【ジャストフィットのお手伝い】シューズを履き分けて、コンディションが変わる!
ランナーなら誰もが目指すタイム向上。シューズを履き分けることがパフォーマンスをよくするために大事と聞き、スポリートアンバサダーの横浜の全力中年さんがランニングのシューズアドバイザーとして活躍する、藤原岳久さんが開催するお買物ツアーに参加しました。
フルマラソンのベストタイムは3時間24分。15分台を目指して励むのはアンバサダー・横浜の全力中年さん。これまでは一つのメーカーのシューズしか使用したことがありませんでした。今回のツアーは、新しいものを履くことでパフォーマンスアップにつながるか確かめるのが目的。自分に必要なシューズがどんなものかを、アドバイスしてもらうことにしました。
①個別計測・シューズ診断(30分)
フォームは安定しておりよいトレーニングのためのシューズを探す。
横浜の全力中年さんの基本データ
- フルマラソンのベストタイムは3時間24分、ハーフは1時間33分45秒
- 普段履いているのはアシックスのレーシングシューズがメイン
- 長い距離で負担を減らすため、軽さを優先して選んでいる
- サイズはショップで測り、27cmを購入
- 週2、3回の練習
ツアーは足の診断から履き分け、フォーム分析など、多岐に渡ります。最初に座った状態と立った状態で足のサイズを計測します。足の状態は足底筋膜炎でやや痛みがあるときがあったものの、今は大丈夫だそう。土踏まずがはっきりした足で、見た目にもきれいで健康で悩みは少なそうな足とのこと。足の実測サイズから、いつも選んでいるサイズは大きすぎるかも、との診断。
次に壁際に立ち、姿勢やバランス確認のための写真や動画を撮影します。立つと右側の肩が下がっており、片足で立ってみてもバランスが取れず、ふらついてしまいました。股関節も足を回そうとしてもあまり上がらず、特に左に固さがありました。画像では立ったときに右側のかかとが内側に入っていましたが、ナチュラルに内に入るのはそんなに問題はないそうです。
普段使っているシューズを履いて、トレッドミルを走り、これも撮影します。横からのフォームは美しく、身長が178cmある割にはストライドに頼り切らない、考えて走っているフォームとお褒めの言葉がかかりました。ただ、画像を後ろから見ると回旋が少しあるのがわかります。バランストレーニングを取り入れるとよい、特に走る前に10分ほど行うのがおすすめだというアドバイスがありました。
横からのフォームはきれい。後ろからみると歪みがわかる。
藤原さんの診断
- コンパクトなストライドで、ロジックをよく考えた走り
- 身体自体のバランスはあまりよくなく、走ったときにやや回旋が起こっている
- 基本的に足は健康
↓
- 27cmを履いているが足の実寸からだと本来は26cmか26.5cmを中心にサイズを選ぶべき
- 股関節の癖はシューズでサポートできる
- シューズ次第でフルマラソンのタイムが10分は変わる可能性がある
- 効率よく走れば3時間10分付近のタイムは出そうなフォーム
- コンディション次第でシューズの履き分けをした方がよく、フルマラソンのような遅いペースで長い距離を安定して走るには、サポートをしてくれるタイプのシューズも取り入れた方がいい
②シューズ選び方講座(30分)
シューズはTPOで3タイプを履き分ける。
藤原さんによると、シューズをうまく使うことで身体もうまく使えるようにする、その循環が必要だといいます。市民ランナーで大切なのは年齢やライフスタイルに合わせたバランスのよいトレーニング。むやみに長い距離を走って練習するのは疲労も残り、日々の生活に影響します。それを防ぐには距離を押さえつつも効率よく走れるよう、持久走やスピードアップ、あるいはLSDといった各種トレーニングをバランスよく行うことが、よいパフォーマンスをするコツなのだとか。そして、それに合わせてシューズを履き分けることで、トレーニングの種類×靴の種類の分だけトレーニングのバリエーションを増やし、効率を上げることも可能になります。
履き分けには3種類を推奨しています。ソールのかかとが厚く、前にはねあげがあって、身体を倒すことで足を前に誘導してくれるトレーニングシューズ。軽くて足の回転数を上げるサポートをしてくれるレーシングシューズ。薄いソールでシューズのサポートをほとんど受けないベアフットシューズの3つです。例えばトレーニングシューズはコンディショニングシューズとして捉えて欲しいといいます。スピードを出して走るとフォームが崩れやすいので、合間にトレーニング用シューズを履いてフォームを整え直す、といったコンディショニングのための使い方が理想的です。ベアフットはトレーニングにプラスアルファで使用すると、裸足感覚で身体をより使うことを考えるようになります。
