市民ランナーにとっていいことづくめ!体幹強化がケガ予防やパフォーマンスアップにつながるピラティスを体験しました!

ケア・ラントレ ランニングとピラティス

ピラティスというと、市民ランナーのみなさんはどんなイメージを持っているでしょうか。ヨガの親戚?それともエクササイズの一種?などなど、意外とわかっていないのがピラティスかもしれません。ピラティスは多くのアスリートが怪我予防やパフォーマンスアップにも取り入れているエクササイズ。それならランナーにもいい効果があるはず!とスポリートアンバサダーの冨岡さんが、「ゼンプレイス ピラティス」で体験レッスンを受けてきました。

ピラティスって一体どんなもの?

ピラティスは1920年に、ドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が提唱して生まれたエクササイズ・メソッドです。器具を使うマシンピラティスと、マットの上で行うマットピラティスがあり、背骨やインナーマッスルを動かすエクササイズを行います。呼吸で集中を深め、脳神経系にもアプローチしながら身体も心も整えていくのだそう。呼吸を重視し、身体に意識を向ける点などでヨガにも通じるところがありますが、静止が多いヨガと違い、身体を動かしながら行います。体幹を強化して姿勢を整え、身体をコントロールすることで怪我予防につなげ、正しく身体を動かすことでパフォーマンスアップにもつながるので、トレーニングに取り入れているアスリートも多数います。いくつかの流派があり、強度ややり方も違っています。今回はBASIという流派のスタジオで体験を行いました。

教えてくれたのはインストラクターのMUSASHIさん。まず骨格標本を使ってピラティスをどういう意図で行うか説明してくれました。体験する冨岡さんは中距離出身者で、最近はスポリートのサブ4企画にチャレンジ中。走っているうちに肩が上がってこわばるのが気になっています。また、シンスプリントの症状も少し前に出ていたとのこと。ピラティスはマシンなら1対1が基本で、その人の状態に合わせたメニューを実施します。冨岡さんの症状を緩和することも意識しつつ、体験がスタートしました。

MUSASHI :  ピラティスは背骨をニュートラルにすることが重要で、それがスポーツでもパフォーマンスを上げるのに最短の手段だと考えています。背骨はS字カーブを描いていますが、人によって頭が前に出ていたり、腰が反ったりしていると、うまく身体を使えません。冨岡さんは肩が気になるということなので、今日の体験では背骨中心に立てているかを意識して、姿勢を良くするような動きを体験してもらおうと思います。

骨格模型を用いて説明

①ウォームアップで骨盤の正しい位置を確認

最初はウォームアップ。鏡の前に立ち、現状の姿勢を確認します。目を閉じ、鼻から息を吸い、口からゆっくり吐き出し、身体を前に倒したりしながらバランスを確認します。すべてのメニューは深い呼吸をしながら行っていきますが、ピラティスには欠かせないものです。

立ち姿だけでもプロの目にはバランスの問題点がわかる

立ち姿だけでもプロの目にはバランスの問題点がわかる。

鏡を見ながら自分でも姿勢を確認

鏡を見ながら自分でも姿勢を確認。

骨盤がどこにあるか、すべての動きで意識

骨盤がどこにあるか、すべての動きで意識。

鏡の次はマットに寝転び、ピラティスの基本姿勢である、足を90°に折り曲げるテーブルトップポジションや、軽い腹筋姿勢などを繰り返します。骨盤がどこに向いているか、骨盤の位置を理解することを意識しながら動かします。

MUSASHI :  ニュートラルな位置に骨盤がないと背骨が正しい位置に来ません。背骨は椎骨という骨がつらなっていますが、それが一つ一ついろんな方向に動くのが理想。人によって動かなかったり、動きすぎたりするので、全体をいいバランスで動かすための基本動作を最初に行います。

