ランニングとジョギングは速度が違う!初心者におすすめの時速をプロが解説

ケア・ラントレ

ランニングを始めたばかりの人はどのくらいの速度で走ったらよいのかわからず、ついついオーバーペースになりがち。では、初心者ランナーにちょうどよい速度はどのくらいなのか?また、ランニングとジョギングではどのくらい速度が違うのか?ランニングコーチが解説します!

ランニングとジョギング 5つの違い

ランニングとジョギング、一番の違いは走る速度です。ほかにも、心拍数や消費カロリーなどにも違いがあります。

  • 速度(時速)
  • 心拍数
  • 目的
  • 消費カロリー
  • 身体への負担

違いを1つ1つ解説していきます!

速度(時速)

ランニングとジョギングの一番の違いは走る速度です。
国立健康・栄養研究所によって示されているMETs表によると、ジョギングは時速6.4km未満、ランニングはそれ以上のスピードが目安とされています。

時速6.4kmとは、1kmを9分22秒で走る速度。これからジョギングを始めるという人は、1kmを9分〜9分30秒程度で走る速度を1つの目安にするのがおすすめです。

また体感として、1kmを9分〜9分30秒で走る速度(時速6.4km)は「おしゃべりしながら苦しくなく走れる」程度のスピードです。

心拍数

心拍数とは、心臓が1分間に動く回数のことで、運動強度の指標の1つになります。

低い心拍数で行う強度の低い運動がジョギング。脂肪燃焼を促進させる有酸素運動として、ダイエットにも最適。最大心拍数の40〜60%を目安にしましょう。

反対に、心拍数をあげてトレーニングとして走るのがランニングです。最大心拍数の60〜80%が目安となります。最大心拍数の80%以上で行うと無酸素運動となり、かなりハードなトレーニングに!

なお、最大心拍数は「220-年齢」で求めることができます。
運動時の目安となる目標心拍数は「(最大心拍数-安静時心拍数)×目標係数+安静時心拍数」で算出が可能!
※安静時心拍数:安静時に測定した1分間の拍動回数

年齢40歳、安静時心拍数70の人を参考に例をあげてみると...

<ジョギング(40~60%)時の目標心拍数>
220-40=180 (180-70)×0.4~0.6+70=114〜136

<ランニング(60~80%)時の目標心拍数>
220-40=180 (180-70)×0.6~0.8+70=136〜158

目的

走る目的も、ジョギングとランニングの違いの1つ。

ジョギングはゆっくりの速度で、低い心拍数で行います。脂肪燃焼を促進させる有酸素運動として最適なため、ダイエットや健康増進を目的として行う運動としておすすめです。

反対に、「トレーニング」として位置付けられることが多いランニング。大会出場やタイム向上、身体つくりが目標なら、ランニングに取り組むことが必須です。

消費カロリー

消費カロリーは、以下の式で求めることができます。
「エネルギー消費量(kcal)=運動強度(メッツ)×運動時間(h)×体重(kg)×1.05」

METs表によると、ジョギングの運動強度は6メッツです。ランニングの運動強度は走る速度にもよりますが、6メッツ以上になります。
同じ時間走った場合、必然的にメッツ値の高いランニングの方が、ジョギングよりも消費カロリーが多くなります

身体への負担

身体への負担は運動強度に比例します。そのため、ランニングの方が、ジョギングよりも身体への負担が大きくなります

ジョギングは速度がゆっくりで心拍数も低いため、身体への負担は小さくなります。地面を蹴る力や腕を振る力も小さいですね。

対してランニングはスピードが速く、心拍数も高くなります。走っている時に地面から受ける反発も大きくなり、下腿への負担はジョギングより増大。腕を振る力もより必要で、身体への負担は大きくなります。

初心者向けの速度(時速)とは?

ジョギング・ランニングを始めると、ついつい速く走ることを目指してしまいがち。

ですが、初心者ランナーが無理して速く走ろうとすると、思わぬ怪我をしてしまうケースや、辛くなって三日坊主になってしまうことも...。まずは心地よく走れる速度を保って、走ることを楽しみましょう!

初心者向け速度(時速)の目安は?

「心地よく走れる速度」といっても分かりにくいですよね。

初心者ランナーのおすすめ速度の目安は、『仲間とおしゃべりしながら走れる』ことです。このくらいの負荷なら苦にせず長い距離を走ることができるのではないでしょうか。

具体的な速度(時速)は?

具体的には、1kmを8分~10分で走るくらい、時速6~7km程度の速度がいいでしょう。かなりゆっくりのペースに思うかもしれませんが、このくらいのペースを保ちながら走ってみて。

また、ジムなどのランニングマシン(トレッドミル)で走る際も、最初は時速6〜7kmで設定しておきましょう。身体があたたまってきたら無理のない範囲で少しずつ速さを上げていくのがおすすめです。

無理のない速度(時速)でまずは短い時間から

最初から長い時間を走ろうとすると、誰だって苦しくて嫌になってしまうもの。

まずは1kmを8分~10分で走るくらい(時速6~7km程度)の速度のジョギングで、10分でも走ることができればOK!身体が慣れてきて、できるようになってきたら徐々に20分、30分と時間を伸ばしていきましょう。

初心者向け!おすすめトレーニング方法

「LSD」というトレーニング方法を聞いたことはありませんか?

これは負荷の少ない初心者ランナー向けのトレーニング方法で、続けることによってマラソン体質への変化が期待できます!

LSDってどんなトレーニング?

LSDとは「ロング・スロー・ディスタンス」のことで、長い距離をゆっくり走るトレーニングです。ゆっくり長時間走ることで心肺機能が高まり、マラソン向けの体質に変わっていきます。

効果を得るためには1kmを8分~10分で走るくらい(時速6~7km程度)の速度を保ちながら60分以上走ることが大切。慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていくとよいでしょう。

LSDの効果は?

LSDは有酸素運動なので脂肪燃焼効果があります。マラソン体質になれるだけでなく、ダイエット効果もあるのです。また、それほど負荷がないので、音楽を聴いたり、会話したりしながら走れるのも大きなメリット。

楽しみながら続けることが初心者にはなによりも大切なこと。焦らず一定のペースで続けることを心掛けましょう!

無理のない速度(時速)でランニングを!

ランニングとジョギングの一番の違いは走る速度
ほかにも以下のような5つの違いがあります。

  • 速度(時速):ジョギングは時速6.4km未満、ランニングはそれ以上のスピードで
  • 心拍数:ジョギングは最大心拍数の40〜60%、ランニングは最大心拍数の40〜60%
  • 目的:ジョギングはダイエット目的、大会出場や身体つくりが目標ならランニングを
  • 消費カロリー:ジョギング<ランニング
  • 身体への負担:ジョギング<ランニング

速度や心拍数など、数値は1つの目安として気にしすぎないように取り組むのもポイント。
ランニングとジョギングの違いを理解して、自分にとって無理のない・最適な速度で、走ることを楽しんでくださいね。

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