疲れない走り方と着地点を考える
少し走っただけで疲れてしまう。もっと楽に長く走れる方法はないのかなと思うこと、ありますよね。その疲れの原因はランニングの着地のしかたにあるのかもしれません。この記事では長く楽に走るには、どのような着地が良いのかについてご紹介します。
せっかくランニングを始めたのに、走るとすぐ膝が痛くなる。いつかはマラソン大会に出てみたいけれど、すぐに疲れて距離が伸びない。このような悩みをお持ちの方はいませんか。今のフォームや着地のしかたを改善できれば、そんな悩みが解決するかもしれません。
疲れにくい走り方とは
ランニングは、ジャンプしては落ちる動きを繰り返します。着地する時に膝にかかる衝撃は体重の3から4倍と言われていますが、この衝撃をできる限り減らすような着地のしかたをすることが、筋肉や関節への負担を減らし、楽に、長く走るコツになります。
着地点は重心の真下に
走っている最中に、片方の足にぐっと力が入った状態の時に、体の重心と着地点が一直線になっている状態が、一番足への衝撃が少ない走り方と言われています。着地点が重心と一直線になっているということは、体重と着地の衝撃を足全体でしっかり受け止めることができているからです。また重心の真下に着地すれば、足が地面に着いている時間が最も短くなり、筋肉や関節への負担が軽減されます。一方、重心より前に着地した場合では、前に進むために、ふくらはぎや太ももの力が必要なので、足により多くの負担を強いることになってしまいます。そのせいで着地点が重心より前になると、疲れやすくなり、筋力のあまりない方では、けがや膝を傷める原因になることがあるのです。さらに重心より前で着地すると、着地をして足を蹴り出すまでの時間が長くなるので、筋肉や関節の負担も大きくなってしまいます。つまり楽に長く走るには、体の重心と着地点が一本のラインになるようなランニングフォームが大切なのです。
衝撃は足全体で受け止める
次に足のどこで着地をすれば、衝撃が少なく疲れにくいのでしょう。かかとで着地をすると、強い衝撃を受け止めるために、膝に大きな負担がかかり、ふくらはぎの力をたくさん使わなければなりません。そのため、かかとで着地すると、けがをする確率が上がると言われています。逆につま先で着地をすると、無駄な動きが少ない一方、足首に負担がかかってしまう恐れがあると言われています。それに比べ、足の裏全体で着地をすると、重心の真下で着地しやすくなるので、膝やふくらはぎ、足首などへの衝撃が軽減され、エネルギーを温存する走りにも繋がります。ただし、足を地面に着ける時に、膝が伸びていると衝撃を十分に和らげることが難しくなります。踏み出す足はピンと伸ばし過ぎないよう気をつけて走りましょう。
上半身の姿勢の維持が不可欠
重心の真下に着地し、衝撃を足の裏全体で受け止める走り方をするには、上半身を正しい姿勢に保つ体幹の強さが必要です。体幹が弱いと、あごが前に出たり、腰が引けたりしがちだからです。そうなると走っている時に上半身が上下に動き、フォームが崩れ、結果的にかかとから着地する形になってしまいます。走っている時に上半身が固定できず、ぐらぐらしてしまう方は、ぜひ上半身の筋肉を鍛える体幹トレーニングを取り入れましょう。また良いフォームの維持には、走る時にしっかりと腕を振ることも大切です。重心と着地点、足裏全体での着地、上半身の姿勢、腕のふり、ぜひこれらを意識して疲れにくい走りを目指しましょう。