〜あのランクラブの原点:リスタートランニングクラブ〜「ケガをせず、ラクに楽しくランニングを続けてもらうために」

特集 あのランクラブの原点

ランニング人口の増加にともない今では数多くのランニングクラブが設立されています。そうしたランニングクラブの代表や主要メンバーを訪ね、設立の経緯やこれまでの歩みについて伺っていく本シリーズ。今回フォーカスするのは「リスタートランニングクラブ」。2007年設立のクラブで、代々木公園や東京多摩地域、埼玉県などで練習会を開催しています。今に至るまでのストーリーと、これからについて伺ってきました。

今回お話を聞かせてくださったのは、石川哲行代表と片岡純子ヘッドコーチのご夫妻です。

石川哲行代表と片岡純子ヘッドコーチ

右:石川さん。名門校・作新学院で甲子園を目指し野球をプレーした経験を持つ。社会人になってからランニングを始め、数々のレースに出場。

リスタートランニングクラブ

ランニング初心者から、競技としてランニングに取り組むアスリートまで、個々の目的や目標を経験豊富なコーチ陣がサポートする会員制ランニングクラブ。ランニングを通じて人とつながる、ココロを磨ける、新しい自分に出会える、そんなことを感じられるクラブを目指す。活動拠点は神宮外苑、代々木公園、東京多摩地区、埼玉、横浜など。
http://jrestart.jp/

30代で一念発起しランニングクラブを立ち上げ

練習風景 ウォーミングアップ

──リスタートランニングクラブ設立の経緯を教えてください!

片岡さん: 私が競技を引退してから1年ほどたったころ、運動不足が気になるようになり、再び走るようになって。現役時代から走ることは好きでしたが、改めて走ってみたら楽しくて、毎日仕事から帰って走るのが楽しみになっていきました。
そのうち練習会にも参加するようになり、練習を重ねたらどんどん走れるようになると、さらに楽しくなっていって……。でも、急に走るのを再開したせいか、ケガをしてしまったんです。それで、やっぱりケガをしないで楽しく続けることが何よりも大事だと改めて感じました。

石川さん: 妻は競技を引退してからそのまま3年ほど一般社員としてみずほ銀行で働いていたのですが、また走れるようになってきたことで、自分の力を活かせることをやりたいといった思いが強くなっていったみたいで。私自身も、学生時代は甲子園を目指して野球を頑張った経験があったり、社会人になってから走るようにもなって、スポーツに関わる仕事をしたいという思いを持っていたんです。

片岡さん: それが30代半ばのころで、新しいことにチャレンジするなら今が最後のチャンスかもしれないと、思い切って二人とも仕事を辞めて、パーソナルトレーナーの勉強をするために学校に通いました。そうしている間に、やっぱり一番得意な走ることを活かして、ランニングクラブをやろうということになったんです。

第一回東京マラソン開催年と同じ2007年に発足

指導風景 石川哲行代表

──クラブ立ち上げの際、まずどんなことをしましたか?

石川さん: 知り合いの元実業団ランナーたちに声をかけました。トップ選手は、引退してそのまま走ることすら辞めてしまう人が多かったのですが、その中でも妻のように走り続けていた人たちに、協力をお願いしたんです。

片岡さん: その人たちも、今までの経験を伝えることだったらできるよ、という感じでコーチとして協力してくれることになって。それで、すぐに「株式会社RESTART」として会社化しました。

指導風景 片岡純子ヘッドコーチ

石川さん: なぜ会社にしたかというと、やっぱり将来的にいろいろな企業さんとの契約もさせてもらえるようになったとき、会社であるほうがいろいろスムーズなこともあるかもしれない、と思ったからです。実際に、依頼をうけてランニング教室を開催するときなど、会社であることによってお話がスムーズに進んだことがあり、最初に会社化しておいてよかったと感じています。

片岡さん: あとは、ホームページも作りましたね。当時はSNSもほぼなかったので。文言をひとつひとつ考えるところから創り上げました。

──設立は2007年とのことで、ちょうど第一回東京マラソンと同じ年ですね。

片岡さん: そうなんです。狙ったわけではなく、偶然いいタイミングになって。東京マラソンをきっかけに走り始めた人だったり、大会を目指すようになったという人が多いので、ちょうど興味を持って参加してくれる人もいました。

石川さん: でも、最初はやっぱり二人でマラソン大会に出向いて、チラシを手配りして地道に参加者を集めていました。

動き作りの時間を惜しまない練習メニュー

練習風景 本練習

──普段の練習メニューはどのように決めているのですか?

石川さん: だいたい1ヶ月ごとに流れを組んでいるのと、マラソンシーズンには参加者の多い大会に向けて、スピード練や走り込みを時期ごとに分けて組んでいます。

片岡さん: トラックを使える日は、スピード練習をメインでやるようにしています。それと、一番大切にしているのは動き作りですね。やっぱり、故障せずに長く楽しく走り続けるには、身体をしっかりと作って走ってもらいたいので。毎回、ウォーミングアップのあとは動き作りのトレーニングの時間をたっぷりとるようにしています。当初は「もっと走りたい」という声もあったりしましたが、続けていると良さを感じてもらえるみたいで、今ではみなさんしっかりとやってくれています。

練習風景 動き作り

石川さん: リスタートを立ち上げたときはランニングクラブもまだ少なかったのですが、今はいろいろな教室なども増えてきているので、できるだけ人がやらないようなことを考えるのですが……このあたりは少し大変なところでもあります。でも、うちがやったことをほかのクラブさんも取り入れていたりするのを見て、「良さを実感してもらえたからみんな取り入れているんだろうな」と前向きに捉えるようにもしています。

片岡さん: 私たちがやってきたことが間違っていないからこそ、みなさんも取り入れてくれていると思うので。練習方法がそうやって広がっていくのは、すごく良いことだとも思っています。

飽きない雰囲気作りで、楽に楽しくランニングを続けられるように

練習風景 動き作り2

──今後、どんなクラブにしていきたいですか?

石川さん: やっぱり、私たちはケガをせずに「楽に楽しく」ランニングを続けてもらいたいと思っているので、初心者の方にもさらに参加してもらいたいですね。

片岡さん: リスタートを設立してもう10年以上経つので、参加者のみなさんはどんどん走れるようになっています。だからこそ、初心者の方から「ついていけるか不安」という声を聞くこともあるのですが、参加者のほとんどがもともとは初心者です。ランニングを始めたばかりの人を、私たちがサポートしていけたらと思っています。

石川さん: 今後も、来てくれた人みんなに声をかけながら、飽きない雰囲気作りも大切にしていきたいですね。

片岡さん: 走ることは同じことの繰り返しなので、「また同じメニューか」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、それを続けることで力がついていきます。そこで私たちが、飽きずに続けられる工夫をしていくことで、走り始めたばかりの人にも、何年も走っている人にも、目標を持ってランニングを続けていってもらえるようにしていきたいなと考えています。