【絶景ラン】海上に並ぶ電柱に見た、懐かしさと美しさ。

特集 絶景ラン

寒の戻りを繰り返した忙しない初春も、いよいよ穏やかな気候になってきた。この日、男が目的地に設定したのは、千葉県の「江川海岸」。寒さゆえに足を運ぶのを躊躇っていた海岸沿いの、磯の香りがなんとも心地よい。ゴール地点で男が目にしたものは、ノスタルジックで不思議な光景だった。

全国各地、あるいは世界中に“絶景”と呼ばれるスポットがある。あっ!と驚くような景色や目を奪われる景観のことだ。一方、都会はオフィスビルが立ち並び、日本で最も人口が多く、一般的に絶景と呼ばれるものと出会える機会も少ない。そんな東京都近郊に存在する、絶景と呼ばれる景色を求めて。様々な景色に注目して走ってみれば、実は色々なところに“絶景”が見えてくる。

舞台は「千葉」、都心を離れ絶景探し。

スタート地点は、程なく離れた木更津塩浜公園に決めた。まだ少し肌寒い浜風を身体に感じながら、ウォーミングアップを行う。遠くに見えるのは、「中の島大橋」と呼ばれる日本一高い歩道橋で、なんでも『赤い橋の伝説』と呼ばれる恋人の聖地なのだとか。

海岸に近づくにつれて、特有の車道…と言うのだろうか、ヤシの木が生えていたり、農道を思わせる開けた道が多くなってくる。道は平坦で走りやすく、車の通りもさほど多くはないので、自分のペースで走ることができた。それにしても心地よい、やはり走るにはちょうど良い気候である。

いよいよ海岸が近づき、磯の香りが深くなる。

車道を抜けると、いよいよ眼前に海が見えてくる。初夏やGWのタイミングには、潮干狩りで賑わう江川海岸。この日は早朝かつシーズン前なので、それほどに人は多くはなかった。不思議なもので、実際に海が見えると活気が湧いてくる。お目当ての景色はもうすぐそこだ。

さて、いよいよラストスパート。ここまでくるともう足取りを遮るものはなく、拓けた景観の中を、潮風を切って走ることができた。これだけ周りになにもないと、気持ちも開放的になる。歩幅も、期待も、徐々に大きくなっていった。

この日は、快晴の天気の中で江川海岸に整列された電柱を見ることができた。夕方や夜になるとまた異なる景色を見せてくれるようで、実際に時間を変えて足を運んでみたい、そう思えるような場所だった。不思議な光景の先にはうっすらと工場地帯が見え、どこか懐かしさと、その違和感からくる美しさに目を奪われたのであった。

江川海岸では潮干狩りもできるので、家族で訪れるのもおすすめ。大人の楽しみ…というとそれが全てではないのだが、たっぷりと汗を流した後に、美酒に酔いしれる時間もそのひとつ。そこで疲れた肝臓を癒すのに、あさりはピッタリだ。そんな大人の贅沢と、家族との思い出を楽しみに、この夏、ぜひ訪れてほしい場所だ。

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