのですね。

クラブチームは週4日の活動で、2日陸上、2日ドッジボールが行われていたんですけど、ドッジボールのほうはあまり好きじゃなくて(苦笑)。ドッジボールの日はさぼって、陸上ばかり参加していました。記録会では100mや走幅跳びなどいろんな種目に出ましたが、短距離は記録が出なくて、やはり得意なのは長距離でした。それで、中学校から長距離に絞りました。

――中学校の陸上部に入り、成績はどうだったのでしょう。

県内では上位に入れるのですが、全国大会にはまったく届かなかったです。中3最後の1月に、都道府県対抗駅伝で三重県代表に選ばれたのが初めてでした。

――全国の舞台を経験したことで、意識の変化は生まれましたか。

都道府県対抗駅伝って、高校や実業団で活躍している選手と一緒に走れますよね。すごく緊張していたんですけど、付き添いの先輩がいろいろ教えてくれたり、実際に走っている姿を見て、「高校ではもっと上を目指したいな」という気持ちが芽生えました。

――三重県の強豪、上野工業高校(現伊賀白鳳高校)に進まれたのは、そうした理由からでしょうか。

三重県では全国高校駅伝の常連で、インターハイにも選手を送り出している高校でした。やるなら強いところ行きたいと思い、進学を決意して。実家から遠くて、通学に片道2時間ぐらいかかったのですが、同じように遠くから通ってきている先輩や同級生もいたので、そこまで苦にならなかったですね。

――意識の高い仲間たちに囲まれた高校生活だったのですね。

中学時代に上位を争っていた選手が上野工業高校に入ってきました。そんな同級生たちに刺激を受けましたし、先輩たちも強くて、最初は追いつきたい一心でしたね。全国高校駅伝には3年連続で出場しましたが、個人的には2年生でインターハイに出場しました。そこで、3年生では優勝を狙いたいという気持ちが生まれ、どんどん目標が大きくなっていきました。

――3年のインターハイでは5000mで3位入賞。同年10月には高校歴代7位(当時)となる記録もマークし、注目を浴びる選手に成長しました。そして、上野工業出身の選手が多く活躍する駒澤大に進まれます。

箱根駅伝を見始めた当時、連覇していた駒澤の強さは印象的でした。そして高校生のときに、駒澤大学の先輩が教育実習で戻ってこられたんです。憧れの方でしたし、実際にお話できて、先輩方と同じ駒澤大学で陸上をやりたいという想いが揺るぎないものとなりました。

大学時代にマラソンを意識

――駒澤では箱根駅伝はもちろん、ユニバーシアードや世界ハーフマラソンなど、さらに舞台が広がりました。

身近に結果を残している選手がたくさんいて、3年のころから「いつかマラソンに挑戦したいな」という気持ちが芽生えました。「一緒にやろう」と声をかけてくださった大八木監督の指導でここまでこれたのだと思います。さまざまな出会いが現在につながっていますが、憧れて、ずっと目標にしてきた選手は自分が陸上をはじめたころから活躍していた同郷の先輩で、「こういう選手になりたい」と思って駒澤大学まで追いかけたので、大きな影響を受けたと思います。

――中村選手が憧れたように、出身校や所属チーム、それ以外の選手たちからも、目標とされる立場になりました。

そう言ってもらえるのは嬉しいです。ただ、まだまだ現役で、そのポジションを譲れない気持ちもありますので、所属している富士通の選手たちとチームを強くしたり、一緒に上を目指していけたらいいなと思っています。

――練習中には市民ランナーの方とすれ違うことも多いと思います。

市民ランナーの方はストイックだなと感じています。走っている距離もすごいと聞きますし、治療院でケアのことを聞いていたり、勉強されていることを感じる質問をネットで目にすると、本当に詳しいんだなと思います。市民マラソンの大会が増え、陸上界が盛り上がってきているのは嬉しいことですよね。

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