トレイルランニングってどうやって始めればいいの? vol.3 『高尾山を走ってみよう!』
トレイルランニングの専門店「Trippers」にて、店長の朝長さんよりレクチャーをいただいてから半年。ついに、よっし~さんのトレイルランニングデビューが決定しました!入門編として選んだのは高尾山。今回も朝長さんに案内してもらいます。レポートするのはライターのワタルです。私自身もトレイルラン初挑戦ということで、この日を心待ちにしていました!
前回までの記事
- トレイルランってどうやって始めればいいの? vol.1 『マナー&準備編』 | スポリートメディア
- 最近愛好家が増え、よく聞くようになってきた“トレイルラン”というフレーズ。正式にはトレイルランニング、略してトレラン。興味はあるものの、一体どんなものなのかわからない、というスポリートアンバサダーのよっし~さんが、トレイルランニングの専門店「Trippers(トリッパーズ)」を訪れ、店長の朝長さんにトレイルランの基本やそれに必要な道具について教えてもらいました!「未舗装の路面を走るのがトレイルラ...
- トレイルランってどうやって始めればいいの? vol.2 『アイテム編』 | スポリートメディア
- 最近愛好家が増え、よく聞くようになってきた“トレイルラン”というフレーズ。正式にはトレイルランニング、略してトレラン。興味はあるものの、一体どんなものなのかわからない、というスポリートアンバサダーのよっし~さんが、トレイルランニングの専門店「Trippers」を訪れ、店長の朝長さんにトレイルランニングの基本やそれに必要な道具について教えてもらいました!前回に続き、よっし~さんがトレイルランニング...
トレランデビューするなら、高尾山でしょ!
高尾山は低山ハイキングのメッカだけあって、登山道がきちんと整備され、給水ポイントも豊富。もしもの体調不良時も、ケーブルカーでエスケープ可能だから安心。トレイルランニングデビューにうってつけの山です。
8月某日、AM7時半に京王線「高尾山口駅」改札前に集合。高尾山はお手軽な山というだけあって、日中は登山道が非常に混雑します。そこで、今回は朝一にスタートし、午前中に走破するプランで臨むことに。登山客のジャマにならない時間帯を選ぶことも、トレイルランナーとして意識しておきたいこと。この日の最高気温は35℃。めちゃくちゃ晴れました。真夏のこの時期はやはり、涼しい時間帯に走るのがベターですね。
まずは駅前で装備の確認。これまでのレクチャーを踏まえ、よっし~さんの装備はバッチリです。トレランシューズ、超軽量のバックパック、パックパックに携帯する給水ボトル。ふだんトラックやロードを走っているだけあって、体力面も充実。とはいえやはり、トレラン初挑戦ということで、ちょっぴり緊張気味の様子。
朝長さんが選んだルートはこちら。
清滝駅(ケーブルカーの山麓駅)をスタート → 南側の尾根道を登り高尾山へ(稲荷山コース) → お茶屋さんのある小仏城山へ(かき氷タイム!) → 高尾山に戻り、沢沿いを下山(6号路) →清滝駅でゴール
距離にして約15キロ、標高差約400メートル。これが大変なのか易しいのかイマイチわかりませんが(笑)、ともかく入門編とのこと。城山名物の山盛りのかき氷、楽しみです!
上り坂は走らない。というより、走るなんてムリ(笑)
スタートして間もなく、「うそでしょ!?」というような長い急坂が。もちろん、我々は走ったりしません。今回の企画はあくまで入門編なので。「上り坂では歩き、下り坂では走る」というのが基本方針。とはいえ、歩いて登るだけでも太ももがパンパンになるような急坂。初心者の方にはなかなかしんどいはず。でも、よっし~さんは涼しい顔で軽々と登っていきます。以前、「上り坂は苦手で…」と言っていたのは謙遜だったんだとよくわかりました(笑)。
この稲荷山コース、時折こんな下り坂や平坦な道も現れます。待ちに待ったランニングの時間!と、ここで、朝長さんからワンポイントアドバイスが。「こういうなんでもない道が、実は危ないんです。緊張感を解いたときに、つまづいたり転んだりしやすいので」とのこと。なるほど、気をつけます!
