【へルニア克服までの道のり STEP1】治療でもリハビリでもなく、“腹筋強化”で完治を目指せ!

ケア・ラントレ ヘルニア克服までの道のり

「あなたのカラダはランニングに向いていない。今すぐやめた方がいいよ」。ご褒美ランを広めるため、ランニングに勤しんでいた矢先のことでした。整形外科医の先生から、「L4/L5の腰椎椎間板ヘルニア」と宣告されたのです。「私は一生、ランニングできないのか…」。ひどく落ち込みました。そんな私に救世主が。スポーツトレーナーの町野走一先生です。「腰椎椎間板ヘルニアは程度によりますが克服できる可能性がありますよ」。先生、私、もう一度、走りたいです。ご褒美ランはしばらくお休みして、「ヘルニア克服までの道のり」をお届けします!

症状レベルを知る。

そもそも、私の腰椎椎間板ヘルニアは、重いのか、軽いのか。症状のレベル感が分からないままでは、治療も、リハビリも始められません。町野先生が院長を勤める「立川高松接骨院」を訪問し、症状を診ていただくことに。

スポーツトレーナーの町野走一先生。以前、スポリートの別企画でご一緒したことがあり、このようなご縁をいただくことができました。

町野先生に経緯をお話ししたのち、治療用ベッドへ。町野先生が「ヘルニアといえばこの人!」と太鼓判を押す、安藝(あき)雄司先生を紹介してくださいました。

安藝先生によるスポーツマッサージを受けます。診てくださったのは、痛みのレベル感と痛みがある箇所。スポーツマッサージは、普通のマッサージと違い、周辺の筋肉を呼び覚まし、関節の可動域を広げてくれるものだそうです。終わったころには、なんだかカラダが軽い!

スポーツトレーナーの安藝雄司先生。駅伝で有名な佐久長聖高校のご出身で、大学では箱根駅伝を目指していたアスリート。

腹筋を鍛えて、コルセットに。

マッサージの診断結果から、町野先生が今後の方針をお話してくれました。

「KAKAOさんの腰椎椎間板ヘルニアは、レントゲン等の画像を見てみないと断言は出来ませんが、徒手検査の段階ではそこまで重症ではない可能性が高いです。改善の余地ありです。ではどうするか。ヘルニアになるまで腰に負担を与えていたのは、これまで体幹部の筋肉、主に腹筋群を使ってこなかったからです。体幹部の腹筋群を使わないと、脊椎の前にある内臓を固定することができず、前方に重力がかかることで自ずと腰が反って、痛みを感じるようになってしまったのです。普段から腹筋を使う習慣をつけましょう。そして、肋骨と骨盤の間に存在するお腹まわりの全筋肉を、コルセットにしてしまいましょう!」

腹筋を使っていなかった…。治療やリハビリ、筋トレで筋力を強化するのではなく、「腹筋を使う習慣をつけること」で、腰への負担を減らす…。衝撃でした!

そういえばマッサージの間、安藝先生がこんな話をしてくれました。

「ケガをすると、みなさん、筋力が足りないんだと筋トレをしがちです。でも、その前にやるべきことがある。KAKAOさんの当面の目標は、“走ること”ですよね。“走ること”をピラミッドの頂点に置いたとき、上段には、パワーとか瞬発力といった走るために必要な能力があります。そして、中段には、いわゆる筋トレで強化するような筋力がある。そして、それらすべてを支える土台が基礎運動能力なんです。いくら筋トレをしても、土台が小さかったら、走るための能力は高められませんよね」。

なるほど。当面は、基礎運動能力向上に重点を置いて、トレーニングに励みます!

腹筋を使っている状態とは?

「腹筋を使っていない」と指摘された私。では、「腹筋を使っている状態」とは、どういう状態なんでしょう? 体感してみることに。息を吸うときに胴を膨らませて、息を吐くときにへこませる。まずは、呼吸法を見直すところから始まります。

腹筋というと、胴の前面に意識を置きがちですが、今回のトレーニングでは横も、後ろも、すべてに空気が入るよう、腹横筋を動かしていきます。

町野先生の手を押し返すように、お腹全体がぷくっと膨らむまで空気を入れます。そして今度は、この膨らんだ状態を維持したまま、呼吸をします。これが結構、難しい。みなさんも、その場でやってみてください。お腹に空気を入れて、そのままスーハースーハーです。

ここからは安藝先生とバトンタッチして、腹筋を使っている状態を習慣化するために、3つの筋トレを教えてもらいました。

(1)プランク10秒

私の基礎運動能力に合わせて、膝をつけた状態で。ポイントは、肘の角度と、肩の角度をそれぞれ90度に保つこと。お尻を上げすぎない、腰を反りすぎないこと。

(2)サイドプランク10秒

肩が内側に入らないよう、なるべく胸を張ることを意識します。右プランクでは、腰が内側に入ってしまう癖があるため、こちらも注意が必要でした。

(3)ヒップリフト

10秒かけて、腰、背中、肩と下から順に持ちあげていきます。首まで持ち上がったら、今度は10秒かけて、肩、背中、腰と下ろします。ポイントは腰と地面に隙間を作らないこと。

これらの筋トレは、筋力強化を目的としているのではなく、あくまで腹筋を使う習慣をつけることを目的としています。1回目で、筋トレの方法を覚えて、2回目で、腹筋に意識を集中させて、3回目にもなると、「あれ、楽にできる!」という感覚をつかむことができました。

そうなんです。腹筋がカラダ全体を支えてくれているためか、これまでプランクを5秒以上できたためしがなかった私でさえ、楽にできたのです。腹筋を使うって大切なんだなぁ。

次回までの宿題は、呼吸法を変えて、どんなときも、腹筋を使っている状態を維持できるようになることです。早速、自転車に乗りながら、電車に乗りながら、机に向かって書き仕事をしながら、お腹に空気を入れたまま呼吸をするよう意識しました。腹筋を使うと、背筋がすっと伸びて、腰もまっすぐ伸びる。腰への負担が、少しずつ軽減されそうです。次回もお楽しみに。

取材協力

町野走一先生

1978年生まれの三重県出身。株式会社ケッズトレーナー 立川高松接骨院 院長。三重県立上野工業高校と神奈川大学で陸上競技部に所属。神奈川大学駅伝チームでは主将を務め、大学4年間の中で箱根駅伝総合優勝を2度経験した。天満屋女子陸上部をはじめ、トヨタ自動車、日清食品グループ、日立女子陸上競技部、大阪ガス陸上競技部、日本郵政女子陸上部など多くの実業団チームに帯同。

株式会社ケッズトレーナー 立川高松接骨院

肩こり・腰痛・膝痛・五十肩・坐骨神経痛・各関節痛・骨折・脱臼・捻挫・打撲・スポーツ障害など スポーツマッサージと、接骨・鍼・灸の観点から施術を行います。

〒190-0011
東京都立川市高松町3丁目13-15 日本医薬(株) 立川ビル3F
TEL : 042-522-8885
https://ks-trainer.co.jp/shoplist/sm_tachikawa.html

プロフィール

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