ランニングシューズ選びは“足長&足幅”がフィッティングの最適解!



ランニングシューズを選ぶ際、足長(サイズ)を合わせるのは普通のことですが、それ以外の部分はどれだけ意識していますか? 今回、注目してもらいたいポイントはズバリ“足幅”!フィット感を高めて最適なパフォーマンスを出すには、足幅はとっても大事なポイントなんです。 このたび、足幅が調節できる画期的なシューズ「AAAB(アーブ)」が発表されたと聞き、ミズノ株式会社へ開発者の佐藤夏樹さんを訪ねました。足幅の合ったシューズを履くことの大切さや、「AAAB」の特徴や目指すところなどを伺いました。

足が靴幅からはみ出す“棚落ち”状態だとシューズの性能を十分発揮できない

――シューズを選ぶとき、たくさん種類があってわからないという人は多いです。初心者は何を重視すべきでしょうか?
「当たり前のことですが、靴のサイズが合っているかどうかが大事です。では合わせるのはどこを?という話になります。気にして欲しいのは足長(足のサイズ)、そして足幅です」

――足幅とは具体的には?
「親指と小指の付け根の、一番張り出した部分の幅です。要は足で一番幅のある部分です。靴を買う際、ワイズ2Eなどと表示されていますが、これは足囲、足幅のJIS規格ですが靴選びの一つの目安となっていますね。目安として2Eがノーマルとすることが多く、数字が増えると足囲、足幅が広くなることを意味します。」

――足幅はなぜ大事なのでしょう?
「足幅と靴幅が合っていないと、まずフィット感が悪いですよね。足幅より靴幅が広すぎると足との間に隙間ができて走っていて靴の中で足が動いてしまいます。また、足幅が靴幅よりも大きいと、足が靴幅からあふれて横にはみ出す形になってしまいます。我々の世界ではこれを『棚落ち』と言います。まさに足が土台からあふれて落ちている状態です。そうすると地面を蹴ろうとしてもあふれている部分の下には何の支えもないので、安定性が悪くなります。蹴る力を地面に100%伝えられないので、パフォーマンスも十分出ないでしょう。つまり、靴の性能が発揮されていない状態です。フィット感はもちろん、靴の性能を十分活かしてパフォーマンスを良くしようとしたら、足のサイズと足幅、両方合ったシューズを履くことが大切なんです」

――なるほど。そんなにぴったりした足幅のシューズってすぐに見つかるのでしょうか?
「足幅が狭い場合は、中敷きや靴紐で調節することも可能ですが、広い場合はそう簡単にはいきません。ミズノでは一つのサイズにつき靴幅はスリム・ノーマル・ワイド・スーパーワイドといった種類を展開して対応しているモデルもあります。他メーカーも同じようにだいたい何種類かラインナップしています。
シューズを買う際は、ぜひ足幅を気にして選んで棚落ち状態をなるべく防いでほしいですね」

靴のサイズと足の実寸は違う。自分の足を知り妥協のない靴選びを

――足幅以外にはどこを注意して選べばいいでしょうか?
「まず、靴選びの前に自分の足を知ることが大切だと思います。自分が今履いている靴のサイズは、本当に足のサイズですか?ということです。例えば普段27cmの靴を履いているからといって、実際の足長が27cmとは限りません。足の実寸法と靴のサイズは、同じじゃないことも多いと考えていた方がいいですね。それに、靴は種類やデザインによって同じ27cmでもかかとの形やつま先の余裕もかなり違いがあります。実際に足を測ってみると思っていたサイズとは違っていた、という人は多いです。だから自分の足のサイズを把握した上でシューズを選ぶことが必要です」

――足を知らなければ、合うものは選べないという訳ですね。
「そうです。シューズ選びは足を知るのが第一歩です。できればきちんと足を測ってくれる店舗に行くほうがいいです。手近にそういうところがなければ自分で測ることもできます。ミズノのサイトでもサイズの測り方や足の計測シートを公開しているので、ぜひ使ってみてください。実寸を知った上で、サイズや足幅に合うものを探すといいでしょう。ランニングシューズの場合、目安としてつま先は1cmほど余裕のあるものを選んでください。足幅についてはワイドやスーパーワイドなど、足幅の合うものをいろいろ履き比べてみればいいと思います。妥協しないで選んでほしいですね」