スタートしてからちょうど1時間。高尾山の頂上に到着です!気温は30℃くらいでしょうか。さすがに朝長さんもよっし~さんも汗だくです。
耐久レース的な側面の強いトレイルランニングでは、こまめな水分補給が鍵になります。その点、高尾山の頂上には売店もトイレもあるので、トレイルランナーにとっては使い勝手がとてもいいんです。ルートにもよりますが、たとえば他の山なら多いときはドリンクを2~3リットル持って行くところ、高尾山なら1リットルで済むというような具合です。
炎天下、上り坂、吹き出す汗。すべては、かき氷のため…!
高尾山からさらに登り、30~40分ほどで小仏城山に到着。標高670メートル。残念ながらこの日は空が霞んでいましたが、ここは本来とても展望がいいポイント。東京の街並みを眼下に見渡せるそうです。
山頂にある城山茶屋で、名物のかき氷を注文。この炎天下、死ぬほど汗をかいた後だけに格別です!ご覧ください。ボリュームたっぷりですが、このサイズで「小」なんです。ちなみに「大」はというと「小」の2~3倍。これを頼むだけで、周りの方から「おお~」「マジ!?」「えっ、ヤバくない!?」という歓声が上がるので、ぜひ一度お試しください(笑)。
完食!楽しいひと時でした。よっし~さん、白かった歯がすっかりラムネ色に染まっていますよ(笑)。
この疾走感!トレランの醍醐味は、「下り坂」にあり。
いよいよ下山です。高尾山を経由してひたすら下っていきます。一般に、登山においては頂上がクライマックスで、下りは消化試合のようなもの(ちょっと言い過ぎ…?)。でもトレランでは、下りこそがクライマックスなのです。
朝長さんからのアドバイスは以下の通り。
「ロードではかかとから着地しますが、山の不安定な下り坂では足裏全体で着地するように。そうすると地面との摩擦抵抗が大きくなるので、滑りにくいんです。それと、小刻みにステップを刻んでください。大股だと転びやすく、膝への負担も大きく疲れやすいので。」
「トレランは、下りがおもしろいんですよ」と目を輝かせていた朝長さん。だんだんとスピードアップしていきます。よっし~さんもぴったりついていきます。
この疾走感!2人とも速すぎて、見失いそうです。くねくねと右に左に曲がる細い登山道を、駆け下ります。枝や葉っぱが眼の前に迫ってくるわ、木の根っこでつまづきそうになるわで、もう大変!矢継ぎ早に現れる障害物を一つ一つ処理するのにかなり集中力を使います。でもそれが楽しい!野生に帰る感じ(?)です。山に生息するタヌキや猪も、きっとこんな視界なのでしょう。
沢沿いの滑りやすい道。安全優先で、登山客のジャマにならないよう減速。狭い場所では立ち止まり、脇に寄る。すれ違うときには「こんにちは~」と声を掛け合う。挨拶せずに走り抜けていくトレイルランナーに対して、いい気持ちをもたない登山客の方だっています。山の常識に沿った行動がとても大切なんです。
登山客にとっては、ものすごいスピードで迫ってくるトレイルランナーは怖いもの。ロードで走るときと同じ感覚ではダメなんだと再認識しました。追い越し、すれ違い時は歩きましょう。
AM11時半、山麓に到着!早朝から動いて正解でした。11時過ぎくらいから登山道が混雑し、走るどころではなくなってきたので。空いている時間帯を選ぶことで周りに迷惑をかけず、気持ちよく走ることができました。
エキスパートの朝長さんはともかく、この日がトレランデビューのよっし~さんも元気いっぱい。さすがです、恐れ入りました!!トラックやロードでふだんから鍛えている人は、山でもタフなんですね。
「初めての挑戦でしたけど、思っていた以上におもしろかったです。やっぱり下りがすごく楽しい!今度はもっと長時間、駆け下りたいですね。」爽やかな笑顔でそう語ったよっし~さん。次回はどんなチャレンジを見せてくれるのでしょう。我々編集部も楽しみです!
取材協力
Trippers(トリッパーズ)
東京都立川市柴崎町3-1-1昴ビル6F
最寄り駅:JR立川駅より徒歩3分
TEL:042-808-9500
https://trippers-wtrc.com/