ショップに行くと目移りしそうなほど各メーカーのシューズはあるが、基本はトレーニング・レース・ベアフットの3タイプに分類できる。
③シューズ選び(90分)&④ランニングフォーム分析
前への誘導性のあるシューズに挑戦。
横浜の全力中年さんは、ここまで軽さ重視で、クッション性があまりないレーシングシューズをメインに履いてきました。しかし身長がある分、重力が負担になることもあり得ます。それを軽減するには、屈曲性とともにクッション性も備えたトレーニングシューズを試すことにしました。
シューズを試す前にインソールを取り出し、足幅を確認。シューズはフィッティングが重要ですが、サイズはまずかかとがフィットしているかどうかを確認し、足幅、実測サイズのプラス1cmを目安にするのが基本です。また、紐を結んだときにシューレースの幅が並行になっているのが正しい状態で、左右のパーツが近づくほど締め上げているのは、サイズが合っていない証拠だそうです。
最初の2足はソールの厚いトレーニングタイプ。ブルックスの「グリセリン」と、ホカ オネオネの「アラヒ」を履いてみました。こういうシューズを履くのは初めてということで、ソールの傾斜による前傾、足元の柔らかさをかなり感じていました。サイズはいつもよりワンサイズ小さい26.6cmですがぴったりで、今までのシューズがブカブカだったことにも気づきました。
グリセリンとアラヒは、両方ソールは厚い。「すごいフィット感!足元がぼよんぼよんする」と、初体験のソールの感触に感動。
トレッドミルで走った動画を見てみたところ、足が内側に入るのをシューズが抑えているのが表れており、早速効果が見えています。
シューズのサポートがあればきれいなフォームでよいパフォーマンスをしていけそうということで、あとはタイプの異なるものを試して感触を探っていくことになりました。次はベアフットシューズを履く準備として、ウェーブストレッチリングを使用して指先をほぐします。ベアフットシューズはダイレクトに地面を感じるシューズのため、最初に足裏の感触を高めるのがよいのだそう。さらにフォームを整えるためのウォーキングエクササイズを行い、ブルックスの「フロー」を履いてトレッドミルに乗ります。
さきほどのエクササイズを意識することで、さらにきれいに走れるようになっていました。画像で見てみても、最初より左のお尻にしっかり力が入っているのがわかります。最後にもう一足、ややクッション性のあるホカ オネオネのレーシングシューズ「カブー」も履いて同じようにトレッドミルで走ってみて、感触を確認。以上で体験は終了です。
いいフォームなので、何を履いても使いこなせるというのが藤原さんの診断。レーシングシューズばかり履いていると疲れたときに身体の負担になるため、ほかのタイプもオン・オフで使い分けるのがよいそう。市民ランナーとしてサブ3クラスを目指していくなら、常に頑張り続けるのではなく、力をためて大事なときに発揮できるよう、効率のよいトレーニングは必須です。現在メインにしているレーシングシューズも使いつつ、トレーニングシューズでのコンディショニングを取り入れれば、目指すタイムも視野に入る、そんなアドバイスでツアーは終了しました。
おすすめは最初に履いたブルックスの「グリセリン」。レーシングシューズよりやや重さはあるものの、シューズのサポート力があるので安心感を得られます。本人も実際に履いたときにこのシューズの感触が一番よかったため、購入決定。シューズは後日自宅へと送ってもらえます。
これまでも自分でいろんな論文を読んだり、得た知識を試しながら走りを追求してきたという横浜の全力中年さん。今回のツアーは学んできたことを実感する形になり、また自分に合う正しいサイズにも気づけたことで、収穫の多いツアーとなりました。
今回試した4足。左からホカ オネオネ「アラヒ」、ブルックス「グリセリン」、ホカ オネオネ「カブー」、ブルックス「フロー」。
横浜の全力中年さんの履き分けまとめ
- シューズを変えてみたことではっきりコンディションの違いが見えた
- 筋疲労があるときやたくさん走ったあと、足が痛いときなどには、コンディショニングのためにトレーニングシューズを履くのがよい
- 大事なときに最大の力を発揮できるようなトレーニングを、シューズを履き分けながら行うとよい
お買物ツアー情報
F・Shokai 藤原商会
https://www.f-shokai.com/home/home/
お買いものツアーは、経験と知識豊富なシューズアドバイザー藤原岳久さんの主催する藤原照会が主催する、ランニングショップスタイルのシューズ選びサービス。開催は不定期で、ホームページやfacebookなどで告知しています。