――左右で足のサイズが違ったり、どうしても合うものがない、という場合はどうしたらいいでしょうか?
「そういうときは中敷きをうまく活用してください。ただ、中敷きは細かな機能調節を可能にする分、何でもいいというわけではありません。専門知識を持つシューフィッター等、詳しい人がいるところでアドバイスをしてもらう方がいいでしょう。ミズノの直営店の中にはフットケアトレーナーがいる店舗もあり、足型や足圧を測定してアドバイスしています。よりフィット感の高いシューズを選べると思います」

ミズノでは公式オンラインショップで足のサイズと足幅の測り方を紹介しています。サイズ計測シート(足囲メジャー付き)も用意されています。
足幅の測り方を紹介ページ

新機構を備えた「AAAB」は靴幅の悩みを解決し究極のフィッティングを目指したコンセプトシューズ

――今回、ミズノが発表した「AAAB」は、靴幅を調節できる画期的な機能を備えているそうですね。
「当社では随時ユーザーに対してさまざまな調査を行っています。すると、どんな調査を行っても必ずトップに上がってくる意見がフィットとコンフォート、つまり足に合ったシューズで快適に走りたいというニーズです。つまり、フィット感で失敗したランナーがとても多いんですね。左右で足幅が違う人もかなり多く、左右のサイズ違いの人も合わせると、足の大きさが右足と左足で完全に同じという人は世の中にほとんどいないと思われます。さらに人の足は常に変化しているので、足のコンディション次第で履き心地が変化します。では究極のフィッティングとは何か、と考えたときに生まれたのがシューズの足幅を調節するというアイデアです。もし片方ずつ足に合わせて好きなように調節できたら、さまざまな悩みが解決できます。そして生まれたのが『AAAB』です」

――確かに足幅調節はこれまでにはなかった発想です。「AAAB」の具体的な機能について教えてください。
「構造としてはソールの靴幅部分に、横方向に開閉する機構が入っています。それを付属のネジで調節するだけです。ソールには縦に波形の溝が入っていますが、ここの溝が狭くなったり広くなったりして、靴幅の伸び縮みに対応します。幅は2Eから6Eまで調節可能です。『AAAB』はAnytime Anywhere Adjustableの略ですが、“いつでも”“どこでも”“調節可能”という、従来のシューズフィッティングの概念を変える新しい製品です。左右で幅の違う人にも対応できるし、普段はノーマルな2Eでも、長時間歩いて足のアーチがつぶれてきたり、またむくんだりしたときは広げるなど、いつでも好きなように調節できます」

――反応はいかがでしょう?
「このシューズはランニング専用ではありませんが、開発には多くのランナーが関わっており、もちろんランニングにも使えます。実際にランナーにも履いてもらい、まずまずの感触を得ています。現状はサイズと数量が限定で店頭販売のみなのですが、注目も感じていますし、声を聞きながら改良していけたらと思っています」

――「AAAB」は今後どのような進化を目指しますか?
「誰にとっても靴選びがシンプルで簡単、そして好きなようにカスタマイズできるという部分を今後も追求し、究極のフィット感を求めていきたいと思っています。ミズノのものづくりの究極のテーマは、人と道具がいかに一体になるかということです。道具と身体の境目がなくなり、道具が身体の一部になるような、そんなところまでこの製品を高められたら最高ですね」

――今日は靴幅と足幅の関係や、新基軸の「AAAB」のお話など、大変参考になりました。どうもありがとうございました。

付属のネジを差し込み回していくと、靴底にある溝の幅が狭くなったり広がったりする。これにより靴幅が調節される。ネジは最大・最小靴幅になったところでそれ以上は回らない仕組み。

ソール横幅調整コンセプトシューズ「AAAB」
36,000円(税込価格38,880円)
サイズは27cmのみで、50足限定。ミズノオオサカ茶屋町店、エスポートミズノで販売中。

教えてくれた人

ミズノ株式会社
ブローバルフットウエアプロダクト本部
デザイン・開発部
技術開発課 課長
佐藤夏樹さん

長年バスケットシューズやランニングシューズの開発に携わってきた。ソール横幅調整コンセプトシューズ「AAAB」を4年かけて開発し、さらなる進化を目指す。

ミズノ公式
https://www.mizuno.jp/

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