最初の一連のウォームアップで、冨岡さんは腹筋が少し弱め。そのために身体が反りがちという診断になりました。

②足の正しいアライメントを学ぶ

ウォームアップが終わるといよいよ、マシンを使ったピラティスを行っていきます。最初に使ったのは「リフォーマー」と呼ばれるマシン。このマシンでさまざまな動きを行うことによって体幹や身体の筋肉等を鍛え、またその名の通り、身体をリフォームします。リフォーマーでのピラティスは特に体幹の強化におすすめ。マシンピラティスは動作の軌道が器具で固定され、ブレずに行えるのがメリットです。

リフォーマーはシート状になっている部分がスライドするようになっています。ここに乗っていろんな動作をしていきますが、裏側にある5本のスプリングで体力や体格に合わせ、強度を調整することができます。

ピラティスのマシン リフォーマー

リフォーマー。ピラティスのマシンは何種類かあり、一台でいろいろなエクササイズを行うことができる。

シートの下には5本のスプリング

スライドするシートの下には5本のスプリングがあり、これを何本引っ掛けるかで強度が変わってくる。

アライメント(関節の歪み)を意識したフットワークのエクササイズ

まずはアライメント(関節の歪み)を意識したフットワークのエクササイズ。寝転がることで負荷が少ない状態で身体を動かし、正しい足の位置をコントロールしやすくなります。寝姿勢で骨盤がまっすぐになっているかなど、バランスを細かくチェックしてからスタート。

アライメント(関節の歪み)を意識したフットワークのエクササイズ

端にあるバーに足を置き、つま先やかかとを置いて足踏みを行う動作などを繰り返します。足を動かす中でつま先が外に向いている、膝がどちらに開いている、などと、随時指摘が入っていました。

インストラクターは足元、頭の方など四方からバランスを確認

インストラクターは足元、頭の方など四方からバランスを確認。

③腹筋と背筋を鍛えるための正しい姿勢を学ぶ

腹筋と背筋を鍛えるための姿勢

次にリフォーマーの上に台を置いて座り、腹筋と背筋を鍛えるための姿勢を取っていきます。 “前にならえ”の姿勢で深く呼吸をしながら背中を丸め、またまっすぐに戻す動きを行います。まっすぐになったときに胸が反っていたりすると腹筋を意識し、姿勢を正します。首や肩の傾きなど、見た目にはほとんど分からない細かな部分ですが、わずかな歪みもMUSASHIさんは見逃しません。プロのインストラクターの目はさすが!

腹筋と背筋を鍛えるための姿勢

別の姿勢では手を頭の前に置き、斜めの状態でストップすることも。腹筋が弱めの冨岡さんには随時反った腰を戻すように指示が入りますが、きつそう〜。

④腕回りのエクササイズ

腕回りのエクササイズ

足はテーブルトップの姿勢で手を伸ばす。

腕回りのエクササイズ

肘を下につけ、脇をしっかり締めて手をのばす。この他、横に手を広げる動きなどもある。

次に腕回りのエクササイズを行います。リフォーマーに仰向けになり、ループと呼ばれる紐を手に引っ掛け、シートを引っ張るように手を伸ばしていきます。ここでも片方の肩が上がるなど、筋力が弱い部分があるとバランスが崩れるので注意が必要です。

⑤足回りのエクササイズ

足回りのエクササイズ 足回りのエクササイズ

起き上がり、膝をついてマシンを押してシート部分をスライドさせていき、戻す動作を繰り返します。膝をついている方の足で押すのではなく、反対側の膝を伸ばすことでマシンを押します。

足回りのエクササイズ

骨盤を意識し、身体や頭が前に斃れないように随時修正。

足回りのエクササイズ 太もものエクササイズ

太もものエクササイズとして大の字で立ち、足を開いて閉じる動作を繰り返します。開くのは簡単ですが、足を戻すときに内ももに負担がかかるのがキツイ!しかもいい姿勢で立てていないと正しく筋肉に働きません。骨盤をニュートラルに、またバランスを意識しながら開いて閉じる動作を繰り返します。これが一番キツそうでした。

⑥腹斜筋のエクササイズ

腹斜筋のエクササイズ

ワンダーチェアというマシンに移動し、今度は背骨を横に曲げ、腹斜筋を伸ばします。一連の動きをしていく中で、背骨が自由に動くようになっていくのが理想です。ワンダーチェアはその名前の通り、座って行うエクササイズもあります。

