アンバサダーリポート「『ITJ 伊豆トレイルジャーニー』70kmの部に参加してきました」
12月12日、ITJ 伊豆トレイルジャーニー2021、70kmの部に初めて参加してきました。こちらのITJ、一般枠で1200名の定員、ふるさと納税枠で200名、計1400名の定員と、参加人数が多い事もさることながら、大変人気の高い大会で定員に対して応募数が勝り、参加資格は抽選となっています。今回は、その抽選の0次関門を突破しての初参加となりました。
初参加の伊豆トレイルジャーニー
いきなり結果ですが、8時間40分。順位はジャスト100位でした。100位以内に限って、速報としてネットのリーダーボードに名前とタイムが出るので、まだまだ力不足ですが多くの有名選手、招待選手が出場する中でリーダーボードに名前が載ったのは素直に嬉しかったです。
宿泊先の確保から競走開始!?
今回は、ラン友さんでITJの経験豊富な2人と私の計3人で参加しました。私は初参加でしたが、ここまで前日の受付と移動が複雑困難だとは知りませんでした。とにかく宿泊先を抑える事から競走が始まると思った方がよさそうです。結果的に雲見の旅館に宿泊して、旅館は凄く良かったのですが、朝6時のスタートに対してバスの出発が朝4時。20分で着くので、スタート地点の松崎新港、いわゆるだだっ広い漁港で1時間40分間、風に吹かれながら凍えて立って待つ事になります。
受付は三島の駅前になります。車で行ったので、まずこの三島まで行き、受付を済ませた後にゴール地点の修善寺に自動車を置きに行きます。ゴール地点の修善寺に車を置いたら、バスで出発地点の松崎新港近くの雲見温泉まで移動します。走って70kmの距離ですからそれは遠いです。結局朝の9時に自宅を出て、旅館に着いたのが18時30分頃でした。約10時間かかりました。
翌朝、旅館さんが用意してくれた握り飯を3つ食べてお腹いっぱい。朝4時のバスに乗って松崎新港まで移動します。早く着いて良いのはトイレが空いてる事だけ。今年は例年になくかなり暖かいと言う事ですが、それでも吹きっさらしのこの場所で何もする事が無く長時間待つのは大変です。よって松崎新港近くのホテルを抑えるのが良いかと思います。
スタートゲイトは、闇夜に白くボワっと光って幻想的です。今回はNHKのグレートレースの取材が入っていたので有名選手が多数参加していた様子です。NHKの撮影に関しましては、私が第一エイドで桜葉餅をほうばっておりますと、ちっちゃい小型のアクションカムで、誰かが私を撮影していて、なんでおじさんが桜葉もちを食べるのを撮影してんだ!?物好きもいるもんだな。と思っていたら、NHKの撮影ですと言われてビックリ。撮影はアクションカムなんですね。「美味しいですか?」と聞かれました。とっさの質問で、気の利いた返答ができなかったんですけど、まずカットで採用にはならないと思います。
絶景コース!
