初めての皇居ラン、“ランステーション”を利用して気軽に走ろう

イベント ランニングステーション

都心で屈指のランニングスポットといえば、たくさんの観光客が集まる日本の中心地…そう、皇居です。しかし中には、有名だけどわざわざ走りに行くのは面倒だし、ぶっちゃけ皇居ランってそんなにいいもの?と思う人もいるかもしれません。そこで、今回はスポリート編集部の市民ランナー、長岡さんに初めての皇居ランを体験してもらうことにしました。

ウェアを着て現地集合?いやいや、まずはランステーションに向かいましょう。

皇居ランのために、職場のある八王子から都心までやってきた長岡さん。ウェア姿…ではなく普段着です。そこで、着替えのために東京メトロ日比谷駅に直結した「ラフィネランニングスタイル日比谷店」を訪れました。皇居ランにとどまらず、都心でランニングを楽しむ人は多く、各地にランニングステーション、通称「ランステーション」と呼ばれるスポットがあり、ここもその一つ。ロッカーやシャワールームのあるこうした施設はサッと立ち寄って利用でき、都心で走るランナーには欠かせない、ありがたーい場所なのです。

初めての利用なので、まずはカードを作ります。入会金などはなく、利用料を払ってこのカードと引き換えにロッカーの鍵をもらえば、あっという間に手続き終了。しかも驚くべきはその料金。利用時間の長短に関係なく、なんと500円!ワンコインで更衣室やロッカー、シャワーまで使えるとは、なんともリーズナブル。利用する心理的ハードルも下がります。

また、この日は長岡さんが自分のウェアを持参しましたが、もし忘れ物をしたとしても大丈夫。シューズが110円でレンタルできるほか、シューズ・Tシャツ・バスタオル・ハーフパンツの「手ぶらセット」でも550円と格安です。

鍵をもらっていざ更衣室へ!ロッカーの数は多く、奥にシャワーブースもあります。このランステーションは皇居周辺最大級の規模とされていますが、仕事帰りのサラリーマンが多い時間帯や、混雑している週末の利用は時間に余裕を持って欲しいそう。東京マラソンなど、大きな大会が近い時期も練習で利用する人が多く、やはり混み合うそうです。この日は平日で気兼ねなく使うことができましたが、可能なら平日の早い時間帯を狙ってゆっくり準備したいものです。

準備ができたら、いよいよ皇居ランに出発です。スタッフの秋元さんに反時計回りに走ることや、歩行者優先で人とぶつからないように注意することなど、基本のマナーを教えてもらいました。コースはあくまでも歩道。観光客も多いので注意が必要です。自治体やランニング関連の団体が、マナー喚起のチラシやポスターを作成していますが、周辺のランステーションも自治体の連絡会と連携し、トラブル回避やマナー向上に向け、ランナーに随時アピールしているそうです。

皇居ランのマナーについてはいろんな団体から発信されていますが、千代田区観光協会が掲げている、皇居周辺ランナーサポート施設等連絡会による10か条の「ランマナ」は以下の通り。

皇居ランナーマナー10の宣言

  1. 左側走行を心がけます。
  2. 狭いところは一列で。追い抜きは避けます。
  3. できるだけ反時計回りで、逆走は控えます。
  4. 混雑時はタイムにこだわらず、常にゆとりのあるペースを心がけます。
  5. 追い抜き、追い越しの「声かけ」を心がけます。
  6. グループ走は広がらず、大集団にならないよう工夫します。
  7. クールダウン、集団での立ち話、そぞろ歩きで歩道を塞ぎません。
  8. 音楽プレイヤーのボリュームは控えます。
  9. ゴミは必ず持ち帰ります。
  10. いつでも思いやりのこころを持って走ります。

コースマップやマナーアピールは、いろんな団体が作って掲示しているのでチェック。

皇居ランスタート!ビルと歴史的建造物の中を駆け抜けるランニングは最高!

ラフィネランニングスタイル日比谷店から皇居までは約600m。ウォーミングアップがてらに移動するのにもちょうどいい距離感です。

大きな交差点を渡ると、堀が見えてきました。しかし誰も走っておらずなんだか変。調べてみると日比谷からすぐ見えてくる堀と石垣は皇居外苑のもの。皇居ランはそこから数百メートル先の内堀通りが正しいコースなんだとか。パッと見だと似ている風景なので勘違いしてしまいそうなので、コースはよく確認を。ちなみに、スマホを使うときは一端立ち止まってから使うようにしましょう。

内堀通りにたどり着くとランナー発見!平日なので人数は多くありませんが、いろんな年代の人が走っています。

1周約5キロのコースは、どこから走るのも自由です。準備運動ののち、まず目についた桜田門を起点に走ることにしました。ここは幕末に大老・井伊直弼が襲撃された「桜田門外の変」でも有名なところ。こうした歴史ある場所を走ることができるのも、皇居ランならでは。テンションがあがったのか、長岡さんも自然と笑みがこぼれます。

走るにつれて二重橋や東京駅、最高裁判所、瀟洒なイギリス大使館等の建築物も次々に見えてきます。皇居周辺は桜もたくさん植えられているので、春はお花見ランもできます。こうした季節の風景が楽しめるのも皇居ラン人気の秘訣のようです。

休日は人が多いと言いますが、この日は少なめでスイスイ。あっという間に1周を走破できました。アップダウンがありますが、信号がないので走りやすく、初心者にもオススメです。

長岡さんはすっかり体が温まり、半袖になっていましたが、寒い時期は何枚か重ねて体温調節しながら走ることで、ランニングもより快適に楽しめます。

今回は編集部オススメのウェアで走ってみました。ミズノのポーチジャケットは、脱いだら丸めてウエストポーチになる優れモノで、重ね着にも便利です。ウェア選びも楽しんで、皇居ランを満喫したいですね。

ミズノ ポーチジャケット

ミズノ ウェーブライダー21 (シューズ) / ミズノ BG9000 (タイツ)

走りやすさと独特の風景を体験できる皇居ランは、やっぱり面白い。

ぐるりと1周し、初めての皇居ランが終了。ランステーションに戻って汗を流し、ロッカーの鍵を返してカードを受け取ります。このカードは神田店でも使用可能です。

普段は八王子の自然の多い環境で走っているため、ビル群の中を走るのは非日常感があり、新鮮だったという長岡さん。道自体も走りやすく、皆が同じ方向に走るマナーが徹底されていることでストレスもなかったようです。また、ランナー同士、仲間意識を感じられたのも良かった点。「一人で走っているのとは違い、周囲にランナーがいるので、緊張感が生まれるし、励みになりますね」と大満足のようです。

都心に住んだり働いたりしていなければ、皇居ランはハードルが高そうな印象もありますが、ランステーションを使えば着替えや荷物置き場に困ることもなく、思い立ったときにいつでも走ることができます。景色も変化に富んで、初心者でも楽しめる皇居周辺は、東京の今と昔を同時に感じられる絶好のスポット。あなたもぜひ走ってその面白さを体感してみてください。

今回お世話になった人

秋元あやかさん

中学から陸上をはじめ、大学、実業団で活躍したのち、ラフィネランニングスタイル日比谷店スタッフに。ランニングについても気軽に相談に乗ってくれる。

取材協力

ラフィネランニングスタイル 日比谷店
東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービルB1
最寄り駅:東京メトロ日比谷駅直結
TEL:03-6206-1391
http://www.raffine-rs.com

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