⑦肩周りのエクササイズ

肩周りのエクササイズ

トラピーズテーブル(通称キャデラック)では、うつ伏せになって手が反対を向くようにバーを握り、肩周りをストレッチします。

肩周りのエクササイズ

ワンダーチェアで再び肩の筋肉を意識しながらバーを押し下げる動作を行います。

肩周りのエクササイズ

再びキャデラックに戻り、バーを握って上体を倒したり起こしたりを繰り返します。背骨を一つ一つ下につけて身体を倒していき、身体を戻すときは一つ一つ戻すことを意識します。

⑧最後に身体のバランスを再び確認

以上で約60分が経過し、体験終了となりました。レッスン前同様、最後に鏡の前で身体のバランスを確認します。ピラティスを行ったことによって、体験前に比べて腰の反りがなくなり、自然ときれいな姿勢で立てています。ピラティス効果、すごい!

レッスン前後 身体のバランス

冨岡 :  最初は背骨をカクカクとしか動かせなかったけれど、一つ一つ意識するということがだんだんつかめてきたのと、やってみると自分でも驚くほど腹筋が使えていないこともわかりました。あとは自分では身体をまっすぐにしているつもりでも、違っていました。第三者が見るからこそわかることですね。

MUSASHI :  一連の動きを見ていると、身体を丸める動きに苦手さが見え、腹筋に少し弱点がありました。でも腹筋を使うように意識してもらうと、姿勢もきれいに立てていたと思います。腹筋も背筋もどちらも同じように動いた方がいいし、可動域も広がるので、そこは常に意識してもらいたいです。気になっていた肩回りも正しい姿勢を意識し、コントロールして走れば違和感は減ってくるはずです。
また、足は曲げると癖が出ます。走るとき、疲れてきたときに今日やったことを思い出してアライメントを意識していただくと、痛みの緩和につながります。ぜひ今日の体験を活かしてください。

市民ランナーがピラティスを行うとどんな風に良いの?

最後に、ランナーがピラティスを取り入れるとどんないい影響があるのかを聞いてみました。

MUSASHI :  ピラティスを身体のコントロールやリハビリ目的に取り入れているアスリートはたくさんいます。競技の中でもランナーは、ピラティスを行っている人が多いと感じますね。腰や膝を痛めやすい競技でもあるので、身体の使い方の見直しも含め、リハビリ的に行っています。
ピラティスは体幹を強化し、背骨をニュートラルにして身体をコントロールしやすくします。アスリートは正しいアライメントにすることで、膝や腰の負担を減らせることもメリットだと思います。自分の身体を頭と身体でコントロールすることができれば、動きの良くない部分を修正でき、また良い部分は再現しやすくなります。それが市民ランナーにとってもいいパフォーマンスへとつながると思います。正しい姿勢で身体を支えるのは実は結構難しいんですが、ピラティスでぜひそれを学んで、ご自身のランのパフォーマンスアップに活かしていただきたいと思います。

理想なら毎日でもやるといいというピラティス。ゼンプレイス ピラティスでは体験レッスンも行っているので、気になった市民ランナーはぜひ挑戦してみてください!

なお、今回は個人での体験となりましたが、体験レッスンは通常グループで行います。また、入会すると個人レッスンやグループレッスンなど、さまざまなレッスンを受けることができます。

教えてくれた人

MUSASHIさん
インストラクター歴は7年。野球経験者で、最近はマラソンにも挑戦。怪我で悩んでいたとき、ピラティスで正しい姿勢を意識し、筋肉バランスを整えることで痛みが緩和した経験がある。

ゼンプレイス ピラティス紹介

zen place pilates(ゼンプレイス ピラティス)
ゼンプレイス ピラティスでは全国に80ヶ所以上のスタジオを展開しています。腰痛や肩こりの軽減、ボディメイクや姿勢改善、スポーツのパフォーマンス強化など、さまざまな目的のレッスンを受けることができます。まずは体験レッスンでピラティスの魅力に触れてみてください。
http://www.zenplace.co.jp/pilates

プロフィール

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