コースに関しては、今更私が説明するようなものでもなく、とても有名なコースなので皆さんよくご存知かと思いますが、初参加で良く解らないので、序盤に恐ろしく飛ばしてしまった事が失敗点でした。仮に来年も出るとしたらやはり同じ事を繰り返すのでしょうけど、第二チェックポイントの八瀬峠までは優位なポジションを確保する為にも、舗装路林道含め、ある程度飛ばしてしまうのは「しかたがない事」だと思います。なのでそれは良いとして、いけなかったのが、その第二チェックポイントの八瀬峠からの下りと、第三チェックポイントの諸坪峠からこがね橋エイドまでの下り、その2つの下りをすっ飛ばして周りと競走してしまった事。それぞれ平均ペースで4分台/1kmで走り、特に第二チェックポイントの八瀬峠からの下りでは、キロ4分12秒のペース、心拍数は200近くまで上がっています。これは、完全に回りの超スーパー速い人達の雰囲気にのみ込まれてしまった結果でした。自分は自分なのに、大失敗でした。
こがね橋の第一エイドを過ぎると、再び激しい登りが始まりまして、600mぐらい登るのかな?それを登り切ると、これまでとは雰囲気が一転して、開けた稜線を走る時間帯が多くなります。眼下に駿河湾が見えて、顔を上げれば真正面に雄大な富士山がそびえたつような、それはそれは大変素晴らしい景色を見る事ができます。ここまで景色の良いトレイルランニング大会には、出た事がありません。この景色を見るだけでも参加する価値のある大会だと思いました。
このように素晴らしい稜線なのですが、何故か最後は登って終わるわけです。なので、「美しい景色」と「最後に登って終わる」が1つのセットになっていて、遥か彼方、向こうの方で先を進むちっちゃい姿のランナーが必死に坂を上る姿が見えてしまって、純粋にその美しい景色を楽しめない苦しみのようなものがありました。それと舗装路をダラダラと登り続ける箇所がけっこう多いかな。走ろうと思えば走れると言う微妙な傾斜なので、ここでは精神力と忍耐力が試されました。
稜線伝いはとんでもない冷たい突風が吹き荒れると、さんざん脅かされましたが「本当でした」。私も飛ばされました。飛ばされて、もう少しでガケを転げ落ちるところでした。本当に強い風でした。しかし、例年も西風らしく、第三エイドを過ぎると西に向かって走るので、背中から風を受ける感じで、登り坂の時はフォローウインドで助かりました。あれがアゲンストの風だったら想像しただけで恐ろしいです。
気になるエイドは...
エイドの食べ物に関しましては、自慢ではありませんが、桜葉もち、バナナ、うどん、しし鍋、おかわり含めて全部食べました。エナジージェル、エナジーバー、コーラ、全て頂きました(笑)。エイドの食糧がかなり充実していたので、ジェルを6つ、わらびもちを2つ携行しましたが、最後まで残っていました。最後のエイドで水を補充していると、メダリストの粉を入れますか?と聞かれ、メダリストの粉を入れたのですが、これが一番効果があったかな?あの酸味ですごく気分が良くなりました。
もともと600mlのソフトフラスコを満タンで2本持っていきましたが、それぞれのエイドで600mlを補充して、最後に飲み切ったので、70kmで3Lの水を飲みました。第一エイドまでに1200mlで水が足りるか不安でしたが、意外と足りました。他にコーラの小さい缶を3本飲みました。アドバイスとしては、エイドには居座る気なら、有り余る食糧があるので、携行するのは必要最低限のエナジージェルぐらいで良いと思います。
寒さ対策に関して
寒さ対策に関しましては、今年が異常に暖かかったらしいですが、それでも止まると寒いですし、日が暮れたらもっと寒くなると思いますので、最後の方は歩いてしまう方は中綿のジャケットを持った方が良いと思いました。日が暮れる前に、ほぼ走り通す方は、中綿入りのジャケットまでは使用しないので、防風用のジャケットで良いと思いました。私は結局スタート10分前にリュックにしまった後は、ジャケットを着る事はありませんでした。私の周りの方も、あまりジャケットを着ている人はいませんでした。
まとめ
ゴール後は、修善寺温泉の温泉につかり、冷え切った身体を芯から温めて極楽でした。全国的にも有名な70kmのロングトレイル大会にも関わらず、2021年は91.2%と完走率が高いのが特徴です。しかし、何と言っても眼下に広がる駿河湾、そして正面に立つ雄大な富士山を見ながら視界をさえぎるものが無い稜線を走れると言うのは、他で体験する事ができない、生涯最高の思い出の1つになる事は間違いありません。是非おすすめしたい大会です。また、全体の構成の中で、険しくて危険なトレイルが極めて少ないので、ロードランナーの参加率が高いのも特徴です。